PHC株式会社

CASE STUDIES 導入事例「病院編」

瀬戸内海病院様 (愛媛県今治市)

  • 内科
  • 外科
  • 小児科
  • 消化器科
  • 循環器科
  • 呼吸器科
  • 放射線科
  • リハビリテーション科

瀬戸内海病院

患者満足度を最優先に経営ツールとして活用

導入商品:Medicom-MI・RA・Is/PX

社会医療法人生きる会瀬戸内海病院(愛媛県今治市)は2013年5月に電子カルテ・オーダリングシステム『MI・RA・Is/PX』を導入しました。それ以降、医師やスタッフの業務負担の軽減や患者さんの待ち時間の短縮につなげるなど、大きな導入効果を引き出しました。今後は患者満足度を最優先に経営分析ツールとして活用し、診療枠の最適化や病床機能の分化の方向性を探るシミュレーションに役立てていく方針です。

システム導入の経緯

患者さんの高齢化と医療情勢の変化に対応

瀬戸内海病院は内科が主体の急性期病院として地域の患者ニーズに合う診療に取り組んでおり、医療機器の導入についても患者満足度の向上を最優先に考えて決めています。
電子カルテについては、約5年前に一度、導入を検討しましたが、患者さんに冷たい診療になってしまう懸念を払拭できずに断念しました。システムを使うことに気を取られ、患者さんではなくモニターを見ている状況が起こってしまうことを危惧したと言います。
一方で医師の負担が増し、現有の人員では対応しきれない状況が現場で起こり始め、対応が求められていました。
同院では、患者さんが来院から診療を終えて帰るまでの時間を約10年前から調査していますが、患者さんの高齢化と医療情勢の変化が相まって年々伸びていることがわかりました。朝、来院して帰るのは午後3時という方もおられました。

診療と検査の合間のインフォームドコンセントや足の不自由なお年寄りへの介助など、患者さん一人当たりの対応時間が各セクションで少しずつ増え、限られた時間の中で患者さんに手厚い医療を提供することが難しくなってきたのです。

瀬戸内海病院

システム導入のポイント

情報を2次活用できる提案とサポート体制が決め手に

こうした状況に対応して電子カルテシステムの導入が検討されることになりましたが、小堀陽一郎院長は、「電子化の推進にあたっても患者さんへの手厚い医療の提供に妥協することなく、人間の温かさと強みを失ってはいけません」と繰り返し強調します。
したがって、患者さんのケアやサポートの時間は絶対に削れません。加えて、「早く診てほしい、早く帰りたい」という患者さんの要望に応えるためには事務作業時間をいかに削減するかがポイントになりました。
電子カルテ化を推進するプロジェクトリーダーの鈴木幸雄・診療放射線技師は、臨床ツールとしてよりも、経営ツールとしての役割を重視し、ベンダーの選定にあたっては、蓄積した情報を2次活用できるシステムの提案を求め、院長の意向に沿う形で着実な電子カルテ化とシステムを経営ツールとして活用する道筋を切り開きました。

また、医事部門としては、サポート面を重視しました。紙カルテから電子カルテへの大転換ですから、稼働後のサポートも欠かせません。従来、医事システム『メディコム』を使用して慣れ親しんでいたこともあり、『メディコム』代理店のこれまでの実績と信頼が決め手となりました。また、他のシステムとの親和性が高いという印象も後押ししました。

瀬戸内海病院

システムの活用と効果

診療枠の最適化に活用病床機能の方向性模索にも

「カルテの取り合いが解消されたことがいちばんの利点」と小堀院長は話します。具体的には日勤の看護師全員に端末が行き渡るようにし、また、診察室内に看護師用のパソコンを設置しました。
これにより医師の負担軽減にもつながっています。例えば、外来診察時に入院患者の容態が急変した場合でも端末を看護師が操作すれば指示を出せます。救急対応で紹介医から連絡があった時にも、すぐに返事や説明ができるようになりました。
また、各部門の担当者がいつでもどこでも画像やカルテの記載を閲覧できるようになり、今まで以上に連携を深められると考えています。容態が流動的な患者さんに対しても多職種が電子カルテシステムをベースに状態を把握・判断し、トラブルなくチーム医療を展開しています。
作業効率も高まりました。従来、医師の文字の解読と入力に時間を要していましたが、医師のオーダーを自動的に医事コンピュータに取り込めるようになり、会計時間は劇的に短縮しました。併せてPOSレジも導入しましたのでミスもありません。事務部の山崎祐史氏は、「これまで1、2時間にもおよぶ会計待ちが5~10分に短縮され、患者さんからも『早くなったね』と喜びのお声をいただいています」と話します。

経営ツールとしては、「どの診療科に何人の患者さんが来ているのか」を即時確認できるようになりました。これにより患者別、年齢別、医師別の診療数を集計してグラフ化し、経営分析に役立てています。例えば、医師別に見た患者数を予約と予約外に分けることで曜日毎に患者数を予測することができ、それに基づき診療枠を最適化、待ち時間の短縮や患者数の平準化につなげ、容態急変患者への対応範囲を広げられるように努めています。
今後、高齢患者は慢性期医療や介護施設に移行していくことが予測されています。
そのため同院では、主治医制を進め、壮年期の患者さんに当院を選んでもらえるようにしたり、病床機能の方向性を探ったりするツールとしても役立てていく方針です。

瀬戸内海病院

システム概要

瀬戸内海病院

成功のポイント

すべてをデジタル化しなければいけないという既成概念を払拭したことです。紙を利用した方がいいケースも多々あることを理解してもらい、柔軟に運用しながら徐々にステップアップしていくようにしました。
また、操作研修の時点で頭角をあらわした職員から7人をクラークに選び、専任2人は常時、5人は医師の要望に応じて随時対応できるようにしました。運用にあたっては看護師やクラークが患者さんに声掛けをするようにして、不快感を与えないようしています。医師も最近では操作に慣れて余裕も出てきましたので、患者さんと積極的にコミュニケーションを図るようにしています。

社会医療法人 生きる会 瀬戸内海病院

瀬戸内海病院

●設立年月日:1977年2月
●病 床 数:97床
●職 員 数:
医師11名、非常勤医師25名、看護師80名、薬剤師3名、放射線技師4名、臨床検査技師6名、理学療法士9名、作業療法士1名、管理栄養士3名、その他60名
●診 療 科 目:内科、外科、小児科、消化器科、循環器科、呼吸器科、放射線科、リハビリテーション科
●主な医療機器:CT、MRI、乳房撮影装置、X線TV、一般撮影装置、免疫装置、超音波装置、血球計測装置、心電計、脳波計、眼底カメラ、生化学自動分析装置
●院   長:小堀 陽一郎先生(医学博士)
●インターネットサイト:http://www.ikirukai.or.jp/

愛媛県今治市北宝来町2丁目4-9


取材日:2014年9月