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薬局経営 薬剤師 薬局経営者 2021.04.02 公開

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服薬管理の課題と在宅薬剤師にできること

※本内容は公開日時点の情報です

#業務効率化 #訪問診療 #機器選定ポイント

服薬管理の課題と在宅薬剤師にできること

 在宅医療の対象者は、複数の慢性疾患を持つような高齢者をはじめ、難病を抱える小児・若年者、また、末期がん患者の緩和ケアなど非常に多岐に渡ります。通常の外来患者さんとの対応とはまた違った知識や技能、他職種とのコミュニケーション力が求められてきます。その反面やりがいも大きく、薬剤師としてまた別の角度で成長ができる分野でもあります。
 今回は、在宅の現場における服薬管理の課題や在宅薬剤師が出来ることについてご紹介します。

1:在宅の現場で起きている課題とは

 在宅医療の対象者は多岐に渡ることや、患者さんを中心に地域の医師、看護師はじめ介護職の方など様々な職種の方と連携して行なっていくため、通常の外来患者さんとの対応とはまた違った知識や技能、コミュニケーション力が求められてきます。
 今まで複数の診療科を跨いで服用を継続してきた薬がそのまま処方されているケースもあり、そういった中では、往診時に医師に同行し、併用に注意が必要な薬のチェックや不要な薬の確認を行い、医師に処方提案する必要も出てきます。
 また、初回訪問時に患者さんが今まで外来でもらっていた薬の残薬が大量に患者さん宅でみつかると、現状の服薬状況の再確認から服薬管理方法をあらためて見つめ直す必要も出てきます。ご本人や夫婦が認知症のケースもあり、そういった場合にはご家族の方や介護職の方とのコミュニケーションも大切になってきます。
 小児在宅、緩和ケアをはじめ、麻薬管理や輸液、注射薬の無菌調製など、より専門的な知識が求められることも課題のひとつです。薬局の内部的なこととしては、24時間、夜間・休日対応などができる組織体制づくりも大切になってきます。

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2:生活スタイルに合った提案をしましょう

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 患者さんが希望する医療に寄り添うためには、適切な薬をより安全に服用してもらうことが必要です。処方提案を行うためには、今までの薬の服用状況を把握することが大切です。発症年齢、薬が処方されたタイミング、その理由などを過去からヒアリングしつつ追っていくことで、なぜ今の処方に行き着いているかが分かってきます。そこで参考になるもののひとつとして、お薬手帳があります。過去のお薬手帳から読み解いていくことで「この薬、今は不要なのでは?」と疑問に思う薬がみえてきます。副作用や気になる症状なども確認しつつ、その上で、医師とのコミュニケーションをとおして処方内容を組み立てていきます。
 また、患者さんによって生活状況は様々で、家族環境の把握から日常の行動に至るまで、そして病気だけを診るのではなく、患者さん、そしてそのご家族の心理を考慮した上で、一人ひとりに合わせたケアを行うことが大切になってきます。そういった情報を他職種の方と共有し合うことで、医療・介護のチームの一員として患者さんを支えていきます。独居の方で、ご家族の方が遠方で生活している場合には、電子お薬手帳の導入を提案し、薬の服薬状況の共有を行なっていくこともひとつの方法です。また、薬を正しい時間に間違えずに服用できるように服薬管理を行う服薬支援ロボなど、ICTツールなどもあるため提案し、活用していくことも重要です。

3:正しく理解してもらうことが大切です

 患者さん自身、そのご家族、また介護職の方に薬に対する理解を深めてもらうことも服薬管理の上で大切になってきます。専門的知識を一方的に話しても理解は難しいため、相手の認知レベル、言葉に合わせて、時には分かりやすい資料やイラストなどを用いて説明し、丁寧に接する必要があります。
 また、在宅医療においては、患者さんを中心に地域の医師、看護師はじめ介護職の方など様々な職種の方と連携する必要があります。地域によっては、医療介護コミュニケーションツールを活用して患者さんごとのスレッドを立てて情報共有していたり、LINEなどのフランクに連絡が取り合える手段でやりとりをしていたりもします。課題意識をチームで共有することによって、より患者さんが希望する医療に寄り添うことができます。その場合にも薬剤師だからといって遠慮せず、積極的に情報発信をし、共有を行なっていきましょう。

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まとめ

 今回は、在宅の現場における服薬管理の課題や在宅薬剤師ができることについて紹介させていただきました。在宅医療の対象者は多岐に渡り様々な状況が想定されます。知識や技能、他職種の方とのコミュニケーションなど求められることも多く、不安を抱える薬剤師の方も多いですが、非常にやりがいが大きく、外来の対応とはまた別の角度で成長することができます。これからの超高齢化社会においては、在宅医療のニーズはより高まり、薬局に求められることも大きくなってきます。ぜひ、地域医療を支える一員となれるよう切磋琢磨していきましょう。

著者情報

竹中 孝行

薬剤師/株式会社バンブー代表取締役/一般社団法人薬局支援協会 代表理事
共立薬科大学を卒業後、製薬企業勤務を経て、薬局薬剤師として従事してきました。2012年に株式会社バンブーを創業し、薬局経営をしている傍で、お薬に関するコラム等の執筆を行っています。

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