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承継 医師 2022.05.16 公開

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家族への事業承継と第三者への事業承継

※本内容は公開日時点の情報です

#マネジメント

家族への事業承継と第三者への事業承継

親族も第三者も同じ

親族も第三者も同じ

親族のほうが院長にお世話になったと感じている患者にとって親近感が湧くことがあっても、継承しようとする診療所院長の親族に医師がいて彼らに事業承継する場合も第三者へ事業承継するのであれ、患者や地域医療からみればあまり関係のないことです。誰にせよ今お世話になっている院長の診療所での診療を残してくれるのか、くれないのかということに関心があります。

そうであれば、本音は親族に引き継いでもらいたいという思いはあっても、本来事業承継はすべからく親族である医師に診療を引き継ぐのと同じように第三者に地域医療を継承しなければなりません。

多くの場合、親族に診療所を引き継ぐ方が見当たらないときには、ややもすると「それでは、徐々に患者さんを少なくして、フェイドアウトするか」とか、「それでは、誰かやりたい人に診療所を譲渡するか賃貸しよう」ということに話が進み、「さっそく譲渡先か賃貸先を探して下さい」ということになってしまいます。

しかし、場所を提供するということと、医療を引き継ぐことは随分と異なります。医療を引き継ぐということは院長が次の医師に自分が護ってきた地域医療を承継するということですから、ただ場所を提供すれば自動的に患者も引き継げるわけではありません。

継承を行う院長が院内でセミナーを行う、外部的にもセミナーを行うといったことをも含め、しばらく新しい医師と二診療体制で一緒に診療活動を行い、自身の後継者として相応しいかどうかを判断しなければなりません。

実際に良い医師に来てもらい「この先生はとても良い先生だから皆さんも安心して診てもらってください。かかりつけ医として自在に相談をしてください。何かあれば私がしばらくは支援します」と地域住民にアナウンスすることができれば患者も安心します。

地域医療を守る

実際にそうした事例も多くありますが、事業承継をかたちだけで行い、カルテ付きで譲渡したものの、新しい医師に患者がなじめず、ほとんど定着しないで業績を悪化させ、診療所を廃院させてしまうことにもなりかねません。

二診体制→新院長の売り出し→患者定着→院長引退→次の院長の人生スタート、といった流れをつくりあげる必要があります。「真の事業承継」を行うためには、ただ場所を提供しカルテを引き渡せばよいのではなく、親族に事業承継するように、地域医療維持のための取り組みを行う必要があると考えています。

著者情報

石井 友二

石井 友二

ホワイトボックス株式会社代表取締役(公認会計士、税理士)
中央大学商学部卒業後、朝日監査法人(現あずさ監査法人)入社。監査業務に従事したのち、安田信託銀行(現みずほ信託銀行)入行、コンサルティング部室長を経て、 2004年4月に、医療機関への経営支援を専門とするコンサルティング会社、ホワイトボックス株式会社を設立。
100を超える病院や30以上の診療所に対する会計業務や経営コンサルティングを実施。ホワイトヴィークル株式会社の取締役、石井公認会計士事務所所長、監査法人ブレインワークの代表社員でもあり、上場会社の社外取締役にも就任している。
現在は医療機関における経営・マネジメントの知識を発信するコミュニティサイト「Doctor Winners」を運営している。

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