2. 整形外科の開業資金・平均年収に関して
(1)開業資金に関して
以下は、整形外科クリニックの投資予算のサンプルです。
整形外科 開業投資予算 サンプル
(C)株式会社G.C FACTORY調べ
※ 医師会入会費に関しては地域差があるのと、入らない先生もいるので外しています。
※各医療機器の価格はあくまでも参考価格となり、実際は購入のタイミングやメーカーの選定によって変動します。
分 類 |
項 目 |
単 価 |
数 |
単位 |
計 |
税 込 |
不動産 |
敷金 |
720,000 |
6 |
カ月 |
4,320,000 |
4,320,000 |
礼金 |
720,000 |
1 |
カ月 |
720,000 |
792,000 |
仲介手数料 |
720,000 |
1 |
カ月 |
720,000 |
792,000 |
設計・施工 |
設計・施工費 |
500,000 |
60 |
坪 |
30,00,000 |
33,000,000 |
看板・サイン |
500,000 |
1 |
式 |
500,000 |
550,000 |
医療機器 |
レントゲン(発生装置 +PACS) |
11,500,000 |
1 |
式 |
11,500,000 |
12,650,000 |
測定関連 (骨密度、血圧脈波、体成分分析装置など) |
6,000,000 |
1 |
台 |
6,000,000 |
6,600,000 |
物理療法関連 (マイクロ波、超音波、赤外線、エアマッサージ ウォーターベッド、牽引装置) |
4,000,000 |
1 |
台 |
4,000,000 |
4,400,000 |
運動療法関連 (鏡、バランスボール、平行棒、その他) |
3,000,000 |
1 |
台 |
3,000,000 |
3,300,000 |
その他(滅菌機、AED、電動診察台、無影灯) |
1,500,000 |
1 |
台 |
1,500,000 |
1,650,000 |
システム |
電子カルテ |
3,500,000 |
1 |
式 |
3,500,000 |
3,850,000 |
WEB予約システム |
800,000 |
1 |
式 |
800,000 |
880,000 |
オンライン診療システム |
400,000 |
1 |
式 |
400,000 |
440,000 |
家具・家電 |
家具・家電 |
4,000,000 |
1 |
式 |
4,000,000 |
4,400,000 |
採用 |
採用経費 |
200,000 |
1 |
式 |
200,000 |
220,000 |
マーケティング |
ホームページ制作 |
1,000,000 |
1 |
式 |
1,000,000 |
1,100,000 |
開業前各種広告費用 |
2,000,000 |
1 |
回 |
2,000,000 |
2,200,000 |
資材等 |
ロゴマーク作成 |
100,000 |
1 |
個 |
100,000 |
110,000 |
名刺 |
50,000 |
1 |
式 |
50,000 |
55,000 |
パンフレット |
300,000 |
1 |
式 |
300,000 |
330,000 |
診察券 |
50,000 |
1 |
式 |
50,000 |
55,000 |
封筒 |
50,000 |
1 |
式 |
50,000 |
55,000 |
研修時人件費 |
研修時人件費
| 100,000 |
10 |
人 |
1,000,000 |
1,100,000 |
行政手続き |
社労士(労働保険、社会保険) |
100,000 |
1 |
式 |
100,000 |
110,000 |
行政書士(開設届関係) |
200,000 |
1 |
式 |
200,000 |
220,000 |
その他 |
雑費(備品、ユニフォーム等) |
1,000,000 |
1 |
式 |
1,000,000 |
1,100,000 |
計 |
77,010,000 |
84,279,000 |
前提条件を「テナント開業」「60坪(坪単価12,000円)」「医師1名」「手術なし」「運動器リハビリ実施」と仮置きして作成をしています。
ご覧の通り、整形外科クリニックは治療・検査・リハビリに多くの医療機器の購入が必要なため一般的に開業資金が多くかかる診療科目となります。(上記の表では約8,488万円となっています)また、前提としている「運動器リハビリ実施」の場合、理学療法士を採用して運動器リハビリを実施することとなり、そのスペース(診療所で運動器リハビリの施設基準を算定する場合は45㎡)も必要となります。この前提では60坪(約200㎡)としていますが、70~80坪にする方も多く、その点でテナントの家賃や礼金などの費用や内装工事にかかる費用もほかの診療科目より高くなる傾向にあります。ちなみに当然ですが、例えば診察と検査のみで回す診療モデルの場合は異なるものの、診療上の必要性や収益の面から近年開業する多くの先生がリハビリテーションを実施しています。
(2)平均年収に関して
次に平均年収に関してです。まず、統計データでは、整形外科の平均年収は約2,988万円(※1)となっています。もちろんこちらは統計値に過ぎないですが、傾向としてほかの診療科目に比べて高くなっています。(同じ統計で全体平均が約2,374万円)
考えられる要因として、整形外科の場合は、医師以外にもリハビリテーションのスタッフが医師の指示でリハビリテーションを実施することでも診療報酬を算定することができるため(2020年7月時点で、運動器リハビリⅠの場合は185点、運動器リハビリⅡの場合は170点、運動器リハビリⅢの場合は85点が算定できる)来院の頻度や一度に診ることができる患者さんの数が多くなることが大きいでしょう。