コラム:診療科別のクリニック開業ポイント
コラム クリニック開業ポイント

循環器内科で失敗しない開業ポイント・年収や開業資金も解説

  • 診療科別のクリニック開業ポイント

1. 序文

医療機関の開業と一口に言っても、診療科目によって必要な投資予算や収益モデルも変わってきます。本稿では「循環器内科」について開業資金・年収・開業のポイント・事例の記載をします。

2.循環器内科の開業資金・平均年収に関して

(1)開業資金に関して

以下は、循環器内科クリニックの投資予算のサンプルです。
循環器内科 開業投資予算 サンプル

開業投資予算サンプル (C)株式会社G.C FACTORY調べ ※ 医師会入会費に関しては地域差があるのと、入らない先生もいるので外しています。 ※各医療機器の価格はあくまでも参考価格となり、実際は購入のタイミングやメーカーの選定によって変動します。 ※機器の括りに関しては特別な意図はありません。

循環器内科として心筋梗塞や 狭心症(労作性狭心症・冠攣縮性狭心症・異型狭心症)、心不全、心筋症(拡張型心筋症・肥大型心筋症など)、弁膜症(僧帽弁逆流症・大動脈弁狭窄症など)、心臓血管手術後、不整脈(心房細動・期外収縮・房室ブロックなど)、深部静脈血栓症、肺塞栓症、閉塞性動脈硬化症などを診療するクリニックを参考とした投資予算となります。
前提条件を「テナント開業」「40坪(坪単価12,000円)」「医師1名」「X線設備あり」「リハビリなし」と仮置きして作成をしています。
循環器内科は高額なX線設備やエコーを入れることが多いものの、その他の機器、例えば心電図やホルター心電図はそこまで高額ではないです。また高齢者の多い診療科目であることから、あまり奇抜な内装や建物にして集客を図る必要もないため、投資予算は標準からやや高め程度となることが多い診療科と言えます。

(2)平均年収に関して

次に平均年収に関してです。まず出典の統計データだと循環器内科だけでは出ていなく、「内科」の実績ですと2,424万円(※1)となります。参考値として記載をしておりますが、もちろんこちらは統計値に過ぎないという点と、こちらの統計は令和元年実施のものです。今後2020年の新型コロナウィルスの流行で動向は変わると思われます。

3. 循環器内科の開業ポイント

では、各開業工程におけるポイントを記載します。

(1)立地の選定

  • 内科も一緒に標ぼうをして高齢者中心に診る場合は、住宅街や駅の近くなどわかりやすい立地が適しています。
  • 診療内容としてもあまり患者さんが歩いてきたり階段を昇ってくるような立地ではなく、診療所近くの駐車場があったりエレベーターがあることが望ましいです。
イメージ

(2)内装

  • 車いすが必要な患者さんもいる診療科目となるので、廊下幅などに配慮が必要となります。
  • エコー検査を行う部屋は暗室にすることが望ましいです。
  • X線検査は操作室と診察室の動線を通りやすくすると良いです。(放射線技師を雇用しない場合)

(3)採用

  • 基本的には看護師と医療事務を採用しているクリニックがほとんどです。

(4)マーケティング

  • 高齢者が多いため視認性の良い場所の看板やチラシなどは有効です。
  • 最近では同伴者の方に届くようにWEBマーケティング(リスティング広告やSNS広告など)を実施して効果を出しているクリニックもあります。
  • 再診の比率が高い診療科目となるので、開業当初は積極的にマーケティングを行い、再診患者さんで予約が埋まってきたタイミングでマーケティングを緩めるという方法が適している診療科目です。

4. 実際にうまくいった医師の成功事例

以下に、循環器内科として成功されている先生の事例を記載します。

高齢者にも予約システムの操作を教えて、診療予約の一定化を実現

  • 内科・循環器内科標榜の郊外のクリニック
  • 高齢者比率が高いが、積極的に予約システムを導入してきた。最初は予約システムを使用できない人もいたが、事務スタッフが診療後に患者さんに向けて地道にレクチャーを行うことで改善。患者さん側も他院のように朝から待ったりする必要がなくなり、定着してからはスタッフの負担も削減することに成功
  • 開業時から積極的なマーケティングを実施。常に新患率・初診率・再診率の測定を行いながら金額の調整を実施
  • 循環器内科として地域で有名になった段階で「内科」の標ぼうの取り下げを行い、より一層のオペレーションの均一化と専門特化を実現

5.まとめ

循環器内科は患者層が高齢であることからクリニックの運営、マーケティング、内装などに関して、その年代に合うものを提供する必要があります。再診率は高い診療科目となりますので、軌道に乗ってくると経営面では季節変動も少なく、安定した診療を行うことが可能です。

筆者プロフィール

株式会社G.C FACTORY

https://ma.gcf.co.jp/

代表取締役 金子 隆一

コンサルタントとして、医療機関のM&A、開業、運営支援において累計100件以上の実績を有する。クライアントの問題解決に励むと同時に、都内の大規模在宅支援診療所のバックオフィス業務の設計及び実行責任者を兼任している。