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承継開業時のデジタル化の進め方

承継開業時のデジタル化の進め方

開業医の高齢化が進む現在、承継による開業はこれまで以上に有力な選択肢となりつつあります。承継開業のメリットとデメリットを検証するにあたり、デジタル化の観点を見過ごすことはできません。承継時のデジタル化にはどのような課題があるのか、何に注意すべきかをしっかりと把握し、開業を成功へと導きましょう。

今回はMICTコンサルティングの大西 大輔様を講師にお迎えし、「承継開業時のデジタル化の進め方」についてご説明します。

[セミナー日時:2021年10月25日(月)]

1.承継開業と新規開業の違い

クリニックの承継開業は、親族が運営するクリニックを引き継ぐ「親族間承継」や、血縁関係のない第三者から承継を受ける「第三者間承継」という方法があります。開業医の高齢化が進む現在においては、経営するクリニックを誰か信頼できる人物に引き継ぎたい、と考える院長も多く、今後、第三者間を含む承継はますます増加すると考えられます。

新規開業の場合、立地や建物、設備を自分で選択できる点は大きな魅力です。一方、これらの資産を引き継ぐ承継開業は、選択の自由度は新規開業に比べて下がりますが、コストや準備にかかる手間・時間を節約できるという、大きなメリットを備えています。

システムやスタッフにおいても、基本的には同様のメリットとデメリットがあり、承継開業の場合は新規開業と比べ、コストや労力を抑えられる一方で、選択の自由度は制約を受けることになります。自身の考え方を反映しづらくなる点には、特に注意をしておくべきです。なぜなら、システムとスタッフはクリニックの経営のあり方を決定する重要な要素であり、自身の考え方と引き継いだ資産との乖離(かいり)が大きいと、経営のストレスが増大するばかりではなく、クリニック全体の生産性を引き下げる恐れもあるからです。

1.承継開業と新規開業の違い

2.承継開業の課題

承継開業のデジタル化は、どのような点が課題となるのかを整理しておきましょう。

新規開業の場合、院長の年齢も若く患者数もまだ少ないため、電子カルテなどの新規導入に対する抵抗も少ない傾向にあります。しかし、開業から時間が経つにつれ院長も高齢になるため、新たなシステム導入を負担に感じる傾向が高まります。すでに確立された業務フローに慣れているスタッフたちも同様です。

こうした事態で真に問題視すべきなのは、「課題を抱えたままクリニック内の業務フローが固定化する」ことです。スタッフ個人のスキルに依存した属人化が進み、業務フローは次第に複雑になっていきます。労働時間は長期化し、スタッフの満足度やクリニックの生産性の低下を招きます。

クリニックの今後を考えたとき、電子カルテをはじめとするデジタル化への対応は必須とも言えます。処方箋や紹介状の電子化が進むなか、紙カルテによる運用に固執していては、他のクリニックに大きく後れを取る事態にもなりかねません。

承継開業の場合、こうしたネガティブな要素を引き継ぐ可能性もある点には十分な注意が必要です。しかし、正しいステップでデジタル化を実現すれば、これらの課題を克服できます。

2.承継開業の課題

3.承継開業の電子カルテを導入するポイント

これまでにご説明したとおり、承継したクリニックに新たに電子カルテを導入し、デジタル化を進めようとしても、なかなか思うとおりには進まないかもしれません。業務フローの変化や新たなスキルへの要求に対し、既存のスタッフが感じる抵抗をいかに克服するかが、非常に重要になってきます。では、具体的にどのようなステップを踏めば、電子カルテの導入を成功へと導けるのでしょうか。

承継するクリニックは、受付にレセコンを導入しているのみで、診察室では紙カルテを利用しているとしましょう。診察室や処置室の医師、看護師は紙カルテのみを扱うため、パソコンによる入力操作には慣れていません。電子カルテを導入したとしても、スムーズに操作できるまでには一定の時間が必要となりそうです。その間にミスが起きたり、患者さんを待たせてしまったりするのでは、と懸念しています。

そこでぜひ検討したいのが、クラークの配置です。クラークは医師や看護師のすぐそばで、診察内容を電子カルテに入力する役割を担います。医師たちは不慣れな電子カルテ入力に煩わされることなく、診察に専念できます。

「クラークを新たに見つける余裕はない」という声も聞こえてきそうです。しかし、クラークの業務に最適な人材は、すでにクリニックにいるかもしれません。それは医療事務スタッフです。レセコン操作に精通している医療事務スタッフであれば、電子カルテにも抵抗を持たないことが多いでしょう。また、近年では医療事務業務の自動化が進み、医療事務スタッフの稼働を別の業務に振り分け直す環境が整いつつあります。

レセプトの知識を持つ医療事務スタッフがクラーク業務を担えば、管理料の算定漏れなど、カルテの記載漏れチェックを診察の都度行えるようになります。レセプト点検は月に1度まとめて行うクリニックも多いかと思われますが、これを診察のたびに行うことで、カルテの入力漏れを防止し、月末の点検業務による負荷も軽減できます。
また、医療事務スタッフと医師・看護師との接点も増え、お互いの業務に対する理解が深まります。スタッフ間の連携が強化され、経営がさらに円滑になる効果も見込めるのです。

クラークに求められるのは、「SOAP」です。、すなわち主訴(S)、所見(O)、評価(A)、計画(P)が何かを理解し、診察時の情報をそれぞれのカテゴリに振り分けるスキルや、経過欄とオーダー欄が合致した電子カルテを作成するスキル、そして医師や患者とのコミュニケーションスキルです。

カルテやクラークの仕組みを学びつつ、これらのスキルを身につける研修を通し、優れたクラークを養成できます。

3.承継開業の電子カルテを導入するポイント

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