クリニック向け

電子処方箋の導入はクリニックの業務を効率化させるのか

電子処方箋の導入には業務を効率化できるというメリットがあります。今回は電子処方箋の導入によりクリニックの業務がどのように変化するのか、ご紹介していきます。

電子処方箋発行における導線の変化

これまで紙の処方箋の発行は、医師が印刷して押印、会計にて患者さんに手渡しするという流れで行われてきました。電子処方箋を導入した場合、電子カルテなどから処方情報を電子処方箋管理サービスへ登録することによる発行へと変わります。
つまり、処方箋の原本は電子処方箋管理サービスで取り扱われるため、その管理業務が簡素となります。従来の処方箋の紙への印刷に要する時間とコストが削減でき、業務の効率化も期待できます。

また紙の処方箋の場合は、医師法施行規則第21条に基づき、処方箋に記名押印または署名が必要とされています。事務員などが押印することは認められておらず、医師本人による押印が必須とされてきたのです。現在の電子処方箋導入の要件では、電子処方箋の登録時には医師による電子署名の実施が必須となっています。最近の動きとしては、「電子カルテのログインをもって医師と確認されている」という考えのもと、2要素認証等の厳格なアクセス制御条件下での電子カルテへのログインをもって、処方箋の発行ができるように厚生労働省が検討を進めています。

疑義照会における対応の変化

紙の処方箋の場合、診察中に薬局から確認の電話がかかってきたら、医師の皆さんは診察を一次中断して電話を取って対応していたことでしょう。また、後からFAXにて送られてきた報告書をファイリングする必要もあったと思います。
電子処方箋の場合は、薬局より疑義照会が登録されると、電子カルテに“お知らせ”などのかたちで、速やかに表示することができます。これにより、診察の手を止めることなく、その場で確認や返事をすることができます。よって医師と薬剤師間でコミュニケーションを容易かつ迅速にとることが可能となります。結果として、薬局での患者さんの待ち時間を短くでき、さらに医療の質を上げることができるでしょう。また、紙の報告書をファイリングする必要も無くなり、事務の手間が省けます。

なお、重複投薬や併用禁忌情報があった場合や、疑義照会に対する回答をする場合、これらを効果的に行うための仕組みやルールについては検討中とされています。しかし、電子処方箋は、薬局においても、リアルタイムに他院併用薬とのチェックが可能であることは間違いないので、疑義照会の件数自体の削減を期待できます。

患者さんとのトラブル防止にも

電子処方箋の導入には、患者さんとのトラブルを防止できるメリットもあります。
処方箋の偽造が困難になるため、その不正使用を防止できるのです。また、処方箋を紛失したり破損したりするリスクも無くなります。
その結果、患者さんは安心して医療を受けることができ、クリニック側でもトラブル対応の手間が減り、双方にとって大きなメリットとなるでしょう。

今回は電子処方箋導入により、クリニックでの業務がどのように効率化できるかをご紹介しました。電子処方箋を利用すれば医師と薬剤師の情報共有が容易になります。医師・薬剤師間でコミュニケーションが容易に取れれば医療の質が上がり、クリニックの業務も効率化するでしょう。ぜひ今のうちから電子処方箋の導入検討の準備を始めてはいかがでしょうか。

※今後の電子処方箋の厚生労働省による仕様の進捗により、内容が変わる場合はございます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html
電子処方箋ページ(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html)の内容をもとに、PHC株式会社で独自に解釈、編集したものです。