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電子処方箋で在宅医療はどう変わる?

高齢化が進む日本では、在宅医療は今後いっそう普及すると考えられています。在宅医療においては処方箋のやり取りの煩雑さが課題のひとつとなっていますが、この改善に大きく貢献しうるのが電子処方箋です。今回のコラムでは、現在の在宅医療における処方箋やり取りのあり方、および電子処方箋の導入によりどのように利便性が向上するかをご紹介します。

従来の在宅医療でのお薬の受け取り方法

在宅医療では、医師や看護師、事務スタッフといった医療機関の職員が患者さん宅を訪問し、診療や看護、ケア等を行います。診療後、患者さんが薬局からお薬を受け取る方法は大きく2つのパターンがあります

1つ目は、医師が患者さん宅で診療を行ったあと、その場で処方箋を患者さんにお渡しするパターンです。在宅医療は慢性疾患で症状の安定した患者さんが多く、処方内容を事前に想定することも比較的容易です。そのため、あらかじめ医療機関で処方箋を印刷して持参するケースも多いのです。診療時に処方薬を変更する必要が生じた場合は、患者さん宅で処方箋を手書きで修正し、押印します。
あるいは、モバイルプリンターを持参して、患者さん宅で処方箋を印刷して押印するケースもあります。
このようにして作成した処方箋を、医師あるいは医療機関スタッフから患者さんにお渡しし、ご家族やケアマネージャー等、患者さんをサポートする人が薬局に出向き、代理で処方箋を提示し、お薬を受け取ります。

2つ目は、処方箋を医師から薬局にFAX等で送付するパターンです。あるいは、医師が薬局に立ち寄り、処方箋を手渡すこともあります。薬局は受領した処方箋にもとづき調剤を行い、薬剤師が患者さん宅を訪問するなどしてお薬をお渡しします。
1つ目のパターンと比べて患者さん側の負担は軽減されますが、紙の受け渡しが必要となるため、在宅患者訪問薬剤管理指導料等で保険点数は加算されるものの、医療機関や薬局ではやり取りに時間も手間もかかっています。

電子処方箋を利用した在宅医療

電子処方箋を活用した場合の診療の流れを確認しましょう。医師は患者さん宅での診療を終えると、医療機関に戻って処方箋を作成し、電子処方箋管理サービスに登録します。薬局は電子処方箋管理サービスを介して医師の作成した処方箋を確認し、これをもとに調剤を行います。
すなわち、電子処方箋を活用することで、処方箋を事前印刷して患者さん宅に持参する必要はなくなります。なお、処方箋を修正する場合はオンライン上で電子処方箋を再登録するだけです。
お薬の配送サービスを提供できるのであれば、患者さんやご家族が薬局に出向く必要もなくなり、より簡単にお薬を受け取ることができるようになります。
医療機関、薬局、患者さん、いずれにとっても利便性が大きく向上するのです

今回は、在宅医療における電子処方箋活用のメリットをご紹介しました。今後いっそう拡大が見込まれる在宅医療。電子処方箋がその利便性を大きく向上させる可能性を持つことをご理解いただけたのではないでしょうか。電子処方箋導入を検討している医療機関や薬局においては、このようなメリットもぜひ考慮してみてはいかがでしょうか。

※今後の電子処方箋の厚生労働省による仕様の進捗により、内容が変わる場合はございます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html
電子処方箋ページ(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html)の内容をもとに、PHC株式会社で独自に解釈、編集したものです。