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医療扶助が2024年3月からオンライン資格確認・電子処方箋に対応

2024年3月より、生活保護を受けている方の医療扶助がオンライン資格確認と電子処方箋に対応します。そこでこのコラムでは、そもそも医療扶助とはなにか、オンライン資格確認や電子処方箋に対応することによってどのようなメリットがあるのかをご紹介します。

医療扶助とは?

医療扶助とは生活保護法の扶助の1つで、困窮のため最低限度の生活を維持することができない方に対して医療機関等にかかるための費用を扶助することです。原則として、本人支払額を除く被保護者の自己負担はありません。しかし、被保護者が受診等を行う医療機関・薬局は事前に福祉事務所が決定し委託する仕組みとなっています。また、被保護者は医療機関・薬局を利用する際には医療券・調剤券を持参する必要があるなど、医療扶助の利用にあたってはいくつかの注意点があります。

医療扶助が対応することによる医療機関・薬局のメリット

今までは被保護者が受診した際に未委託であることを検知できなかった場合、レセプト返戻等による事務コストがかかっていました。しかし、医療扶助がオンライン資格確認に対応すれば、医療機関・薬局の窓口で直ちにかつ確実に、医療扶助の利用可否確認をおこなえるようになります。医療券・調剤券の情報を手入力する必要もなくなるため、事務における手間を大幅に削減できるでしょう。

また、医療券・調剤券情報やひも付く資格情報の一括取得も可能となります。今までは福祉事務所側で情報登録の遅延が発生したり、未委託による受診であったりした場合、事後登録された情報を閲覧するためには被保護者に再来院してもらう必要がありました。しかしオンライン資格確認対応後は、福祉事務所が事後的に登録した情報を被保護者の再来院なしで閲覧可能となり、スムーズに確認できるようになるのです。

患者さんのメリット

医療扶助がオンライン資格確認に対応すると、医療機関・薬局は被保護者の同意により診療情報や薬剤情報を閲覧できるようになります。また、電子処方箋にも対応することで重複投薬等チェックや医療機関と薬局間での情報共有による医療の質向上など、これまでの電子処方箋のメリットを被保護者の患者さんでも得られるようになるのです。また、受診の際にマイナンバーカードを受付の顔認証付きカードリーダーに読み込ませることになるので、診察券・調剤券を持参する必要がなくなります。患者さんにとっての利便性が大きく向上するでしょう。

今回は医療扶助がオンライン資格確認や電子処方箋に対応することについてご紹介しました。オンライン資格確認や電子処方箋の活用サポートが進むと、患者さんと医療機関・薬局の双方がメリットを享受できます。これからも積極的に情報をチェックするようにしましょう。

※今後の電子処方箋の厚生労働省による仕様の進捗により、内容が変わる場合はございます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html
電子処方箋ページ(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html)の内容をもとに、ウィーメックス株式会社で独自に解釈、編集したものです。