薬局向け

電子処方箋にて、分割調剤を扱う場合

長期にわたる投薬の処方箋などにおいては、「分割調剤」の処方箋が発行される場合があります。ただ、処方箋全体から見ると発行される割合は少ないため、これまでに対応した経験がない、という薬剤師の方もいらっしゃるかもしれません。今回のコラムでは、分割調剤とはどのようなものか、また、電子処方箋において分割調剤を扱う場合のポイントなどを解説します。

分割調剤とは?

分割調剤が実施される場合、大きくは次の3つのケースのいずれかに該当します

(1)長期投薬(14日を超える投薬)の処方箋において、薬剤の保存が困難である事等の理由により分割して調剤を行った場合
(2)後発医薬品への変更が可能な処方箋受付において、患者さんが初めて後発医薬品を服用することとなる等の理由により分割して調剤を行った場合
(3)医師の指示によって分割して調剤を行った場合

分割調剤を行うことで、患者さんが薬局を訪れ、薬剤師による服薬指導を受ける機会が増えることになります。これにより、患者さんの服薬状況をより細かく把握することができるため、副作用などが起きた場合にも早期に対応できるようになります。患者さんの飲み忘れなども防止できるため、医薬品の適正な使用を実現する効果もあります。
なお、分割調剤と混同されがちなのが「リフィル処方箋」です。これは、定められた一定期間内、回数内であれば、同じ処方箋で医師の診察なしでも薬剤を処方できる処方箋です。定められた処方期間を分割する分割調剤の処方箋とは異なります。

電子処方箋での分割調剤

次に、電子処方箋で分割調剤を取り扱う場合のポイントを確認しましょう。
まず押さえておきたいのは、電子処方箋で取り扱うことができるのは、上記の(1)および(2)のケースのみであり、「(3)医師の指示によって実施する分割調剤」は電子処方箋の対象外であることです。なお、先ほどご紹介したリフィル処方箋も、電子処方箋の対象外となります。
(1)および(2)のケースで電子処方箋を利用する場合、分割の最終回まで同じ薬局で調剤する必要があります。また、全ての分割調剤を終えるまで調剤情報提供ファイルは電子処方箋ファイルと紐付かず、この時点では処方箋を発行した医療機関では調剤結果を照会することができません。全ての分割調剤が完了した段階で、電子処方箋ファイルと調剤情報提供ファイルが関連付けられ、調剤済み電子処方箋となります。

今回は、分割調剤の概要、および電子処方箋における分割調剤の扱いについてご紹介しました。前述の通り、電子処方箋の対象となる分割調剤には、医師の指示によって実施する分割調剤は含まれない点は、しっかりとチェックしておきましょう。

※今後の電子処方箋の厚生労働省による仕様の進捗により、内容が変わる場合はございます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html
電子処方箋ページ(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html)の内容をもとに、ウィーメックス株式会社で独自に解釈、編集したものです。