
《ここがポイント!》
- 中医協総会は26年度診療報酬改定で、認知療法・認知行動療法の実施者に公認心理師を追加する方向性を示した。
- 従来は医師・看護師による共同実施に限定されていたが、公認心理師による心理支援の効果を示すエビデンスが提示され、患者状態の改善が認められたため。
- 心理支援加算の対象疾患もPTSDから神経症性障害等へ拡大する見通し。毎回の医師面接要件を公認心理師面接へ緩和することで、精神科医の負担軽減とタスクシフティング推進を図る。
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公認心理師の経済的評価、2026年診療報酬改定で実現可能性の高い精神科の通院医療の改正項目は?
私は都心部で精神科・心療内科クリニック(無床)の経営管理に携わると同時に、公認心理師として外来患者のカウンセリング業務も行っています。もともと、臨床心理士として仕事をしてきましたが、診療報酬加算等の算定要件にカウントされるメリット等を踏まえ、より必要性を感じ、3年前に「公認心理師」国家試験を受験し公認心理師資格を取得しました。
2025年12月10日現在、厚生労働省・中医協では診療報酬改定の議論が本格化しています。同僚の精神科医から精神科診療報酬の中で、私たち「公認心理師の専門性を改めて評価する加算」の導入の可能性を指摘されています。実現するか否かは「来年の報酬改定の結果を見ないと分からない」とも言われましたが、どのような報酬項目が議論の俎上に上がっているのでしょうか?
従来、私たちの専門領域が評価されるのは「心理支援加算」(250点・月2回)等、限定的な印象であったため、大いに期待しています。
[東海地方 精神科 心療内科クリニック 医療法人 理事 管理部長 公認心理師(48歳)]
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中医協総会における当該議論は令和7年の12月5日(個別事項について その13「精神医療(2)」)で行われたもので、そこでの資料を説明します。
ご指摘の加算についてですが、新設加算に係る議論ではないことを、まずは、お断りしておきます。従来は医師及び看護師の共同により実施した「認知療法・認知行動療法」(350点 一連の療法について16回まで算定可能)〔以下、同療法に略〕に関し2026年改定から「医師・看護師」共同のチーム医療に限定するのではなく、「公認心理師」の参加も評価する方向へと改正される可能性があります。
その根拠として、精神医療に係る論点で(1)「公認心理師による心理支援の提供実態や効果を踏まえ、“心理支援加算”対象疾患の拡大や、認知行動療法的アプロ―チに基づく心理支援への評価を新たに行うこと」及び、(2)「同療法の実施に際して、毎回、医師の介入を求める要件等を緩和すること」について、「どのように考えるか?」との記述に着目して下さい。
(1)に関しては、「公認心理師による心理支援の効果に関する研究」と称する研究データが示され、「通院精神療法に加えて公認心理師による心理支援を導入した場合、患者の状態のさらなる改善が認められ、より効果的な通院精神療法の実施に寄与した」とされ、実際に改善したエビデンスも示されています。
(2)でもエビデンスに基づき「公認心理師による認知行動療法的アプローチに基づき心理支援を実施した結果、短期間での患者の状態の改善が認められ、より効果的な通院精神療法の実施に寄与する結果となった」としています。
(2)について中医協での指摘から推察されるのは、公認心理師のサポートを評価する「心理支援加算」の算定対象はこれまでPTSD症状を有する患者でしたが、今後は神経症性障害やストレス関連障害及び身体表現性障害(ICD-10におけるF40-F48)にまで拡大されることが予測されます。その理由としては、PTSD等症状だけでなく前出・神経症性障害等においても当該通院精神療法で、患者の状態の改善が十分に認められたからです。
さらに(2)に関し通院精神療法の算定件数が少ないのは「毎回の看護師による面接後に専任の医師による面接」が要件とされ、それがネックとなり届出医療機関数や算定件数が増えないことが指摘されていました。次回改定で予想されるのは、「医師の面接」を「公認心理師の面接」に要件緩和し、タスクシフティングを進めることです。診療報酬設計の具体的な立て付けは未知数ですが、流れとしては年々、増加し7万3千人を超えた公認心理師による認知行動療法的アプローチを積極的に進め、多忙な精神科医の負担軽減を促すことです。
公認心理師の国家試験が開始されたことを踏まえ、国は「診療報酬上評価する心理職については経過措置を設けた上で、公認心理師に統一する」方針を明確に打ち出しています。
(2025年12月24日時点での情報に基づき作成)
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公認心理師の経済的評価、2026年診療報酬改定で実現可能性の高い精神科の通院医療の改正項目は?
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