《ここがポイント!》
- 厚労省は医師の地域偏在是正策を年末までに策定予定。社会保障審議会医療部会では、医師少数地域への中堅医師派遣の仕組み作りを求める意見が出た。武見厚労相は対策パッケージ骨子案を公表し、医師偏在対策推進本部を設置。
- 論点には、医師少数区域での勤務経験を管理者要件とする医療機関拡大や、経済的インセンティブの検討などが含まれる。若手医師の配置だけでは限界との指摘もあり、40歳以上の医師の偏在対策も課題に。
~社会保障審議会 医療部会(第110回 9/5)《厚生労働省》~
社会保障審議会・医療部会が5日に開かれ、特定の地域や診療科への医師の偏在是正策を巡り、医師が少ない地域に中堅を派遣する仕組み作りを求める意見が出た。厚生労働省は、医師の偏在を是正するための対策パッケージを年末までに作る方針で、省内の検討会で具体化を進める。
医師の偏在是正を巡っては、武見敬三厚労相が8月30日、閣議後の記者会見で、▽都道府県の「医師確保計画」の深化▽医師の確保・養成▽実効的な医師配置-を掲げる対策パッケージの骨子案を公表した。武見氏はその上で、前例にとらわれない対策を行うため、医師偏在対策推進本部を省内に立ち上げる方針を明らかにした(資料P40参照)。
対策推進本部の初会合は9月5日に開かれ、「医師少数区域」で勤務することを念頭に、中堅以降の医師などの総合的な診療能力を高めるためのリカレント教育の推進や▽「医師少数区域」での勤務経験を管理者の要件にする医療機関の大幅な拡大▽経済的インセンティブを含め、医師の勤務意欲につながる方法-などが論点になった(資料P41参照)。
それを受けて厚労省がこの日、医師の偏在是正を巡る国のこれまでの対応を医療部会に報告し、委員からは、医師が少ない地域への中堅の派遣を促すべきだという意見が相次いだ。
山口育子委員(ささえあい医療人権センターCOML理事長)はその中で、医師不足が深刻とされる東北地方で人材の確保が進んでいないことを指摘した。その上で、これまでの初期研修医や専攻医だけでなく、医療現場で即戦力になる中堅を医師少数県や区域などに派遣する仕組み作りを求めた。
楠岡英雄委員(国立病院機構名誉理事長)は、大学医学部での地域枠の設定に「一定の効果が出ている」という認識を示す一方、「40歳以上の医師の偏在に関しては全く手を打てていない」と指摘した。
また、木戸道子委員(日本赤十字社医療センター 第一産婦人科部長)も「医師の偏在を若手医師の配置で何とかしようとすることはもはや限界だ」と述べた。
(資料公表日 2024-09-05/MC plus Daily)
資料:医師偏在是正に向けた総合的な対策パッケージの骨子案について(報告)(厚生労働省)
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