PHCのビジネススタイル 文化や習慣を超えて R&Dセンター 技術戦略課 鈴木 優介(2008年入社) PHCのビジネススタイル 文化や習慣を超えて R&Dセンター 技術戦略課 鈴木 優介(2008年入社)

PHCのビジネススタイル文化や習慣を超えて

R&Dセンター 技術戦略課

鈴木 優介

(2008年入社)

インドネシアとPHCの未来のために立ち上がる

「メディコムを世界に進出させないか」――プロジェクトはPHCを率いる小谷社長の一言から始まった。その第一歩となったのがインドネシア市場である。インドネシアでは2014年から国民皆保険制度がスタートしている。2017年の総人口は2億6000万人以上。日本の人口を優に上回る規模で、2019年には加入率100%を目指す。小谷は現地を視察し、インドネシアにおける事業展開の将来性を見出していた。白羽の矢が立ったのは当時31歳の鈴木。機械系の技術開発者を経て、医療ITという分野で事業企画を担当するセクションで働き始めたばかりだ。
「メディコム製品は登場から半世紀が経ちますが、過去に海外に出た事例がない。はたして自分にできるだろうかと一瞬思いました」

一方で、鈴木の頭にはこんな思いがもたげてきた。
「20年、30年後のメディコムの未来を考えました。今の国内での事業に加えて、やはり、海外へも事業を展開するべきではないか。インドネシアの国民皆保険制度スタートはメディコムにとって千載一遇のチャンスなのではないかと思ったのです」
案ずるより産むが易し。鈴木は同じく海外進出の命を受けた同世代の同僚と、インドネシアに飛び立った。首都ジャカルタにある公立病院を訪ね、ここで国民保険のスタートで医療現場が大混乱している現実を目の当たりにする。
「病院が開く前から患者さんが殺到し、庭や門の前までひしめき合っていました。ぐったりした小さな子どもやお年寄りが地面に座り込んでいる。病院の外来受付は大混雑。国民保険の手続きが煩雑なために、受付すらなかなか進まないのです」
その様子を見たとき、鈴木の中で迷いが消えた。「インドネシアの人のために、そしてPHCの未来のために、自分ができることをやってやろうと思いました」

インドネシアとPHCの未来のために立ち上がる

文化、習慣、考え方――ローカライズの壁に何度も直面する

インドネシアにおけるメディコム進出は、受付から診断、保険請求、調剤に至るまでトータルソリューションを提供するのが最終目標地点だが、第一段階として、混雑が顕著な外来受付業務を支援するシステムから手をつけることになった。現地のパートナー会社とタッグを組み、病院関係者にヒアリングをする。そして、仕様を詰めていくのだが、いきなり壁に突き当たった。
「打ち合わせをして、その内容に合わせて設計して、デモを見せる。すると『そうじゃない』『やり直してくれ』という反応が返ってくるのです。前回あれほど確認したのに、別の担当者が出てきてひっくり返されてしまうことも。こちらとしてはわけがわからない状態でした」

次第に、病院の各セクションが完全な縦割りで、自分の担当以外のことを知る人がほとんどいないことがわかってきた。さらに向こうからすれば、日本の企業が導入しようしているシステムの全容もよく見えない。このすれ違いを突破するには、さまざまなセクションの人に丁寧にヒアリングし、説明していくしかない。現地に赴任することとなった同僚と連携して、ひとつずつ、課題を解決していった。しかし、インターフェイスの部分でまたしても一悶着があった。

「受付のモニターに担当医の名前が表示されるのですが、日本だったら『内科・山田医師』ですむところを、あちらでは医師の肩書きや役職からすべて入れてくれと言うのです。そうすると3、4行になってしまうのですが、それでいい、むしろそうじゃないと絶対ダメだと」
些細なことかもしれないが、鈴木は製品のローカライズにおける要衝を思い知らされる出来事の連続だった。

「現地の習慣や文化に合ったものをつくること。それができないと結果として浸透しない。先入観を捨てて、お客様の声に耳を傾け、そこに適合したものをつくることの大切さを何度も思い知らされました」
こうして完成したメディコムの外来受付システムは、モニターに診療カードをかざすだけで受付手続きが完了するスマートシステムだ。これまで手続きに追われていた病院関係者に大好評を博した。鈴木は、このシステムがインドネシアの病院経営者や管轄省庁から高い評価を得ていることを小谷社長から聞かされ、喜びを噛み締めた。病院でのパイロットテストを終えて、2018年春、待ちに待った製品化に漕ぎつけることができた。

R&Dセンター発新規事業の立ち上げフロー R&Dセンター発新規事業の立ち上げフロー

“限界”を乗り越えていくことが自分のミッションだ

インドネシアにおけるメディコムの挑戦はまだ始まったばかりだ。次は販売網を張り巡らし、インドネシア全土の病院に浸透させるフェーズに入っている。開発から導入まで一連のミッションを終えて、鈴木は自分のはたすべき役割をこう考えるようになった。
「つい私たちは、“今の自分たちがつくれるモノ”を出発点に考えてしまいます。
しかし、R&Dの開発はその“限界”を乗り越えていくことがミッションだと感じました。同時に、お客様の反応にはつねに真摯に、つねに敏感に耳を傾ける。これはインドネシアの経験から学び取ったことです」

だが、しかし新しい取り組みは、それが革新的であればあるほど、社内や周囲で懐疑的な声が起こりやすいことも確かだ。
「自分が強い確信をもって取り組むことが現実を変えていく力になります。しかし、独善的に根性だけで乗り越えようとすると失敗する。ビジネスとして成立するのか、利益につながるのかという部分を含め、目の前にある壁ははたして乗り越えるべき壁かどうかを判断していく。その見極めについては、これから先、走りながら考え続けることになりそうです」

“限界”を乗り越えていくことが自分のミッションだ

2020年度新卒採用

キャリア採用 インターンシップ