株式会社LSIメディエンス
代表取締役社長
渡部 晴夫

PHC株式会社
取締役 メディコム事業部長
大塚 孝之

技術と専門性を持ち寄り
シナジーを発揮。
人々の“健康を支える”企業へ。

2019年8月、PHCグループに株式会社LSIメディエンス(以下「LSIM」)が加わりました。これによって医療のIT化を推進するPHC株式会社と、わが国トップクラスの検査会社とのシナジーが大きな注目を集めています。そこで両事業会社をリードするお二人に、感想や抱負をインタビューしました。(敬称略)

ヘルスケアIT事業の強化、
発展が期待されるのでエキサイティングです。

─ PHCグループとしてLSIMとメディコムが一緒になり、お二人が感じていることを聞かせてください。

渡部当社の大きな柱の一つがメディコムとも関係が深い臨床検査事業です。従業員3500人のうち2000人ぐらいが関わっていますが、この臨床検査事業がメディコムの電子カルテとはとても親和性があると思っています。
PHCグループの一員となることで当社の臨床検査と、メディコムの医療ITにおけるノウハウとシステムが一緒になり、“検査情報を有効活用する”という新たなビジネスモデルが完成するのではないかと、大きな期待を持っています。
これは日本の医療に大きく貢献できることであり、非常に有意義だと思います。ぜひ両社が相互に努力、協力して新たな事業を発展させていきたいと考えています。また、今後、多くのお客様を私たちにいかに引き寄せるかが課題であり、楽しみでもあります。

大塚これからの日本におけるヘルスケアソリューションという事業がすごくエキサイティングになると思います。
というのは、過去48年にわたって医療ITの分野で医療機関にサービスの提供を続けてきたメディコムと、臨床検査事業を主力とするLSIMの両社がグループ化されたことは大きな意味を持つからです。それは、高齢化が進む社会の中でPHCグループの検査・診断およびヘルスケアIT事業の強化、発展へとつながることを意味しています。両社の顧客基盤を活用し、両社の技術や専門性をともに持ち寄ることでイノベーションの創造をさらに進めるなど、既存事業との様々なシナジー効果が生まれ、お客様により新しい価値を提供することが期待できます。
たとえばLSIMの臨床検査とメディコムのITソリューションが連携し、検査受付から結果報告までデジタル化を進めれば、医療機関は手間を削減でき、患者さんは検査の履歴をデジタルで管理できるようになります。

ノウハウとシステムが一緒になり新たなビジネスモデルに期待。
日本の医療にも貢献。

─ 具体的には今後どのような価値を医療関係者であるお客様に提供したり、あるいは患者サービスに展開できるとお考えになっていますか。

渡部検査に関するお客様の要望は「いかに早く、いかに正確な検査結果を提示できるか」です。このご要望にお応えすることは、私たちの使命でもあります。メディコムと一緒になり、今まで以上にデジタル化を進めることで作業の効率化を実現し、お客様に迅速に、的確な検査情報をお返しすることができると期待しています。この新しい付加価値を全国に展開できるとすれば、素晴らしいことだと思います。
患者サービスの観点から言えば、「紙からデジタルデータへのシフト」が重要なのではないでしょうか。今や、検査機器、診断装置は進化を遂げ高精度になっています。例えば、脳の断層画像はミリ単位で撮影し、膨大な情報を得ることができます。一昔前までは、結果は紙一枚に「脳には異常はありません」の一言で済まされていましたが、今では、デジタルで全ての情報が提供されています。今後、検体検査の結果も同様に、デジタルデータとして開示されるようになっていくと思います。
常にお客様の立場に立ち、ベストインクラスの正確さとデジタルソリューションを提供し続けることが大切です。

大塚メディコムとLSIMのお客様がオーバーラップしているクリニックは結構存在すると思います。そこでは、検査と電子カルテなどをバラバラに提供していたわけですが、渡部社長がおっしゃったように、両社が連携することで医療機関への情報提供は、間違いなくスピードアップできると思います。
さらに電子カルテには、臨床検査のデータも取り込むことができます。医療のIT化とデジタル化を進めることで、ドクターは医療データをさまざまなシーンで利活用できる、という新たな付加価値を提供できます。
国全体で見た場合、医療費や介護費の上昇はある程度やむを得ないとしても、医療のIT化による効率化で医療費の抑制に貢献できるのではないかと思います。

株式会社LSIメディエンス 代表取締役社長 渡部 晴夫

─ PHCグループは「健康を願うすべての人々に新たな価値を創造する会社」という経営理念をあげていますが、トップクラスのグローバルヘルスケア企業となるためには何が必要だと思いますか。

価値あるビッグデータとして健康、医療にいかに活用するか、
それが私たちの課題です。

渡部スピード感をもった変革が大事です。ご承知のとおり、医療業界のみならず、私たちの身の周りではいろいろな変化が起こっています。例えば「人生100年時代」といわれますが、2000年に1万2千人だった100歳の高齢者人口が、2019年には7万人超となりました。さらに、2050年には50万人を超えるという推計があります。まさに超高齢化社会です。
健康に生きるためのライフスタイルや医療が求められる超高齢化社会において、私たちがヘルスケア事業として何をやっていくのかを考えなければなりません。その一つがビッグデータの活用です。
10万人、100万人以上の規模の診療データを健康、医療にどのように活用していくかが大切です。だからこそ検査データを紙ベースで終わらせるのではなくて、電子カルテやレセプトとの連携によって、将来、ビッグデータとして管理し、活用していきたいですね。もちろん個人情報、プライバシー保護などのインフラ整備が前提条件となりますが、ヘルスケア事業に携わる私たちの社会貢献の一つがビッグデータの活用だと思います。
また、メディコム製品と当社の臨床検査が一体化し、連携することで診療上のインシデントやアクシデントの防止強化が期待できます。それが患者さん中心の医療に貢献することになります。

PHC株式会社 取締役 メディコム事業部長 大塚 孝之

自分の健康を自分で守るために
「健康に関わるパーソナルデータ」を作り上げたい。

大塚「変革」については、私も本当にそのとおりだと思います。メディコムが生まれた48年前、医療機関にはコンピュータはなく、全て紙でした。それが今はパソコンが当たり前で、モバイル端末も活用されています。中心となる疾病についても、高齢化社会の中で中心は急性から慢性疾患に変化しています。
社会の変革が進む中で、私は会社の経営理念を実現するためにはいくつかの要件があると考えています。一番目がお話ししたとおり「医療機関への価値提供」で、二番目が「患者さんへの貢献」だと思います。
今までの医療は患者さんが医療機関に来てから始まりますが、「健康な状態をいかに長く保つか」という医療政策の課題を考えると、「個人の健康データ」が重要になってくると思いますね。健康データは、実は検診結果や電子カルテの中に入っています。
さらに、自分の健康は自分のものですから、患者さんが「健康に関わるパーソナルデータを正しくと見ることができる」システムがあれば良いと考えています。それをLSIMと一緒になって作ることで「患者さんへの貢献」が実現すると思います。そして、国内で積み上げた実績から得たノウハウをグローバルに展開することで、グローバルヘルスケア企業としての基盤を構築できると考えています。

─ 最後にお聞きしますが、お互いの会社の印象はどうでしょうか。

大塚LSIMは、社長を含めて皆さんが企業の持つ社会的使命や社会的意義を自覚されて、従業員一人ひとりがしっかりそれぞれの責務を実行しようとしている姿勢を感じます。これは、LSIMが推進されている事業の持つ社会的責任の重さが影響しているのだと思いますが、何よりも仕事をどう考えるのか、どんな思いで働くのか、ということを大切にされていることは素晴らしいと思います。

渡部このたびPHC株式会社の本社をはじめ、松山、それから群馬の事業所などを訪問させていただいたのですが、まず企業風土が似ているなあ、と感じました。例えば、松山には創業から今に至るまで、先輩たちが苦労して開発された製品の歴史を展示している「稲井記念館」がありますね。ものづくりの歴史がきちんと残され、その精神が今に生きていると感じました。過去の歴史に、新たに変革が加えられ、それが未来を形作っていくのだと思います。
次に群馬では、私たちを迎えていただいた従業員の方々の姿勢が素晴らしかった。普段からしっかりとした心構えでお客様へ真摯に対応されているんだな、と感じました。

大塚そんなにお褒めをいただいて恐縮です。これからは同じグループの一員として、社会への、そして人々への健康という価値提供を目ざして力を合わせたいと思います。

渡部そうですね、一緒に頑張りましょう。

株式会社LSIメディエンスについて

ヘルスケア領域における検査・分析分野で、蓄積された知見と先端技術を駆使して臨床検査、診断薬、創薬支援の各事業を展開。Medical Scienceによる健康で安心な社会の創造に向けて貢献します。

URL: www.medience.co.jp/

メディコムについて

1972年に国内で初めて医事コンピューターを開発、発売して以来、事業ブランド「メディコム」を掲げ、電子カルテシステムをはじめとしたヘルスケアIT製品・サービスの提供を通じて、患者さんへの医療サービス向上と医療従事者の業務効率改善に取り組んでいます。

URL: www.phchd.com/jp/medicom