PHC株式会社

クリニック開業コラム

診療報酬改定とクリニック(2)~町のかかりつけ医として~

医療の質を高めるために病院ごとの役割を分担

診療報酬改定については「開業医はとくにその動向に注視すべき」と以前にお伝えしました(バックナンバー:『診療報酬改定とクリニック(1)~その診療、いくらになりますか?~』参照)。昨年から議論されてきた今回(2016年)の改定もこの4月から施行に至ったわけですが、その内容にはこれからのクリニックのあり方を示唆する部分が見受けられます。近い将来、開業を志す先生方にとって無視できない医療政策の大きな流れですので、今回と次回の2回に渡って取り上げ解説していきます。
今回のテーマは「主治医機能の評価」についてです。主治医機能とは、体に不調を覚えた患者がまず最初にかかる、いわゆる“かかりつけ医”の役割。前回の改定でもこの主治医機能を持つ医療機関に高い評価を与えよう、という流れはありましたが、今回はそれをさらに押し進めた形です。日本の医療を効率化し、その質をもっと高めるために、医療機関の規模や有する設備ごとに機能を分化・強化し連携させる狙いがあるのです。

イメージ

かかりつけ医に高い評価が与えられる今回の改定

イメージ

前回2014年の改定で新設されたのが、「地域包括診療料・加算」。これらは高血圧症・糖尿病・脂質異常症・認知症のうちどれか2つ以上にかかっている患者を総合的にサポートしている医療機関を評価するものですが、今回の改定では認知症患者への診療をさらに高く評価する「認知症地域包括診療料・加算」のほか、3歳未満の子供が継続して受診する場合に算定できる「小児かかりつけ診療料」も新設されました。現代の日本においてかかりつけ医を最も必要とするのは、お年寄り(認知症を患っているのであればなおさらです)と子供たち。彼らをしっかりと診てくれる医師にはしっかりと報酬を払おう、というわけです。
さらにもう一つ、かかりつけ医を重点評価する改定がなされました。紹介状を持たずに大病院へやってくる外来患者に最低5000円(歯科は3000円)の特別負担を課す、という改定です。今までも200床以上の大病院については特別料金を病院の判断で任意に徴収してよいことになっていたのですが、今後は特定機能病院と500床以上の地域支援医療病院ではかならず徴収することになったのです。

診療報酬改定のタイミングは増患のチャンスでもある

この改定が意味するところも、やはり医療機関の機能分化にあります。大病院は専門性・重症度の高い患者を中心に受け持ち、中小病院やクリニックが一般的な患者を受け持つようにと、改定によって誘導していく意図があるのです。軽症の外来患者が大病院に押し寄せてしまっては重症患者の診療を阻害しかねませんし、そこに勤める医師たちの負担も重くなるばかりです。しかるべき患者を優先的に大病院へ導くために、クリニックをはじめとする“町のかかりつけ医”に地域医療の窓口としての活躍が期待されています。
だからといって「これからはクリニックが有利だな」というような単純な考え方は禁物です。というのも、医療機関の機能分化を図りたいという医療政策の都合は個々の患者にとっては関係のないこと。不調を感じ始めた人の身になってみれば「大きな病気かもしれないから最初から大病院で診てもらいたい」と不安がる気持ちも理解できます。ですからそのような心情を患者が抱くことのないよう、いかなる時も頼れる医師となる必要があるのです。「これまでにどんな病気にかかってきたか、今どんな薬を服薬中かを知ってくれている」「日常の健康管理や体調変化も相談できる」「まずは○○先生に診てもらおう」そんなふうに患者が思ってくれるような“真のかかりつけ医”を目指すようになさって下さい。大きな改定が行われるタイミングは、増患のチャンスでもあります。こういう時こそ、患者の満足度を上げるため何ができるか考えるようにしましょう。

イメージ

開業成功ポイントの一覧へ戻る

最新記事のポイント

トピックス

診療所向け電子カルテシステム/医事会計システム
診療所向けソリューションのご紹介
シェアNo.1。導入からアフターケアメンテナンスまで全国ネットにサポートします。

※「MEDICOM」および「メディコム」は、PHCホールディングス株式会社の登録商標です。