目次
【令和8年度診療報酬改定】疾患別リハビリテーション料
令和8年度の改定では、疾患別リハビリテーション料の点数に変更はありません。
1単位(20分)あたりの点数と標準的算定日数(上限日数)は、施設基準の区分によって異なります。下表で各区分の点数と算定上限日数をご確認ください。
| 疾患別区分 | 点数(Ⅰ) | 点数(Ⅱ) | 点数(Ⅲ) | 算定上限日数 |
|---|---|---|---|---|
| 心大血管疾患リハビリテーション料 | 205点 | 125点 | ― | 150日 |
| 脳血管疾患等リハビリテーション料 | 245点 | 200点 | 100点 | 180日 |
| 廃用症候群リハビリテーション料 | 180点 | 146点 | 77点 | 120日 |
| 運動器リハビリテーション料 | 185点 | 170点 | 85点 | 150日 |
| 呼吸器リハビリテーション料 | 175点 | 85点 | ― | 90日 |
出典:厚生労働省「別表第一 医科診療報酬点数表P229~235」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001665292.pdf)
たとえば、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)で3単位(60分)の離床を伴うリハビリを実施した場合、185点×3単位=555点が算定できる計算です。
なお、施設基準に応じた点数設計のため、自院の区分を正確に把握することが収益管理の出発点といえます。
令和8年度診療報酬改定での主な変更点
令和8年6月施行予定の改定では、疾患別リハビリテーション料に関して大きく5つの方向性で見直しが行われました。それぞれの内容について以下より解説します。
内容・結果を重視した評価の適正化
漫然とした実施を抑制し、機能回復に直結するリハビリを評価する観点から、算定要件が見直されました。
- 離床を伴わない個別療法(ベッドサイドリハビリ等)は所定点数の100分の90で算定し、1日2単位までに制限※早期リハビリテーション加算または初期加算を算定している患者・15歳未満の小児・医師が医学的に必要と認め診療録に詳細を記載した患者等は除外
- 医療機関外で実施する疾患別リハビリテーションの上限単位数を緩和(一連の入院で合計3単位まで、1日3単位超の算定が可能に。別に厚生労働大臣が定める患者については1日最大6単位まで算定可)
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定説明資料等について 令和8年度診療報酬改定の概要【医科全体版】P304・311」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html)
体制評価の強化
発症・手術後の早期からリハビリを開始する体制や、休日のリハビリ実施を評価する仕組みが強化されました。
- 急性期リハビリテーション加算の算定要件が見直し(入院初日〜3日目:60点/単位、4〜14日目:25点/単位の段階制に変更)
- 休日リハビリテーション加算(25点/単位)が新設※対象は入院中の患者に限られ、外来リハビリテーションのみを行う診療所では算定できません
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定説明資料等について 令和8年度診療報酬改定の概要【医科全体版】P308・309」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html)
療法士の業務範囲拡大
令和8年度改定より、専従療法士は患者・家族への指導や在宅医療等の業務に従事できるよう明確化されました。一方で、それらの業務は算定できない業務とされています。そのほか、リハビリテーションの記録時間等も算定できない業務に位置付けられています。
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定説明資料等について 令和8年度診療報酬改定の概要【医科全体版】P313」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html)
事務負担の軽減・タスクシフト
書類作業の見直しにより、リハビリスタッフや医療事務の負担軽減が図れるようになりました。あわせて、タスクシフトに関する内容も盛り込まれました。
- リハビリテーション実施計画書・総合実施計画書の患者署名欄を廃止。ただし、「説明のうえ交付し、写しを診療録に添付する」義務は継続。説明日・説明者の記載がない場合は診療録への記載が必須
- 計画書の説明者を医師のみから看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士にも拡大
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定説明資料等について 令和8年度診療報酬改定の概要【医科全体版】P137」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html)
介護保険との連携強化
医療保険から介護保険へのスムーズな移行を促す観点から、連携に関する要件が整理されました。
- 脳血管疾患等リハビリテーションにおける、目標設定等支援・管理料未算定時の減算規定(100分の90)を廃止
- 脳血管疾患等・廃用症候群・運動器リハビリテーション料において、介護保険へのリハビリ移行が必要と判断される患者さんには、介護支援専門員と協力し、事業所の紹介・見学・体験(入院中以外)の提案を行うことが算定要件に追加
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定説明資料等について 令和8年度診療報酬改定の概要【医科全体版】P305」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html)
疾患別リハビリテーションの算定要件
疾患別リハビリテーション料を算定するには、以下要件をすべて満たす必要があります。
【主な算定要件】
- 対象疾患であること
- 施設基準の届出が完了していること
- 医師の具体的な指示があること
- 1日合計6単位以内(特定患者は9単位以内)であること
- 標準的算定日数(上限日数)以内であること(超過する場合は別途要件あり)
- リハビリテーション実施計画書を作成し、説明・交付・診療録添付を行っていること
なお、離床を伴わない個別療法(ベッドサイドリハビリ等)は、令和8年度改定から各区分の点数の100分の90に相当する点数での算定に変更されました。また、1日2単位までに制限される点も運用変更の必要がないか確認しておくとよいでしょう。
出典:厚生労働省「別添1医科診療報酬点数表に関する事項 P490~508」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001668501.pdf)
出典:厚生労働省「別表第一医科診療報酬点数表 P229~236」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001665292.pdf)
疾患別リハビリテーションの施設基準
疾患別リハビリテーション料は施設基準により区分(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)が分かれており、区分が高いほど算定できる点数も高くなります。疾患別に施設基準をまとめたため、参考になさってください。
なお、施設基準に出てくる「専任」「専従」などの要件は定義がされていますが、自院の状況と完全一致しない場合もあるかもしれません。管轄の地方厚生(支)局に問い合わせて確実なものとしておくと、出戻りが少なく済みます。一覧がまとまったページもあるため、問い合わせ先を確認されておくとよいでしょう。
出典:厚生労働省「地方厚生(支)局所在地一覧」(https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/chihoukouseikyoku.html)
心大血管疾患リハビリテーション料
心大血管疾患リハビリテーション料の施設基準と、主な対象疾患は以下のとおりです。
【施設基準要旨】
| 区分 | 専任常勤医師 | 理学療法士等(専従常勤) | 作業療法士 | 訓練室面積 |
|---|---|---|---|---|
| 心大血管疾患(Ⅰ) | 循環器科・心臓血管外科の医師が実施時間帯に常時勤務、かつ経験を有する専任の常勤医師1名以上 | 心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する専従常勤理学療法士および看護師合計2名以上(一方のみ2名でも可、うち1名は専任の従事者でも差し支えない ) | 必要に応じて配置 |
|
| 心大血管疾患(Ⅱ) | 循環器科・心臓血管外科を担当する医師(非常勤含む)、かつ経験を有する医師(非常勤含む)が1名以上 | 心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する専従の理学療法士または看護師いずれか1名以上 |
【主な対象疾患】
| 区分 | 疾患 |
|---|---|
| 急性発症した心大血管疾患又は心大血管疾患の手術後※慢性・その他 |
|
※心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅱ)を 算定する場合、急性心筋梗塞及び大血管疾患は発症後(手術を実施した場合は手術後) 1月以上経過したものに限る
出典:厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについてP176~180」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001668503.pdf)
出典:厚生労働省「留意事項通知P494」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001668501.pdf)
脳血管疾患等リハビリテーション料
脳血管疾患等リハビリテーション料の施設基準と、主な対象疾患は以下のとおりです。
【施設基準要旨】
| 区分 | 専任常勤医師 | 理学療法士等(専従常勤) | 作業療法士(専従常勤) | 言語聴覚士(専従常勤) | 訓練室面積 |
|---|---|---|---|---|---|
| 脳血管疾患等(Ⅰ) | 専任常勤2名以上※1 | 5名以上※2 | 3名以上※2 | 言語聴覚療法を行う場合1名以上※2 | 160㎡以上※2 (言語聴覚のみの場合:専用室8㎡以上1室以上) |
| 脳血管疾患等(Ⅱ) | 専任常勤1名以上 | 1名以上 | 1名以上 | 言語聴覚療法を行う場合1名以上 |
|
| 脳血管疾患等(Ⅲ) | 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のいずれか1名以上 | 同左 | 同左 |
※1 うち1名は脳血管疾患等リハビリテーション医療に関する3年以上の臨床経験または研修歴を有すること。
※2 言語聴覚療法のみを実施する脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)は、専任常勤医師1名以上・専従常勤ST3名以上で算定可能。(Ⅱ)は専従常勤ST2名以上。
【主な対象疾患】
| 区分 | 疾患 |
|---|---|
| 急性発症した脳血管疾患又はその手術後 |
|
| 急性発症した中枢神経疾患又はその手術後 |
|
| 神経疾患 |
|
| 慢性・その他 |
|
出典:厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについてP180~185」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001668503.pdf)
出典:厚生労働省「留意事項通知P498」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001668501.pdf)
運動器リハビリテーション料
運動器リハビリテーション料の施設基準と、主な対象疾患は以下のとおりです。
【施設基準要旨】
| 区分 | 専任常勤医師 | 理学療法士等(専従常勤) | 作業療法士(専従常勤) | 訓練室面積 |
|---|---|---|---|---|
| 運動器疾患(Ⅰ) | 運動器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師1名以上 | 理学療法士・作業療法士合計4名以上 | 同左 |
|
| 運動器疾患(Ⅱ) | 理学療法士または作業療法士を合計2名以上 | 同左 | ||
| 運動器疾患(Ⅲ) | 専任常勤1名以上 | 理学療法士または作業療法士1名以上 | 同左 | 45㎡以上 |
【主な対象疾患】
| 区分 | 疾患 |
|---|---|
| 急性発症した運動器疾患又はその手術後 |
|
| 慢性 |
|
出典:厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについてP187~190」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001668503.pdf)
出典:厚生労働省「留意事項通知P503」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001668501.pdf)
呼吸器リハビリテーション料
呼吸器リハビリテーション料の施設基準と、主な対象疾患は以下のとおりです。
【施設基準要旨】
| 区分 | 専任常勤医師 | 理学療法士等(専従常勤) | 作業療法士(専従常勤) | 言語聴覚士(専従常勤) | 訓練室面積 |
|---|---|---|---|---|---|
| 呼吸器疾患(Ⅰ) | 呼吸器リハビリテーションの経験を有する専任常勤医師1名以上 | 呼吸器リハビリ経験を有する専従常勤理学療法士1名を含む理学療法士・作業療法士・言語聴覚士合計2名以上 |
|
||
| 呼吸器疾患(Ⅱ) | 専任の常勤医師1名以上 | 専従常勤理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のいずれか1名以上 | 45㎡以上 | ||
【主な対象疾患】
| 区分 | 疾患 |
|---|---|
| 急性 |
|
| 肺腫瘍、胸部外傷その他の呼吸器疾患又はその手術後 |
|
| 手術前後の呼吸機能訓練※ |
|
※手術日から概ね1週間前の患者及び手術後の患者 で呼吸機能訓練を行うことで術後の経過が良好になることが医学的に期待できる患者
出典:厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについてP190~192」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001668503.pdf)
出典:厚生労働省「留意事項通知P506」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001668501.pdf)
廃用症候群リハビリテーション料
廃用症候群リハビリテーション料の施設基準は、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ〜Ⅲ)の基準に準じます。
脳血管疾患等リハビリテーション料の届出を行っていれば別途届出は不要ですが、同等のスタッフ配置・施設要件を維持していることが前提です。
【主な対象疾患】
急性疾患等(治療の有無を問わない)に伴う安静による廃用症候群をきたした患者(治療開始時にFIM115以下・BI85以下の状態等)
出典:厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについてP185~187」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001668503.pdf)
出典:厚生労働省「留意事項通知P501」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001668501.pdf)
リハビリテーション算定における運用上のコツ
疾患別リハビリテーション料の算定は要件が複合的で、実務上の疑問が生じやすい項目です。よくある質問をQ&A形式で整理しているため、参考になさってください。
土日にリハビリをした場合の加算はある?
令和8年度改定で新設された「休日リハビリテーション加算(25点/単位)」を算定できます。起算日から30日目までの間、土曜日・日曜日・祝日に提供したリハビリに加算が可能です。
なお、対象は入院中の患者に限られ、外来リハビリテーションのみを行うクリニックでは算定できません。入院設備をもつ保険医療機関で届出のうえ、活用をご検討ください。
外来リハビリを継続する場合の診察料は?
外来リハビリを継続する患者さんの状態が比較的安定している場合、毎回の医師の診察なしに「外来リハビリテーション診療料」が算定できます。
算定要件が複数設けられているため、疑義解釈などの詳細情報も確認して、対応を進めるとスムーズでしょう。
出典:厚生労働省「別表第一 医科診療報酬点数表P288~289」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001665292.pdf)
リハビリの算定日数を超えた場合はどうなる?
医師が治療継続により改善が期待できると医学的に判断した患者さんについては、標準的算定日数を超えても所定点数での算定が認められます。判断した日を診療録に記載し、1か月に1回以上リハビリテーション実施計画書の作成・交付とFIM測定が必要です。
出典:厚生労働省「別添1医科診療報酬点数表に関する事項P490~491」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001668501.pdf)
算定をサポートする製品のご紹介
疾患別リハビリテーション料は算定要件が複雑で、改定ごとに内容がアップデートされていくため、継続的な確認が欠かせません。
ウィーメックスが提供している医事一体型電子カルテ「Medicom クラウドカルテ」は、完全クラウド型のため、お手元での更新作業の必要がなく、政策へのアップデートがスムーズです。また、50年以上のレセコン開発実績を活かしたAI自動算定機能で、算定漏れや要件の見落としを防ぎ、事務負担の軽減に貢献します。
導入された施設の声をまとめたページと製品ページをご用意しているため、ぜひご覧ください。
まとめ
疾患別リハビリテーション料は、区分によって施設基準や算定要件、上限日数がそれぞれ異なります。令和8年度改定では、内容・結果の適正化や早期介入の推進など、実務に直結する変更が複数加わりました。
まずは、自院の施設基準区分と算定要件を確認のうえ、改定内容が自院の運用に適切に反映されているかを見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。
診療報酬改定に関する情報をまとめたページもご用意しているため、状況把握や整理にお役立てください。
▶令和8年度診療報酬改定の特集ページはこちら
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