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診療報酬・調剤報酬 医師 事務長 2026.05.25 公開

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【2026年度改定対応】オンライン診療の診療報酬を徹底解説

2026年度(令和8年度)改定後のオンライン診療の診療報酬を、対面との点数比較・新設加算・算定要件・施設基準の届出手順まで一覧で確認できます。基本点数だけを見ると対面より低く映りますが、医療DX関連加算との組み合わせで収益を補完できる設計へと進化しています。最新の診療報酬情報のまとめや対応システムの選び方については、記事後半のリンクも参考になさってください。

※本内容は公開日時点の情報です

#医療政策

目次

オンライン診療に関する診療報酬|対面との点数比較

「オンライン診療は点数が低いから損」。そう感じている医師は少なくありません。ただし、点数が低い理由には制度設計上の合理的な背景があるため、「低い=評価が低い」とは一概にはいえません。まずは2026年度改定後の基本点数を正確に把握したうえで、対面との差の意味を整理します。

【2026年度改定対応】オンライン診療の診療報酬を徹底解説

初診・再診の点数設計

情報通信機器を用いた診療(オンライン診療)の診療報酬は、2022年度(令和4年度)改定で「オンライン診療料」が廃止されたことで現在の体系に移行しました。以来、「初診料(情報通信機器を用いた場合)」「再診料(情報通信機器を用いた場合)」として、基本診療料の一区分に位置づけられています。2026年度(令和8年度)改定後の点数は下表のとおりです。

区分 情報通信機器を用いた場合 対面診療 差分
初診料 253点 291点 △38点
再診料 76点 76点 0点

再診では対面との点数差はありません。初診については対面より38点低い設定ですが、外来管理加算(対面再診で算定可能な52点)はオンライン診療では算定できないため、再診においても実質的な差が生じる点はおさえておく必要があります。

出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)医科点数表P3~5」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf

対面診療より点数が低い理由

情報通信機器を用いた初診の点数が対面より低いのは、触診・聴診・打診などの身体診察や検査・処置に係るコストが発生しないことを制度上反映させているためです。患者さんの移動コスト削減や医療機関側の設備負担の違いを踏まえた制度設計のため、「安い=評価が低い」とはいえません。

点数の低さを補う視点として、2026年度改定で新設された医療DX関連の加算があります。適切な体制整備のもとで加算を組み合わせると、収益面での補完が見込めます。次の見出しでは、オンライン診療がもつ多面的なメリットとあわせて確認しましょう。

オンライン診療のメリットと普及状況

点数だけで導入の可否を判断するのは得策ではありません。収益面・患者満足度・政策の方向性の3つの軸から評価することで、オンライン診療がクリニック経営に与える影響をより正確に見通せます。

増患・患者利便性の向上

オンライン診療がとくに有効なのは、通院に制約を抱える患者層への対応です。遠隔地在住の患者さんや高齢で移動が困難な患者さん、育児中で外出しにくい患者さんなど、従来はアクセスが難しかった層に診療機会を提供できます。新規患者さんの獲得に加え、定期通院が必要な慢性疾患患者さんの継続率向上にもつながります。

収益面の実感をもちにくい場合は、再診76点×月間オンライン診療件数で試算する方法が実務的です。たとえば月50件の再診をオンラインで対応した場合、基本点数だけで月3,800点(1点10円換算で38,000円)の算定となります。後述の加算が加わると、対面との差を相当程度埋められます。

政策の後押しと普及のトレンド

2026年度改定は、電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスの普及など、電子カルテ情報の共有を実務に落とし込む方向性が明確に打ち出されています。国のデジタル化推進と連動したオンライン診療の整備は、政策的な後押しがある分野です。

厚生労働省の資料によると、情報通信機器を用いた初診料等の届出医療機関数は経時的に増加を続けており、令和7年4月1日時点で約13,400医療機関に達しています。

政策の後押しと普及のトレンド
出典:厚生労働省「中央社会保険医療協議会総会(第612回)外来について(その1)P77」(https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001517951.pdf

導入の遅れはそのまま先行する医療機関との格差につながるため、早期の情報収集と体制整備が望まれます。

点数だけでははかれないメリット

オンライン診療では、診療費とは別に情報通信機器の運用に要する費用(ICT運用費用)を患者さんから別途徴収できます。「療養の給付と直接関係ないサービス等の費用」として認められているためです。

厚生労働省の調査では、費用徴収の中央値600円との結果が出ており、金額設定の目安にできるでしょう。

点数だけでははかれないメリット
出典:厚生労働省「令和8年1月26日 第124回社会保障審議会医療部会 資料1オンライン診療についてP27」(https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/001642125.pdf

なお、予約に基づく診察による特別料金(予約料)は原則として徴収できません。

2026年度改定では、診療計画書等への患者署名について自筆または電子署名があれば印鑑不要とされており、事務手続きの負担が軽減されています。システム導入に付随する手間となる部分が削減されている点は、実務面で大きなメリットといえるでしょう。

出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について【医科全体版】P208」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

2026年度診療報酬改定|オンライン診療に関する点数

2026年度(令和8年度)改定の大きな軸は、医療DX関連加算の再編・新設です。基本点数(初診・再診)と加算を組み合わせて読むことで、今改定の理解がより深まります。オンライン診療に関連する4つの点数について順に解説するため、算定の参考になさってください。

なお、最新の診療報酬情報をまとめた特集ページや解説ウェビナーも用意しています。加算の全体像を整理する際の資料としてご活用ください。

令和8年度診療報酬改定の情報をまとめた特集ページはこちらから

令和8年度診療報酬改定の全体像を解説したセミナーはこちらから

電子的診療情報連携体制整備加算

2026年度改定で「医療DX推進体制整備加算」と「医療情報取得加算」が廃止され、新たに「電子的診療情報連携体制整備加算」が設けられました。評価の軸が「体制の整備」から「マイナ保険証の利用実績」へ転換しています。

区分と点数の概要は下表のとおりです。

区分 初診時 再診時 主な要件
加算1 15点 2点 電子処方箋+電子カルテ情報共有サービス活用+マイナ保険証利用率30%以上
加算2 9点 2点 電子処方箋発行体制+マイナ保険証利用率30%以上
加算3 4点 2点 オンライン資格確認体制+マイナ保険証利用率30%以上
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について【医科全体版】P194」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

既存の届出があっても、あらためて届出が必要な点はおさえておきましょう。また、明細書発行体制等加算との併算定はできません。電子的診療情報連携体制整備加算の詳細を解説した記事もあわせて参考になさってください。

遠隔電子処方箋活用加算

情報通信機器を用いた医学管理等を算定する患者に対し、電子処方箋管理サービスを通じた重複投薬等チェックを行い、調剤を希望する保険薬局と連携したうえで電子処方箋を発行した場合に月1回10点を算定できる加算が新設されました。

遠隔電子処方箋活用加算
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について【医科全体版】P197」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

本加算の主な要件は、以下のとおりです。

  • 薬剤情報確認・重複投薬チェックを行うこと
  • 電子処方箋対応システムが導入済みであること
  • 患者の調剤希望薬局と連携して電子処方箋を発行すること

電子処方箋を導入済みの場合は、すぐに算定を検討できる点数の1つです。未導入の場合は、電子的診療情報連携体制整備加算(加算2以上)の要件とも重なるため、システム整備の優先度をあわせてご検討ください。

在宅医療DX情報活用加算

訪問診療・在宅がん医療等において、居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムにより取得した診療情報を活用し、診療計画を作成して診療を行った場合に月1回算定できます。

算定するには、以下5つの準備が必要です。

  • オンライン資格確認への対応
  • 電子処方箋への対応
  • 電子カルテ情報共有サービスへの対応
  • 院内・ホームページへの掲載
  • 届出様式の提出

在宅医療を提供しているクリニックは、算定を検討したい点数といえます。在宅医療DX情報活用加算についてより詳細に解説した記事も用意しているため、参考になさってください。

出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)医科点数表P138より抜粋して記載」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html

看護師等遠隔診療に関する加算(検査・注射・処置)

へき地等の診療所において、適切な研修を修了した医師が看護師等の同席する患者に対して遠隔で診療を行った場合(D to P With N)の評価が、今改定で整理されました。

看護師等遠隔診療に関する加算(検査・注射・処置)
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について【医科全体版】P202」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

一般的な外来クリニックでは対象外となりますが、へき地医療拠点病院やへき地診療所の指定を受けている医療機関は、要件の詳細を確認しておきましょう。

オンライン診療を始めるための準備

点数・加算の仕組みを把握したうえで次に必要なのは、実際に診療を開始するための院内準備です。厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(令和8年4月改訂。以下、オンライン指針)では、準備事項を「診療提供に関する事項」と「提供体制に関する事項」の2領域に整理しています。ポイントとなる部分をお伝えします。詳細は実際の指針もご確認ください。

出典:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(https://www.mhlw.go.jp/content/001685701.pdf

診療の提供に関する準備事項

オンライン指針では、診療提供にあたって医師が整えるべき事項を6項目定めています。とくに、「診療計画の作成」と「本人確認の体制」は、施設基準の届出前に整えておく必要があります。各項目の概要を下表にまとめました。

項目 指針の概要
1. 医師-患者関係/患者合意
  • 診察前に患者さんに説明し、合意を得ること
  • 医師側の都合ではなく患者さんからの求めに応じるものであること
  • オンライン診療が適切でない場合、速やかに対面診療につなげることなど
2. 適用対象
  • 初診は「かかりつけ医」が行うこと
  • 急病急変患者さんは原則対面診療を行うことなど
3. 診療計画
  • 診療開始前に対面診療で患者さんを評価したうえで診療計画を作成すること
  • 診療計画は2年間保存すること
  • 患者さんが診療計画を参照できるようにすることなど
4. 本人確認
  • 医師と患者さんの双方が身分確認で本人確認を行うこと
  • 患者さんはマイナンバーカードや資格確認書など
  • 医師はHPKIカードや医師免許証など
5. 薬剤処方・管理
  • 医師の判断で処方を行うこと
  • 診療ガイドラインを参考に行うこと
  • 現在服薬中の医薬品を必ず確認すること
6. 診察方法
  • 患者さんの状態について十分な情報が得られない場合は、速やかに対面診療を行うこと
  • 同時に複数の患者さんの診療を行わないこと
  • 医師の他に医療従事者が同席する場合は、その都度患者さんの同意を得ることなど
出典:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針P12~P19より抜粋して記載」(https://www.mhlw.go.jp/content/001685701.pdf

体制整備に関する準備事項(通信・セキュリティ)

オンライン指針では、診療を安全に提供するための体制整備も求められています。一般的なクリニックが対応すべき主な項目の概要は下表のとおりです。

なお、D to P With Dは、主にへき地医療・在宅医療領域が対象となるため、一般外来クリニックでは、1・2・5の項目から確認されるとよいでしょう。

項目 指針の概要
1. 医師の所在
  • 医師 は医療機関 に所属し、問い合わせ先を公表すること
  • 騒音・不安定な通信環境での診療は不可
  • 患者情報が第三者に伝わらないよう、物理的に外部から隔離された空間で実施することなど
2. 患者の所在
  • 対面診療と同程度に清潔・安全であること
  • 患者さんのプライバシーが保たれる隔離された空間であること
  • 患者さんの勤務する職場等も認められる場所として含まれるなど
3. 患者が看護師等といる場合のオンライン診療(D to P With N)
  • 診療計画または訪問看護指示書に基づく範囲内で補助行為が可能
  • 実施する医師は原則として訪問診療等を定期的に行っている医師であること
  • 予測されていない新たな症状が生じた場合は診療計画の見直しが必要など
4. 患者が医師といる場合のオンライン診療(D to P With D)
  • 遠隔地の医師は主治医から事前に十分な情報提供を受けること
  • 診療責任の主体は原則として主治医にあること
  • 問題が生じた場合の責任分担を事前に協議しておくこと
5. 通信環境・セキュリティ
  • 個人情報・プライバシーの保護に配慮した通信環境を整えること
  • 機密情報の漏洩・不正アクセス・データ改ざん等のリスクへの対策が必要
  • 3省3ガイドライン(医療情報安全管理関連ガイドライン)への対応が求められるなど
出典:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針P22~P27より抜粋して記載」(https://www.mhlw.go.jp/content/001685701.pdf

患者さんの所在については、自宅・職場・保険薬局等が認められています。ただし、医師が患者さんの所在を把握できない場合はオンライン診療を行ってはならないとされているため、適切な運用・管理が求められます。

施設基準の届出と進め方

施設基準に関する全体像を整理しました。全体の流れを把握するうえで、参考になさってください。

届出に必要な書類

管轄の地方厚生局へ提出が必要な書類の主な内訳は以下のとおりです。

  • 施設基準届出書(所定の様式)
  • 診療体制に関する添付資料(対面診療との兼用体制等の説明)
  • オンライン指針への準拠を示す資料

届出後、地方厚生局に受理された翌月(または同月)から算定が可能となります。算定開始日に間に合わせるためには、期日に余裕をもった準備が求められます。

見直しが入る場合もあるため、最新の様式は厚生労働省のウェブサイトをご確認ください。

出典:厚生労働省「オンライン診療について医療機関・薬局の皆様へ」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38334.html

届出前に整えるべき環境チェックリスト

届出前に院内で整備しておくべき事項は以下のとおりです。

なお、診療計画書等への患者署名は自筆または電子署名があれば印鑑不要のため、事務負担は以前と比べて軽減されています。

開業と同時に始めるためのタイミング

開業準備の段階からオンライン診療の導入を視野に入れている場合、施設基準の届出を後回しにすると開業後も算定できない期間が生じます。開業届・保険医療機関指定申請・施設基準届出の3つは同時並行で進めることで、開業後に追加届出する場合よりも早く算定できる環境が整います。

2026年度改定で新設された加算の算定も含め、開業前の準備フェーズで前述のチェックリストをクリアしておくことが、収益確保の観点から望まれるといえるでしょう。

算定をサポートする製品のご紹介

オンライン診療に関する診療報酬は、項目が多く算定要件をくまなくチェックするのは至難の業といえます。対面診療含め拡充していくなかでは、レセコン一体型の電子カルテが役立ちます。

たとえば、ウィーメックスが提供するレセコン一体型電子カルテ「Medicom シリーズ」は、50年以上のレセコン開発実績をもとにした、適切な算定業務のサポートが強みです。

カルテ記載の時点で算定情報がチェックできるため、会計スタッフの人数や経験に左右されずにレセプト業務もスムーズです。

クラウド型の「Medicom クラウドカルテ」と、ハイブリッド型の「Medicom-HRf Hybrid Cloud」の2製品をラインナップしています。両製品の特長と選び方をまとめたページもご用意しているため、検討を進める際の参考になさってください。

メディコムがご提案する失敗しない電子カルテの選び方

まとめ

オンライン診療の診療報酬は、基本点数(初診253点・再診76点)に医療DX関連の加算を組み合わせることで収益を最大化できる構造となっています。2026年度改定では遠隔電子処方箋活用加算(10点)の新設や電子的診療情報連携体制整備加算(最大15点)への再編が行われており、電子処方箋対応の有無が点数評価に直接反映されるようになりました。

自院の規模・提供サービスに応じて対象加算を絞り込み、施設基準の届出と院内体制の整備を早期に進めることが、算定機会のロスを防ぐうえで求められます。対応システムの選定・届出準備を進める際には、本記事とあわせてご紹介している製品情報もお役立てください。

著者情報

武田 直也 様

フリーランスWebライター。18年間、医療事務として合計3つの医療機関に従事。診療報酬をはじめ、診療情報管理士の資格を活かしたカルテ監査やDPCデータ分析、クリニカルパスなどの医療情報利活用に精通している。


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