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診療報酬・調剤報酬 医師 事務長 2022.04.19 公開

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2022年度診療報酬改定/リフィル処方箋の導入をチャンスに変える

2022年度診療報酬改定で導入された「リフィル処方箋」。繰り返し使用できる処方箋の登場は、医師、診療所にとってどんな影響があるのでしょうか。診療報酬改定のなかでの位置づけ、そして診療所でのメリット、デメリットをまとめてみました。

※本内容は公開日時点の情報です

#医療政策 #マネジメント

リフィル処方箋とは

診療報酬改定におけるリフィル処方箋とは

「リフィル処方箋」は、診療報酬改定のなかでは、地域包括ケアシステムの推進のための取り組みの12番目に、「処方箋様式の見直し」として記されています。基本的な考え方は、「症状が安定している患者に対して、医師の処方により、医師および薬剤師の適切な連携のもと、一定期間内に処方箋を反復利用できるリフィル処方箋の仕組みを設ける」となっています。あわせて処方箋様式をリフィル処方箋に対応可能な様式に変更され、医師がリフィル処方をする際は、リフィル可にチェックを入れ回数を記入します。

リフィル処方箋の対象患者は、「医師の処方により、薬剤師による服薬管理のもと、一定期間内に処方箋の反復利用が可能である患者」とされており、上限は3回までです。また、1回当たりの投薬期間および総投薬期間については、医師が患者の病状等を踏まえ、個別に医学的に適切と判断した期間となっています。

ただし、投薬量に限度が定められている医薬品および湿布薬については、リフィル処方箋による投薬を行なうことはできないため注意が必要です。

海外におけるリフィル処方箋の導入例

リフィル処方箋は、アメリカ(州により制度は異ります)、イギリス、フランス、オーストラリア、カナダなどではすでに導入されています。いち早く1951年に導入されているアメリカでは、リフィル処方箋は初診から使われているといいます。

ちなみにアメリカでは、対象患者に関する規制はなく、そのほかの国では症状が安定した慢性疾患が主な対象で、フランスでは経口避妊薬の処方も対象となっています。

リフィル処方箋の有効期間は国によって異り、イギリス、オーストリア、カナダでは6ヵ月または12ヵ月、フランスでは6ヵ月が上限となっています。アメリカは州により異っていますが、2年を超えるリフィル調剤は行なわれないとされています。

分割調剤との違いについて

日本では、2016年度診療報酬改定で「分割調剤」が導入されています。リフィル処方箋とはどう違うのでしょうか。

分割調剤とは、以下になります。

①長期保存が難しい薬剤
②後発医薬品を初めて使用する場合
③医師の指示がある場合(分割指示の上限は3回、患者に別紙を含む処方箋の全てを毎回薬局に提出するよう指導)

例えば、90日分の内服薬を患者に投薬するため30日分ごとに薬局で調剤して交付する場合で、分割調剤とリフィル処方箋の違いを確認すると、下記のようになります。

分割調剤:医師が90日分の処方箋を発行し、薬局に対して3回の分割調剤を指示。
リフィル処方箋:医師が30日分の処方箋を繰り返し利用できる回数(3回)を記載したうえで発行。

ただし、分割調剤は対応可能なケースが限られていることに加え、手続が煩雑になるため、広く普及するまでにはいっていません。

診療所におけるメリットとデメリットについて

診療所におけるメリット

リフィル処方箋は、医師と診療所にとってどんなメリットがあるのでしょうか。

・医師の外来診療の労働負担の軽減
今まで処方箋をもらうためだけに訪れていた再診の患者が減るため、その分、労働負担が軽減されます。

・患者への診療時間の確保
お薬だけ再診が減れば、その時間を患者の服薬指導や経過観察などに向けることができます。結果として、患者の顧客満足の向上にもつながります。

・患者との接触機会の軽減
再診での接触が減るということは、医師、診療所での感染症に対するリスクも、その分軽減されると考えられます。

診療所におけるデメリット

次にデメリットについても見ていきましょう。

・再診患者減による減収
仮に90日分の処方箋をもらうために、30日×3回来院していた患者がいた場合と比較すると、2回分の再診が減ることになり、その分の減収となります。

・症状悪化の見のがしリスク
リフィル処方箋は、症状が安定している患者に対して処方するものですが、経過観察の機会が減ることになります。高齢者などの場合、90日診療の間隔が空くことにより、症状の悪化し始めのタイミングで診療ができずに、再診に訪れたときには症状が進行していたといったケースも想定されます。

・薬局、薬剤師とのコミュニケーションの必要性
リフィル処方箋を発行することにより、今まで以上に薬局、薬剤師とのコミュニケーションが必要になります。リフィル処方箋を扱うということは、薬局、薬剤師に経過観察の責任が生じますので、そこからの問い合せ対応が今まで以上に多くなると考えられます。

診療報酬改定におけるメリット

・長期処方の減額処置の回避が可能に
今回の診療報酬改定で導入されたリフィル処方箋の場合、1回の処方日数を30日未満にすると、長期処方に対する減算規定(1処方につき投与期間が30日以上の投薬を行なうと、所定点数の100分の40に相当する点数を算定)が適用されなくなります。今まで長期処方が多かった医師や診療所にとっては、収入面でのメリットにつながるかもしれません。

リフィル処方箋への取り組み

リフィル処方箋への取り組みは、これからの課題と捉える医師が多いと思います。一方で患者にとっては医療費の抑制や通院時間の負担軽減につながるだけに、リフィル処方箋をリクエストしてくるケースが考えられます。その際、患者固有の症状などのきちんとした説明なしに断ってしまうと、患者離れにつながりかねないので注意が必要です。

リフィル処方箋の導入で捻出できる診療時間を、例えば在宅医療に振り向けるなど、新たな取り組みも可能です。さらにオンライン診療の導入、かかりつけ医としての役割の見直しなど、トータルとして患者のためになる取り組みの一環としてリフィル処方箋を捉えてみてはいかがでしょうか。

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