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電子カルテ 医師 事務長 2026.04.21 公開

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医師事務作業補助者運用ガイド!代行入力のメリット・注意点も解説

電子カルテへの代行入力を担う「医師事務作業補助者」とはどのような職種なのか、業務の範囲や関連する診療報酬について詳しく把握されていない方も多いのではないでしょうか。医師の働き方改革が推進されるなか、医師事務作業補助者はタスクシフトの一端を担う職種です。本記事では、業務範囲から必要なスキル、代行入力のメリットと注意点まで、体系的に解説します。院内での運用体制を整える際の判断材料としてお役立てください。また、日々の事務作業をどこまで任せられるかを確認したい勤務医の方にも、参考にしていただけます。

※本内容は公開日時点の情報です

#労務管理 #業務効率化 #医療政策 #マネジメント

目次

医師事務作業補助者の業務範囲

医師事務作業補助者とは、医師の指示のもとで事務作業を代行するスタッフです。ドクターズクラーク、メディカルアシスタント、医療秘書などとも呼ばれます。現行制度で可能な、以下6つの業務について紹介します。

  • 診療録等への代行入力
  • 書類の下書き・仮作成
  • 診察前の予診
  • 診察や検査の予約・説明
  • 各種書類の説明・同意書の受領
  • その他事務作業
医師事務作業補助者運用ガイド!代行入力のメリット・注意点も解説
出典:厚生労働省「現行制度の下で実施可能な業務について 別添2(P12)」(https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000709445.pdf

診療録等への代行入力

電子カルテへの記録代行は、医師事務作業補助者が担う業務の中核のひとつです。診療録への代行入力にとどまらず、以下の入力も対象です。

  • 検査オーダー
  • 食事オーダー
  • クリニカルパス
  • 地域連携パス

なお、令和8年度診療報酬改定では、代行入力業務の対象範囲が明確に示されたため、加算算定施設は目を通しておきましょう。

出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について【医科全体版】P140」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686050.pdf

書類の下書き・仮作成

医師が最終確認・署名する以下文書の下書き・仮作成が可能です。

  • 診断書
  • 診療情報提供書
  • 返信
  • 診療サマリー
  • 診療計画書など

医師が一から作成する時間を大きく短縮できるため、残業削減への効果が期待できます。また、患者さんやご家族への説明文書の準備・作成も業務範囲に含まれます。

診察前の予診

定型の予診票等を用いて、診察前に患者さんの病歴・症状・内服薬などの情報を機械的に聴取する予診業務も業務範囲です。

医師が診察に専念しやすい環境を整える業務といえるでしょう。なお、医師事務作業補助者は、患者さんの状態を判断することはできないため、あくまで予診表を用いたヒアリングのみです。

診察や検査の予約・説明

次回診察や検査の予約入力、および検査に関する定型的な説明と同意書の受領も担当できます。

所定の文書や動画等を用いた機械的・定型的な説明に限られますが、医師や看護師が担っていた一部の説明業務を代行するかたちで、診療の流れをスムーズに保てます。

なお、患者さんから医学的な質問や不明点が出た場合は、医師や看護師の説明が必要です。

各種書類の説明・同意書の受領

医師の指示のもと、入院オリエンテーションなど医学的行為にあたらない事項の説明や、同意書・誓約書の受領補助が可能です。医師は、入院に関する医学的な説明だけで済むため、業務負担の軽減が期待できます。

その他事務作業

医師に関連する、以下の業務も担当可能です。

  • カンファレンスの準備
  • 医師の当直表作成

医師事務作業補助者に必要なスキル

医師事務作業補助者が業務を適切に遂行するためには、基本的な4つのスキルをおさえておく必要があります。採用や教育、加算の算定に向けた準備の参考になさってください。

医療に関する基礎知識

医師からの指示内容を正確に理解し業務を進めるためには、医療用語・診療プロセス・疾患の基礎知識が欠かせません。

たとえば、電子カルテへの代行入力では、指示の意味を正確に把握したうえで入力する力が求められます。

事務スキル

カルテ入力や文書の下書き作成など、パソコン操作を問題なく遂行できる能力が必要です。また、情報をわかりやすくまとめる文書作成の知識や、正確で丁寧な入力スキルも求められます。

なかでも電子カルテシステムの操作習得は、採用後や配置を計画するうえで優先的に取り組むべき要素といえるでしょう。

コミュニケーション能力

医師事務作業補助者は医師をはじめ、看護師・薬剤師など多職種と連携しながら業務を進めます。指示内容を確認する際の適切な声がけや、患者さん・ご家族と接する際の配慮ある対応も欠かせません。

個人情報管理に関する知識

業務上取り扱う情報は、患者さんに関わる個人情報です。個人情報保護法の基本事項や院内規定のルールを把握したうえで、正しく運用できるかどうかは前提条件といえます。

たとえば、代行入力時のアクセス権限の管理や画面の取り扱い、配置などにも細心の注意が求められます。

医師事務作業補助者が禁止されている業務範囲

医師事務作業補助者が担当できない業務例について「医師事務作業補助者体制加算」の観点から整理しました。院内での役割分担を設計する際は、以下の表を参考になさってください。

なお、厚生労働省の通知では、医療機関ごとの実情をふまえた業務整理に努めることが示されています。実務で混乱をさけるためには、医師直轄の指示体制を院内規定で明確にしておきましょう。

出典:厚生労働省「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについてP97~100」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686836.pdf

出典:厚生労働省「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について〔医師法〕(平成19年12月28日)(医政発第1228001号)(各都道府県知事あて厚生労働省医政局長通知)」(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb3694&dataType=1&pageNo=1

禁止されている業務例 内容
医師以外から指示された業務 基本的に、医師以外の職種から指示された業務は範囲外
受付・窓口業務 受付・窓口に関わる業務は範囲外(医療事務が対象)
診療報酬の請求事務 レセプト作成やDPCコーディングを含む業務は範囲外(医療事務が対象)
看護業務の補助 看護師が担当する処置の補助や患者さんのケアは範囲外(看護助手が対象)
医療機関運営・経営のためのデータ収集 経営目的のデータ収集・集計は範囲外(医療事務・診療情報管理士が対象)
物品の運搬 院内の物品搬送業務は対象外

医師事務作業補助者に関する診療報酬

医師事務作業補助体制加算(A207-2)は、医師の事務作業を補助する専従者を配置した体制を評価する入院加算で、入院初日に限り算定できます。

令和8年度診療報酬改定では点数の変更はありませんでしたが、業務範囲の明確化と、ICT機器を活用した場合の配置人数算入方法の新設、以上2点が見直されました。

医師事務作業補助者に関する診療報酬

加算点数は以下のとおりです。参考になさってください。

区分 医師事務作業補助体制加算1 医師事務作業補助体制加算2
15対1補助体制加算 1,070点 995点
20対1補助体制加算 855点 790点
25対1補助体制加算 725点 665点
30対1補助体制加算 630点 580点
40対1補助体制加算 530点 495点
50対1補助体制加算 450点 415点
75対1補助体制加算 370点 335点
100対1補助体制加算 320点 280点

なお、加算1と加算2の違いは、配置する医師事務作業補助者の経験年数要件です。

加算1は、配置区分ごとに3年以上の勤務経験をもつ医師事務作業補助者が5割以上配置されていることが施設基準の条件です。

加算2は経験年数の要件を問わないため、配置開始から間もない医療機関でも届け出やすい区分といえます。

算定にあたっては、以下の院内規定の整備・届出が必要です。早期に準備を進めておきましょう。

  • 医師事務作業補助者の業務範囲に関する院内規定
  • 診療記録に関する規定
  • 個人情報保護に関する規定
  • 電子カルテに関する規定
出典:厚生労働省「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについてP97~100」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686836.pdf

電子カルテ代行入力による3つのメリット

医師事務作業補助者による、電子カルテの代行入力で想定される3つのメリットを解説します。

医師の業務負担が軽減できる

電子カルテへの入力は、診察のたびに発生する定常業務です。医師事務作業補助者が代行するかたちで、医師が1日に費やす事務作業時間を大きく削減できます。残業の抑制や医師の心理的な疲労軽減も期待できるでしょう。

医師本来の業務に専念できる

診療・処置・患者さんへの説明など、医師にしかできない業務への集中度が高まります。診察の質の向上や、より多くの患者さんへの対応が見込めるでしょう。また、医師の働き方改革の観点からも、タスクシフトの実践として組織的に評価されます。

患者さんの満足度向上につながる

医師が診察に集中できる環境が整えば、患者さん一人に向き合う時間が生まれます。待ち時間の短縮や丁寧な説明が患者満足度の向上に寄与するため、経営にとっても有益な取り組みといえるでしょう。

代行入力時に配慮すべき注意点

電子カルテの代行入力は、医療情報の正確性と安全性が前提です。厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」には代行入力に関する注意事項が示されています。代表的な2点をおさえておきましょう。

出典:厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版システム運用編P42」(https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001582980.pdf

管理情報の記録

代行入力が行われた場合には「誰の代行が」「いつ」「誰によって行われたか」の管理情報を、代行入力のたびに記録する必要があります。アクセスログの保持と適切な運用ルールの整備が求められます。

確定者(医師)による確定操作(承認)の徹底

代行入力により記録された診療録等は、できるだけ速やかに確定者(医師)による確定操作(承認)がなされる運用が必要です。

その際、内容を確認せずに確定操作のみで対処する状況はさけなければなりません。承認フローの整備と医師の確認習慣の定着、両面での取り組みが求められます。

代行入力をサポートする製品の紹介

代行入力を円滑に進めるうえでは、電子カルテそのものの使いやすさが運用効率に直結します。医師事務作業補助者が迷わず入力でき、医師が素早く確認・承認できる画面設計が、業務品質を大きく左右するといえるでしょう。

ウィーメックスのクラウド型電子カルテ「Medicom クラウドカルテ」は、代行入力の運用をサポートする操作性が特長です。200名以上の開業医への調査から、医師はもちろん、スタッフの方々も直感的に使いやすい画面設計と操作性を兼ね備えています。

同製品の詳細や導入事例の専用ページを用意しているため、以下よりご確認ください。

Medicom クラウドカルテの製品ページはこちらから

Medicom クラウドカルテの導入事例ページはこちらから

医師事務作業補助者に関するよくある質問

ここからは、医師事務作業補助者に関する3つの質問について解説します。

そもそも医師事務作業補助者は必要?

今後、必要性はさらに高まっていくと予想されます。2024年4月から医師の時間外労働に上限規制が適用されているためです。

人材不足が続くなか、タスクシフトとICTを組み合わせた業務効率化への対応が、医療機関には求められます。医師事務作業補助者の配置は、その実践的な取り組みのひとつといえるでしょう。

医師事務作業補助者とクラークは何が違う?

医師事務作業補助者は、医師の指示のもとで医師に関わる事務作業を専門に担う職種です。一方「クラーク」はより広義に使われるケースが多く、外来クラーク・病棟クラークなど配置場所によって業務範囲が異なります。看護助手に近い業務を担当するケースもあるため、医師事務作業補助体制加算の対象となる「専従の医師事務作業補助者」とは区別して考える必要があります。

医師事務作業補助者に資格は必要?

医師事務作業補助者自体は有資格者でなくとも可能です。ただし「医師事務作業補助者体制加算」の算定にあたっては、厚生労働省の基準に準拠した研修(32時間以上)が必要です。

まとめ

医師事務作業補助者は、電子カルテへの代行入力をはじめ、医師の事務負担を幅広くカバーする専従スタッフです。

代行入力の運用には、院内規定の整備が一丁目一番地となります。まずは「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠した規定整備から始めてみてはいかがでしょうか。

ウィーメックスでは、メディコム製品のスキルを有する人材のご紹介※が可能です。お気軽にご相談ください。

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著者情報

武田 直也 様

フリーランスWebライター。18年間、医療事務として合計3つの医療機関に従事。診療報酬をはじめ、診療情報管理士の資格を活かしたカルテ監査やDPCデータ分析、クリニカルパスなどの医療情報利活用に精通している。

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