ニュース8月5日(水)
エプレディアとの事業提携を通じて、Leeds NHSのイノベーションがAIを活用したがん病理診断のグローバル普及を促進
【本プレスリリースは、Leeds NHSトラストとエプレディアが2026年8月5日(現地時間)に発表したリリースをベースに翻訳したものです。】
Leeds Teaching Hospitals NHS Trust(本部:英国ウェスト・ヨークシャー・カウンティ、以下「Leeds NHSトラスト」)は、PHCホールディングス株式会社(本社:東京都港区、以下「PHCHD」)傘下で病理事業を展開するエプレディアグループ(米国ニューハンプシャー州、以下「エプレディア」)との業務提携契約により、独自に開発した病理診断技術をグローバルに展開することとなりました。
この技術はTANGOと称され、Leeds NHSトラストのNational Pathology Imaging Co-operative (NPIC)の研究チームによって開発された、世界初の病理検査室向け品質管理ツールです。同ツールはスライド上の検体染色の品質を効率よく均一化させることで、デジタルパソロジー及び人工知能(AI)を活用したがん診断の導入促進に貢献します。また、病理検査ワークフローにおける品質保証に対するTANGOの有効性は、既に国際的な研究を通じて実証されています。
本契約に基づき、エプレディアはTANGOを活用した新たな病理用スライドガラスを開発する予定です。世界をリードする診断用スライドガラスメーカーの一つであるエプレディアは、病理検査向け消耗品分野での専門性とグローバルな販売ネットワークを活用し、デジタルパソロジーの導入を進める世界中の病理検査室に本技術を提供することを目指します。今回の契約によりTANGOはNHS内での利用拡大に加え、グローバルな展開が可能となり、英国のヘルステック分野への新たな投資促進も期待できます。
Leeds NHSトラストで最高科学責任者であるDavid Brettle教授は、次のように述べています。
「今回の事業提携は、私たちにとってとても誇らしいことです。TANGOはデジタルパソロジーの臨床活用を支援する有力なソリューションとして開発したものです。この取り組みは、NHSの医療現場で生まれたアイデアが世界規模で影響力を持つイノベーションとして成長し得ることを物語っています。エプレディアとの提携を通じて、本技術がNHS内に留まらず世界各国へ展開できる機会を得ました。病理検査室におけるAIを活用したがん診断の導入を後押しすることで、より迅速な診断結果を届けることにつながると期待しています。」
エプレディアの社長を務めるSteven Lynumは、次のように述べています。
「私たちは、ヘルステック分野でイノベーションを推進し、現実の世界に変革をもたらそうとするLeeds NHSトラストの皆さんの熱意と志に共感しています。デジタルパソロジーとAIは、がん診断の迅速化と品質向上をもたらし、ひいては患者さんのケアの改善に大きく貢献できる可能性を秘めています。今回、この革新的な技術を当社の精緻ながん診断の製品ラインアップに加えることで、このような未来の実現に寄与する技術の開発を進めてまいります。」
Leeds NHSトラスト の理事長を務めるAntony Kildare氏は、次のように述べています。
「エプレディアとの協業は、当トラストと産業界の連携がヘルステック及びライフサイエンス分野でのイノベーションを加速し、医療の変革につながることを示す好例です。この契約は当トラストにとって大きな前進であるとともに、Leedsがヘルステック分野を牽引する拠点であることを改めて示しています。この地で培われた技術を世界へ展開することで、実際の臨床に貢献するソリューションをもたらすと同時に、ヘルステック関連の雇用創出など地域経済への貢献やLeeds NHSトラストでの将来に向けた研究開発への投資促進にもつながることを期待しています。」
TANGOは、Leeds NHSトラストが運営する病院の臨床医及び研究者であるDavid Brettle教授、Darren Treanor教授、Catriona Dunn博士らによって開発されました。その背景には、世界中の病理検査室で共通して抱える課題がありました。通常、病理診断の検査では、細胞を顕微鏡下で観察しやすくするために染色法が用いられます。しかし、わずかな染色のばらつきでも診断結果の解釈に影響し、AI解析ツールの機能を低下させます。TANGOは、この課題に対するシンプルでありながら極めて効果の高いソリューションです。染色時の品質管理指標として特別設計された参照スライドを備えており、検査におけるばらつきを低減し、一貫性のある結果を実現するとともに、より迅速で効率的ながん診断を支援します。
TANGOは、エプレディアが提供する包括的ながん診断ソリューションのポートフォリオにおいて最新ラインアップとなります。同ポートフォリオには、最大1,500枚の組織サンプルを1日で高解像度デジタル画像化できるE1000 DxTMデジタルパソロジーソリューションや検体管理と業務効率向上を支援するSlideMate™ レーザープリンターなどが含まれます。今回の提携は、Leeds NHSトラストのイノベーションとエプレディアの業界知見を結集し、より高い信頼性と一貫性を備えた技術を通じて患者さんケアの向上を目指すものです。
NPICは、リーズ大学での初期研究を基盤として、TANGOの開発初期段階から重要な役割を果たしてきました。そして、実用可能な製品へと発展させるとともに、実際の病理診断の現場においてその有用性を実証してきました。
エプレディアは2026年後半より、TANGO技術を組み込んだ新たな病理用スライドガラスの開発・導入を開始する予定です。また、本提携を通じて英国Leeds地域における医療イノベーション活動への投資を通じてNHSトラストに投資収益をもたらすとともに、製品開発、検証および事業化を支援する専門職の雇用創出も見込まれています。
ウェスト・ヨークシャー広域自治体の市長を務めるTracey Brabin氏は、次のように述べています。
「欧州最大級の教育病院の一つを擁し、300社を超える企業ネットワークと1億6,000万ポンド規模の投資ゾーンを有するウェスト・ヨークシャーは、ヘルスイノベーションを牽引する世界的な拠点です。これは、世界をリードする病院、大学、そして企業が連携し、患者さんケアを向上させる革新的な技術開発をいかに推進しているかを示す、素晴らしい事例です。こうした取り組みは、患者さんのケア向上と地域住民のための高度な技能を要する雇用の創出につながっています。私たちは、ヘルステック・クラスター・プランとビジネス・グロース・ハブを通じて、ウェスト・ヨークシャーでイノベーターが事業を立ち上げ、成長し、成功できるよう支援しています。そして、より強く、より豊かな地域づくりを進めています。」
Leeds Teaching Hospitals NHS Trust について
Leeds Teaching Hospitals NHS Trustは、英国で最も規模の大きな急性期病院トラストの一つであり、英国内でも有数の医療提供実績を有しています。リーズ地域の中核医療機関として地域住民に医療サービスを提供するとともに、ヨークシャー・アンド・ハンバー地域および英国国内外の患者に対して専門医療サービスを提供しています。
当トラストは、地域住民が国内最高水準の医療へアクセスできる環境を整備し、包括的かつシームレスな医療サービスの提供に取り組んでいます。
また、医学部生、看護学生および歯学部生の教育・研修において重要な役割を担うほか、世界水準の研究、イノベーションおよび先進医療の開発を推進する研究拠点としても高く評価されています。
Leeds Teaching Hospitals NHS Trustの年間予算は21億ポンド超にのぼります。2025年度には、約180万件の医療サービスを提供し、その内訳は入院患者約109,000件、外来受診約130万件、救急外来受診約359,000件でした。
当トラストは5つの拠点に所在する7つの病院で構成されており、高度専門医療と統合医療における卓越した医療提供を目指す共通のビジョンのもと運営されています。
詳細はウェブサイト(英語のみ)をご覧ください。URL: www.leedsth.nhs.uk
National Pathology Imaging Co-operative (NPIC)について
National Pathology Imaging Co-operative(NPIC)は、デジタルパソロジーおよびAI技術の研究開発と社会実装を推進するために設立されたNHSトラスト主導のプログラムです。NHS機関、大学、民間企業が連携し、診断精度の向上と患者アウトカムの向上を目指しています。
Epredia Holdings Ltd. (エプレディアグループ)について
Eprediaは、グローバルに展開する日本発のヘルスケア企業であるPHCホールディングス株式会社(証券コード 6523 東証プライム)とその傘下の事業会社を総称するPHCグループのメンバーです。当社は、2019年にPHCホールディングス株式会社によるThermo Fisher Scientific, Incの病理事業の買収によって誕生した、病理学・組織学・細胞学の領域で用いる機器・消耗品など、包括的なソリューションを提供するグローバルリーダーです。85年以上にわたって業界のパイオニア、イノベーター、優れた基準の象徴として信頼されてきた主要ブランドのErie、Menzel、Microm、ShandonおよびRichard Allaenを擁し、精緻ながん診断を行うためのソリューションを提供しています。世界中の患者さんのがん診断を強化することで生活を豊かにすることをミッションとして米国、英国、イタリア、フランスおよび中国にある主要拠点で、約1,200人の従業員が働いています。
Eprediaおよびその製品に関する詳細情報については、下記のウェブサイトをご覧ください。
URL: www.epredia.com(日本専用サイト: www.phchd.com/jp/epredia)
PHCホールディングス株式会社(PHCグループ)について
PHCホールディングス株式会社(証券コード 6523 東証プライム)は、健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献することを経営理念に掲げるグローバルヘルスケア企業です。傘下にPHC株式会社やアセンシア ダイアベティスケアホールディングス、エプレディアホールディングス、株式会社LSIメディエンス、ウィーメックス株式会社、メディフォード株式会社などを置き、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの事業領域において、開発、製造、販売、サービスを行っています。2025年度のグループ連結売上収益は3,644億円、世界125以上の国と地域のお客様に製品・サービスをお使いいただいています。PHCグループはPHCホールディングス株式会社とその事業会社の総称です。
https://www.phchd.com/jp