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診療報酬・調剤報酬 薬剤師 薬局経営者 2026.03.19 公開

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令和8年度診療報酬改定の個別改定項目を解説!薬局経営に影響のある項目は?

令和8年度の診療報酬改定における個別改定項目が発表されました。今回の改定では、医療従事者の賃上げや物価高騰への対応など、経済的な課題への対策が盛り込まれています。また、医療DXの推進や対人業務の評価など、質の高い医療提供に向けた評価の拡充も重視されています。人材確保や安定した経営を実現するため、今回の改定に柔軟に対応する必要があるでしょう。本記事では、薬局経営・運営に関わる主な改定項目や対応策について解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

#医療政策

目次

本体の改定率は+3.09%と大幅アップ

厚生労働省が公表した個別改定項目から、薬局経営に影響すると考えられる内容を解説します。今回の改定では、主に以下の点が重視されました。

  • 医療従事者の処遇改善や物価高への対応
  • 地域支援機能の評価と立地要件の適正化
  • 医療DXの推進と医薬品供給体制の整備
  • 在宅業務への参画促進と多職種連携

それぞれの詳細を確認し、今後の対策に向けた準備を始めましょう。

令和8年度診療報酬改定の個別改定項目を解説!薬局経営に影響のある項目は?
出典:厚生労働省「個別改定項目について」(https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001646857.pdf

医療従事者の処遇改善・物価高への対応

今回、物価高騰や賃上げに対応するため、以下の表のような改定が発表されました。

項目名 改定内容 概要
調剤ベースアップ評価料 新設 薬剤師や事務職員の賃上げを直接支援するための評価。
調剤物価対応料 新設 光熱費や医薬品配送コストなどの物価高騰に対応するための評価。
調剤基本料 引き上げ 薬局の基本的な運営コストの上昇に伴い、点数を全体的に引き上げ。

昨今の物価上昇や人材確保の難しさを背景に、医療従事者の賃上げや薬局の経営基盤強化などを目的とした点数が新設されました。

まずは、調剤ベースアップ評価料の新設です。これは薬剤師だけでなく事務職員の賃金引き上げも対象としており、現場の処遇改善を直接支援する仕組みになっています。令和9年6月には更なる点数の引き上げも予定されており、国が賃上げを推進している姿勢がうかがえます。

また、光熱費や医薬品配送コストなどの物価高騰に対応するため、調剤物価対応料も新たに設けられました。これは3ヶ月に1回算定できるという特殊な形態で、薬局の運営コストの上昇分を補填することが目的とされています。これらのような支援は、薬局が安定して地域医療を支え続けるために重要な要素となるでしょう。

さらに、調剤基本料も全体的に引き上げられる見込みです。これらの改定は、薬局経営におけるコスト増加分を補填し、職員が安心して働ける環境を整えるための重要な措置と考えられます。各薬局で算定要件を確認し、算定に向けて準備を進めましょう。

調剤基本料1~3の評価厳格化・地域支援体制の再編

地域支援機能の評価や立地要件については、以下の表のような見直しが行われました。

項目名 改定内容 概要
調剤基本料1〜3の要件 厳格化 医療モールや特定の医療機関への依存度が高い薬局の要件を厳しく見直し。
都市部新規開局の規制 新設 薬局の乱立を防ぐため、特定の地域での新規開設に対して要件を設定。
地域支援・医薬品供給対応体制加算 新設 夜間・休日対応や麻薬の備蓄など、地域の医薬品供給拠点を評価(薬局向け)。
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算 新設 地域の薬局と連携し、医薬品の安定供給に協力する体制を評価(医療機関向け)。
地域支援体制加算 再構築 患者への継続的な関わりをより重視し、算定要件を整理・統合。
特別調剤基本料A 見直し 敷地内薬局などに対し、医療機関との独立性を評価する要件を変更。

薬局の立地や機能に応じた評価が見直されることになりました。特定の医療機関からの集中率が高い薬局や、医療モールに含まれる薬局などに対し、調剤基本料1~3の要件が厳格化される予定です。これにより、実質的な減算対象となる薬局が増える可能性があります。

また、都市部における薬局の乱立を防ぐため、都市部で新規に指定を受けた保険薬局に対する規制も注目すべき点です。特定の地域で新規に指定を受ける場合、近隣の既存薬局との距離制限や機能要件などが設けられる見込みです。要件を満たさない場合は調剤基本料が低く抑えられるため、今後の出店戦略に影響を与えると考えられます。

一方、地域医療への貢献は高く評価される傾向にあります。具体的には、薬局向けの地域支援・医薬品供給対応体制加算に加え、医療機関向けの地域支援・外来医薬品供給対応体制加算が新設されました。これらは、災害時や医薬品の供給不足時などに備え、近隣の薬局や医療機関と連携して医薬品を融通し合う体制を評価するものです。

地域支援体制加算の再構築も行われました。夜間・休日対応や在宅実績などの要件が整理・統合され、地域医療への貢献実績がより厳格に評価されます。さらに、医療機関と不動産の賃貸借関係にある薬局や敷地内薬局などに関連する特別調剤基本料Aも見直しが行われました。医療機関との独立性が改めて問われる内容となります。薬局は単なる門前ではなく、地域に必要な機能を備えた拠点としての役割を果たす必要があるでしょう。自局の機能を見つめ直し、体制を整える準備が求められます。

医療DXの推進と医薬品供給体制の整備

医療DXの推進や医薬品の安定供給に向け、ICTの活用がさらに重視される予定です。マイナ保険証や電子処方箋などの普及に伴い、以下の表のような見直しが行われます。

項目名 改定内容 概要
電子的調剤情報連携体制整備加算 新設 医療 DX 推進体制整備加算と医療情報取得加算を統合・再編。マイナ保険証や電子処方箋などの活用体制を評価。
医療情報取得加算 廃止 電子的調剤情報連携体制整備加算に組み込まれる形で廃止。
バイオ後続品調剤体制加算 新設 バイオ後続品(バイオシミラー)の使用促進に向け、薬局における調剤体制や使用実績を新たに評価。
特定疾患療養管理料など(医療機関側) 見直し 長期処方やリフィル処方箋の活用に向けた患者への周知を新たな算定要件として追加。

従来の医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算が再編され、電子的調剤情報連携体制整備加算として一本化される見込みです。これはシステム導入だけでなく、実質的な活用実績を評価する方向へ転換されます。

また、医療費適正化の観点からバイオ後続品調剤体制加算が新設されました。バイオ後続品(バイオシミラー)の使用を促進するため、薬局でのバイオシミラーの調剤体制や使用実績などが評価される予定です。さらに、医療機関で算定している特定疾患療養管理料などの要件が見直されました。長期処方やリフィル処方箋について患者さんに周知するという要件が追加になるため、薬局側でも柔軟に対応できる体制整備が求められます。

在宅業務への参画促進と多職種連携

高齢化に伴い、在宅医療における薬剤師の役割は拡大しています。今回の改定では、以下の表のように、より質の高い訪問薬剤管理を評価する項目が整備されました。

項目名 改定内容 概要
在宅薬学総合体制加算 見直し 無菌調剤や麻薬備蓄など、高度な在宅医療体制をより厳格に評価。
訪問薬剤管理医師同時指導料 新設 医師の訪問診療に同行し、連携して薬学的管理や指導を行った場合に算定。
複数名薬剤管理指導訪問料 新設 暴力行為や著しい迷惑行為など困難な事例に対して、複数名の薬剤師が訪問・対応した場合に算定。
在宅患者訪問薬剤管理指導料 要件緩和 単一建物診療患者の区分見直しや訪問回数制限の緩和など、薬局の在宅業務への参画を促進。

まず、在宅薬学総合体制加算が見直され、高度な在宅医療に対応できる体制が厳格に求められます。具体的には、無菌調剤や麻薬備蓄などの実績が評価されるようになる予定です。また、現場のニーズに応える形で訪問薬剤管理医師同時指導料や複数名薬剤管理指導訪問料が新設されました。医師との同行や複数名での訪問が可能になるため、患者さんの安全確保や多職種連携が強化されるでしょう。

さらに、在宅患者訪問薬剤管理指導料では、単一建物診療患者の区分見直しや訪問回数制限の緩和が行われました。具体的には、同一建物内の患者数10人以上の区分が、10~19人・20~49人・50人以上と細分化される予定です。一方、麻薬を使用する患者さんや医療的ケア児などの訪問回数の上限が、従来の月4回から月8回へと拡大されます。これにより、同一建物内の大人数への対応は適正化される一方、頻繁な介入が必要な患者さんへの対応は手厚く評価されます。

業務の実態に合わせた柔軟な算定が可能になるため、在宅医療への積極的な参画を後押しする改定といえるでしょう。

まとめ

令和8年度の診療報酬改定は、物価高騰や賃上げへの対応で経営の基盤を支えつつ、薬局の機能や立地に対して、成果や実態を厳しく問う内容となりました。特に、特定の医療機関に依存する経営モデルからの脱却と、地域医療のインフラとしての機能強化が明確に促されているといえるでしょう。

今後の薬局経営では、立地の優位性よりも「何ができるか」という機能性が重視されると考えられます。具体的には、医療DXによる業務効率化を進め、そこで生み出された時間を対人業務や高度な在宅医療、災害時の連携体制構築などに充てることが求められます。加算の算定要件を満たすだけでなく、地域の中で真に必要とされるかかりつけ機能を磨き上げるのが、安定した経営を継続する鍵となるでしょう。

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今後も確定情報が開示され次第、順次記事として配信していく予定です。最新情報を逃さないよう、ぜひご活用ください。

著者情報

飯田 慎也

飯田 慎也

調剤薬局チェーンで11年間勤務している現役薬剤師。医学博士。
「難しい医療情報をわかりやすく」をモットーに、現在は医療・美容・健康分野を中心にコラムを作成。現場で培った患者対応の経験と、博士課程で磨いたリサーチ力を掛け合わせ、信頼できる情報発信を行っている。
著書『薬局DX―業界標準の指南書』(秀和システム新社、共著))


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