ガバナンスの取り組み

社外監査役メッセージ

シャノン・ハンセン

シャノン・ハンセン監査役(独立社外監査役)

PHCグループの更なる成長に向けた
社内外の取り組みと人財への継続投資が重要

世の中の競争が激化し複雑さも増す中、PHCグループが成長を加速させるためには、社内外の様々な取り組みと人財への継続的な投資が不可欠です。
成長は私たちにとっての生命線です。成長とは、市場拡大や収益性の向上を目指すだけでなく、常に変化し続けるヘルスケア業界のニーズに対応し、組織の活力も高め続けることを意味します。成長投資により、コア・コンピタンスの強化やイノベーションに繋がり、競争力も向上します。また、技術力の強化や業務効率の改善、より良い製品を提供し続けることもできます。

一方、社外への取り組み、特に戦略的パートナーシップは、新たな市場進出に留まらず、最新動向や顧客ニーズに関する貴重な知見や洞察が得られます。こうした投資によって、PHCグループはヘルスケア業界の牽引役を担うことができるのです。

しかし、成長戦略の要は、大切な資産である人財への投資です。継続的な学習と能力開発によって、従業員が革新性、創造性、卓越性を発揮できる環境を醸成します。また、人財への投資を重視することは、組織の価値観も反映しています。従業員の成長を支えることは、お互いが信頼し尊敬できる企業文化を築き、従業員に選ばれる企業として評判を高め、グループ全体の好業績に繋がります。
成長の原動力となる取り組みと人財への投資は、私たちのコミットメントでもあります。こうした投資を継続することは、PHCグループの持続的な成長とヘルスケア業界の発展に極めて重要であると確信しています。

私は、戦略的洞察やリーダーシップ、ESG、リスク管理、ガバナンスの専門知識と経験を活かし、PHCグループの持続可能性、ガバナンス、そして各事業の成功を支援し、長期的な成長と確かな社会への貢献に取り組んでいきます。

北川 哲雄

北川 哲雄監査役(独立社外監査役)

強固なガバナンス体制のもとで、
「技術と革新の全てを、世界の人々の健康のために」
を実現するため、高い目標を掲げて挑戦する

当社の収益は、地域別には55%が海外市場、事業別では3つの事業セグメントがいずれも30%以上の構成を持ち、バランスよく多角化しています。これは過去8年にわたり国内外で重要なM&Aを続けてきた成果です。

当社は、高い目標を掲げて常に挑戦し続けていく企業文化を持っています。中期経営計画VCPでは、2022年度から2025年度で2,000~2,500億円の営業キャッシュ・フローを見込んでおり、このうち1,000~1,300億円をM&Aを含む事業投資に充てていく計画です。VCPの策定過程では、多くの社外取締役から事業環境の変化や将来のリスクについて多くの指摘がなされ、計画に織り込まれました。

当社は投資案件を慎重に検討します。取締役会では、投資案件について非常に活発な議論が行われ、執行側の熱い想いが伝わってくると同時に、希望的観測に基づいた見立てには社外取締役から鋭い意見が多く出ます。次の取締役会に持ち越すことも珍しくなく、執行側で再度熟慮され、投資計画が補強され、次の取締役会で再度審議されます。昨今は不確実性が高く、これほどの議論と熟慮を重ねても、投資の意思決定時点では予測しえなかった環境変化等により、業績が事業計画を下回ることがあります。原因分析・改善策策定を経てもなお当初計画までの回復が見込めないと判断されれば、高い規律をもって躊躇なく減損処理をしています。

当社の重要な課題は、何よりもVCPを着実に実行し、事業投資を通じて資本コストを上回る利益を上げていくことです。着実に利益を積み上げ、継続的な増益が可能な企業体質を作り上げることが当社の将来成長への信頼醸成に繋がると考えています。
ステークホルダーの皆様、企業理念と中長期的な経営戦略を軸とした当社の骨太な経営の邁進にご期待ください。

(統合報告書 2023)