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診療報酬・調剤報酬 医師 事務長 2026.06.04 公開

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【2026年度改定対応】地域包括診療加算の算定ポイントを解説!

2026年度診療報酬改定で、地域包括診療加算は大きく見直されました。認知症地域包括診療加算との統合・再編や対象の患者さんが拡大し、算定対象外と判断していた患者さんが対象となるケースも生じています。改定の概要は把握したものの、実際に何を準備すればよいかわからないと感じている院長先生や事務スタッフも多いのではないでしょうか。本記事では、2026年度改定の変更点を整理したうえで、施設基準・算定要件の確認方法から同意書作成・研修受講まで、算定に向けて必要な準備を体系的に解説します。クリニックの算定体制を整えるうえで、参考になさってください。

※本内容は公開日時点の情報です

#医療政策

目次

地域包括診療加算とは?あらためて確認したい基本事項

地域包括診療加算とは、高血圧症・糖尿病・脂質異常症・慢性心不全・慢性腎臓病・認知症といった慢性疾患をもつ患者さんに対し、かかりつけ医が継続的・包括的な指導や服薬管理を評価する、再診料への加算です(クリニックのみ対象)。地方厚生局への施設基準を届出し、要件を満たしたクリニックが再診時に算定できます。

【2026年度改定対応】地域包括診療加算の算定ポイントを解説!

2026年度改定による地域包括診療加算に関する7つの変更点

2026年度診療報酬改定では、地域包括診療加算の対象範囲・点数体系・連携要件のいずれにも変更が加えられました。「改定前から算定しているから変更点は少ないだろう」と思われがちですが、対象患者さんの拡大や新加算の追加など、幅広く見直しがなされています。厚生労働省が示す7つの変更点を順に確認していきましょう。

2026年度改定による地域包括診療加算に関する7つの変更点
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要(医科)P178」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

①評価体系および対象患者の見直し

2026年度改定で、「認知症地域包括診療加算・診療料」は「地域包括診療加算・診療料」に統合されました。また、対象となる患者さんも追加されています。

①評価体系および対象患者の見直し
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要(医科)P179」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

点数自体は改定前の内容を引き継ぐ形で整理されています。なお、従来の算定対象(6疾病のうち2つ以上を有する患者)に加え、1疾病のみであっても介護保険受給中の患者さんであれば対象です。

「慢性疾患だけでは算定できない」と思い込んでいたケースでも、実際には算定できる可能性が広がりました。既存の患者リストを改定後の要件で再確認すると、算定機会が広がるでしょう。

②連携薬局の要件見直し

従来は院外処方を行う場合、24時間対応体制の連携薬局との連携が一律に必要でした。2026年度改定では、緊急時に処方が必要となる解熱鎮痛剤等について院内処方が可能な体制を整備しているクリニックに限り、連携薬局の24時間対応体制がなくてもよいとされました。

②連携薬局の要件見直し
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要(医科)P180より抜粋して掲載」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

院内処方体制の有無によって連携薬局への要件が変わるため、今一度自院の処方体制と照らしあわせて、要件に合致するかどうかご確認ください。

③認知症患者さんへの診断後支援の推進

2026年度改定では、担当医が地域包括支援センター・認知症地域支援推進員・若年性認知症支援コーディネーターと連携するよう望ましい旨が新たに明記されました。

③認知症患者さんへの診断後支援の推進
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要(医科)P180より抜粋して掲載」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

必須要件ではなく努力義務の位置づけですが、カルテ記載や患者さん・ご家族への声かけフローを整備しておくと、今後の要件強化にも対応しやすくなるでしょう。

④薬剤適正使用連携加算の見直し

薬剤適正使用連携加算は、従来、他の保険医療機関に入院または介護老人保健施設に入所した患者さんだけが算定対象でした。2026年度改定では、他の保険医療機関の外来において継続的に診療を受けている患者さんも対象に加わりました。

④薬剤適正使用連携加算の見直し
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要(医科)P181より抜粋して掲載」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

処方内容・薬歴等に基づく相談・提案をほかの医療機関に実施し、薬剤種類数が減少した場合に算定できます。対象患者さんの拡大により、算定機会が広がったといえるでしょう。

⑤医療資源の少ない地域への医師配置要件の緩和

医療資源の少ない地域に該当するクリニックは、医師の常勤換算人数の要件が「2名以上」から「1.4名以上」に緩和されました。

対象地域は以下資料のとおりです。

⑤医療資源の少ない地域への医師配置要件の緩和
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要(医科)P159」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

本要件の緩和により届出が可能になるケースもあるため、自院の所在地が該当するかあらためて確認されるとよいでしょう

⑥外来データ提出加算の新設

診療報酬の請求状況・治療管理の状況等のデータ(届出が必要)を継続して厚生労働省に提出している場合に、月1回・10点を加算できる「外来データ提出加算」が新設されました。

⑥外来データ提出加算の新設
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要(医科)P182」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

実際に算定できるまでには数か月単位要します。自院の現状をふまえ、届出スケジュールは早めに把握しておきましょう。

なお、「外来データ提出加算についてまとめた記事」も用意しているため、あわせて参考になさってください。

⑦残薬対策・服薬管理等に係る要件の見直し

2026年度改定では、診療の際に患家における残薬を確認したうえでの適切な服薬管理が算定要件として明記されました。また、算定患者さんへの処方薬を把握・管理する手段の一つとして、電子処方箋システムの活用が含まれることも明確化されています。

⑦残薬対策・服薬管理等に係る要件の見直し
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要(医科)P230より抜粋して記載」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

電子処方箋を活用することで他院での処方内容をリアルタイムに確認でき、診療録への記載業務の効率化が図れます。電子処方箋システムを導入していない場合は、患者さんやご家族からの聴取・お薬手帳の確認等による把握とカルテ記載が引き続き欠かせません。

なお、電子処方箋導入マニュアルも用意しているため、この機会に準備を進める際には参考になさってください。

電子処方箋導入マニュアルをダウンロードする(無料)

地域包括診療加算の算定に向けて必要な準備

地域包括診療加算の算定に向けて、担当医の研修受講と同意書の整備が欠かせません。算定開始までに完了している状態が前提となるため、早めの着手が功を奏します。

研修要件と受講方法

地域包括診療加算の算定には、慢性疾患の指導に係る適切な研修を修了した担当医の配置が必要です。研修は継続的に2年間で通算20時間以上の受講が求められています。たとえば、日本医師会が実施する「かかりつけ医機能研修制度」などです。

出典:厚生労働省「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第7号)P26~28」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html

なお、2026年度改定で「認知症に係る研修修了が望ましい」との要件が施設基準(加算1)に追加されました。必須ではないものの、算定を目指す場合は認知症関連研修の受講もあわせて検討されるとよいでしょう。

研修は受講スケジュールが限られているため、早めに情報を収集し準備を進めてください。

参考:日本医師会「日医かかりつけ医機能研修制度」(https://www.med.or.jp/doctor/kakari/

同意書作成のポイント

地域包括診療加算の初回算定時に患者さんの署名付き同意書を取得し、カルテに添付する必要があります。参考様式として厚生労働省は「別紙様式47」を示していますが、自院で作成したものでも同様の内容が含まれていれば問題ありません。

【別紙様式47】

同意書作成のポイント
出典:厚生労働省「地方厚生局別紙様式47」(https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/iryo_shido/documents/47.docx

なお、直近1年間に4回以上の受診歴がある患者さんは、同意手続きを省略できます。省略する際は、別紙様式47を参考に診療の要点を説明する形となるため、テンプレートや定型文など、抜け漏れのない工夫を施しておくと安心です。

また、2026年度改定での署名・押印の簡素化ルールが反映されているため、院内での署名方法の取り扱いもあわせて確認しておきましょう。

出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要(医科)P137」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

地域包括診療加算の算定をサポートする製品のご紹介

地域包括診療加算の算定では、他院受診状況や処方薬の把握、患者さんの同意書管理など、日々の運用で留意すべき事項が複数あります。対象患者さん拡大に伴い、算定に関する負担はできるだけ重くならないようにしたいものです。

ウィーメックスが提供している「Medicom クラウドカルテ」は、完全クラウド型として導入費用をおさえながら算定面に強く、カルテ記載のタイミングで算定のチェックもできる特長を有した製品です。

導入されたクリニックからは「診療で一人の患者さんが終わった後の会計画面で、算定できるコストを選べるというのは便利」と評価する声を頂戴しています。

より診療に集中いただける環境構築を下支えする「Medicom クラウドカルテ」の製品詳細と導入事例をそれぞれのページにまとめております。情報収集の1つとしてご活用ください。

「Medicom クラウドカルテ」の製品詳細を確認する

「Medicom クラウドカルテ」の導入事例を確認する

地域包括診療加算に関してよくある質問

地域包括診療加算の算定にあたりよくある疑問を以下に整理します。なお、今後公表される疑義解釈の内容によっては算定条件が変わる可能性があるため、随時厚生労働省の最新情報をご確認ください。

外来データ提出加算の併算定はできる?

併算定は可能です。地域包括診療加算と外来データ提出加算はいずれも届出が必要ですが、両方の届出がなされていれば同じ患者さんでも算定できます。

出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)医科診療報酬点数表 P6」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html

高血圧症+高コレステロール血症で算定は可能?

算定できます。算定対象となる6疾病に脂質異常症が含まれており、高コレステロール血症は脂質異常症に該当します。高血圧症と脂質異常症の2疾病をもつ患者さんは「慢性疾患等を有する患者」として、問題なく加算の対象となるでしょう。

出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)(令和8年3月5日保医発0305第6号)(0501訂正後)医科診療報酬点数表に関する事項P15~16」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html

算定要件の研修とはどのような内容?

「慢性疾患の指導に係る適切な研修」として、継続的に2年間で通算20時間以上の受講が必要です。日本医師会が実施する「かかりつけ医機能研修制度」が該当し、e-ラーニングを含む研修会も対象となります。

研修のスケジュールは年度ごとに設定されているため、早めの情報収集と計画的な受講が推奨されます。

出典:日本医師会「よくある質問Q&A「地域包括診療加算・地域包括診療料関連」」(https://www.med.or.jp/doctor/iryo/qa/012672.html

まとめ

2026年度診療報酬改定による地域包括診療加算の見直しは、対象患者さんの拡大・認知症加算との統合・新加算の追加と広範にわたります。「改定前から算定している」クリニックでも、対象患者さんの再確認や新加算の届出検討など、一度再確認されるとよいでしょう。

まずは、施設基準・算定要件の確認や運用フローの整備から始めてみてはいかがでしょうか。2026年度改定に関するセミナーや解説資料も、あわせてご活用ください。

2026年度改定「個別改定項目」セミナーを視聴する

2026年度改定「改定ポイント」解説資料を閲覧する

著者情報

武田 直也 様

フリーランスWebライター。18年間、医療事務として合計3つの医療機関に従事。診療報酬をはじめ、診療情報管理士の資格を活かしたカルテ監査やDPCデータ分析、クリニカルパスなどの医療情報利活用に精通している。


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