《ここがポイント!》
- 厚労省は「新たな地域医療構想等に関する検討会」で、現行の病床機能報告に加え、「医療機関機能」の報告を新たに求める案を提示し、了承された。
- 新制度では、高齢者救急の受け皿や在宅医療支援など6つの機能カテゴリーを設定。医療機関の地域での役割明確化が狙い。また、必要病床数の推計に関する病床機能区分は従来の4区分を維持し、診療実績データをベースに算出する方針。新制度の詳細は年末までに決定予定。
~新たな地域医療構想等に関する検討会(第8回 9/6)《厚生労働省》~
厚生労働省は6日、「新たな地域医療構想等に関する検討会」を開催し、これまでの病床機能に加え、「医療機関機能」の報告を新たに求める案を示し、おおむね了承された(資料P34参照)。報告の具体的な内容や、報告を求める医療機関の範囲などは今後詰める。医療機関自体の機能の報告を求めることで、地域での役割を明確化する狙いがある。
厚労省が示した「医療機関機能」のイメージは、▽高齢者救急の受け皿となり、地域への復帰を目指す機能▽在宅医療を提供し、地域の生活を支える機能▽救急など急性期の医療を広く提供する機能▽医師の派遣機能▽医育機能▽より広域な観点で診療を担う機能-の6つで、これらの複数の機能の報告も可能とする(資料P36参照)。報告内容などの詳細を年末までに固める。
現行の病床機能報告制度では、一般病床か療養病床を持つ病院や診療所は自院が担う医療機能として「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4つの病床区分の中から1つを自主的に選択し、都道府県に病棟単位で報告している。
ただ、高度急性期と急性期や急性期と回復期の機能の違いが分かりにくいことや、25年の地域医療構想を策定した後に急性期と回復期双方の機能を持つ地域包括ケア病棟や地域包括医療病棟が新設されたことなど、課題が生じていた(資料P34参照)。
そのため厚労省は、40年ごろの増加が見込まれる高齢者救急の受け入れや、救急・急性期医療の提供を広く行う医療機関機能を明確にした上で、従来の病床機能とは別に報告を求めることにした。
厚労省はまた、新たな地域医療構想での必要病床数の推計に係る病床機能区分について、これまでと同様に高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4区分とした上で、基本的に診療実績データをベースに推計する案も示し、了承された。
新たな地域医療構想の運用は27年度に始まることになっており、検討会では今後、在宅医療や外来医療、介護との連携、構想区域、地域医療構想調整会議、医師偏在是正対策などのテーマごとに議論し、年内に取りまとめを行う(資料P38参照)。
(資料公表日 2024-09-06/MC plus Daily)
資料:入院医療について(厚生労働省)
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