閉院の理由(1)
閉院の理由の記事について

現在、医療業界でも高齢化が進んでいる話は別記事「無床診療所の閉院数と院長の平均年齢について」でご紹介しましたが、なぜ閉院に至るのかについて、『閉院の理由シリーズ(1~5)』でご紹介します。
実際の統計やデータなどファクトベースで情報を載せていますので、これらの記事から閉院の理由を知ることで、先々でどういったリスクや問題があるか把握できます。
本シリーズで、少しでも皆様が望まない閉院を回避することに役立てられれば幸いです。
閉院理由(1)
閉院時の年齢割合になりますが、約4分3が60代以上の閉院となっています。
とはいえ、計画的な閉院や個人事業主の場合は事業承継でも一度廃業手続き行う形になるので、全てがマイナス的な意味ということではありません。
こちらは岐阜県保険医協会が2008~2017年の10年間に死亡退会した85人について、死亡時年齢について調査したものです。
内訳は、医科会員が60人、歯科会員が25人の調査になりますが、集計の結果としては、60代の死亡数が比較的多く、厚生労働省の人口統計にある全国民の死亡時平均年齢と比較すると明らかな開きがあることがわかります。
上記は地域の特性やいろいろ条件がある場合があるため、あくまで参考値になりますが、 様々な地域の開業医の方とこのお話をしても、上記の集計と同様に、周りの診療所も院長が60代で急な体調不良等で閉院になることが多いというお話をよく聞きます。
集計上でも実際のお話でも確かに確認できることから、過去の過労等様々な要因はあるかと思いますが、60代以上から閉院リスクが非常に高くなるということがわかると思います。
また、逆に見方としては、体力の続く限り続けたい又はなかなか承継したくてもできないなど様々な理由から現役を続ける先生が多いということもわかると思いますが、 弊社の過去のお問い合わせを見るとクリニックを運営していた最中で突然やむを得ず休診・廃業にせざるを得ないというケースが多いです。
本記事に続く内容として、次の記事「閉院の理由(2)」では、引退時期(経営している医院をどうするか)について考えいているか、また考えない場合は閉院に至ってしまうという点についてご紹介します。