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薬局経営 薬剤師 薬局経営者 2021.04.09 公開

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中小調剤薬局ができる薬価差益の確保対策

※本内容は公開日時点の情報です

#業務効率化 #事業計画

中小調剤薬局ができる薬価差益の確保対策

 薬価改定が行われる度に、薬価差益が減っています。売上を構成する大きな要素であった薬価差益が減る事で、薬局の経営が厳しくなってきた感じている経営者も少なくありません。かつて薬価差益が30%以上出ていた店舗もありましたが、現在では数%の薬価差益しかでていない店舗もあります。数店舗経営の会社だと卸業者との価格交渉も難しいため、薬価差益は諦めているという場合もあります。
 しかし、薬価差益を確保するための対策が無いわけではありません。今回は中小調剤薬局ができる薬価差益の確保対策について解説していきます。

薬価差益とは

 薬価差益とは、薬価と仕入れ価格の差によって生じる利益のことを言います。
 注意点としては、医薬品卸会社から仕入れる際の値引き率は消費税が加味されてません。そのため例え20%引きで仕入れていたとしても実際の差益は消費税率10%を差し引いた残りの10%となります。この二大要素の合計が薬局の売り上げとなります。とはいえ、毎年のように薬価改定があったり、消費税の増額があったりするため、大きな薬価差益は見込めないのが現実です。

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薬価差益が減少する時代背景

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 近年では、薬価は、毎年のように見直しが行われるたびに引き下げられています。そのため医薬品卸の経営が圧迫されており、その影響で薬価差益も減ってきているという状況があります。個人薬局が医薬品卸に対して強気に価格交渉を行うことも難しくなってきました。医薬品によっては『逆ザヤ』といって、薬価よりも購入価格が高くなるものもあります。
 医薬品卸は、厳しい状況の中で売上を確保するために流通の仕組みを変化させていっています。例えば、電話によるサポート対応の縮小や配送回数の減少です。特に経営への影響が大きかった変化は、医薬品の小分け販売サービスからの撤退です。小分け販売サービスがなくなることは、小ロットでの医薬品購入ができなくなるため、在庫管理が難しくなるなどの影響が出ました。

薬価差益確保のためにできる3つの対策

 このような状況で薬価差益を確保する対策について紹介します。

①在庫管理の徹底

 まずは在庫管理の徹底が重要です。毎月の薬剤使用料と薬剤購入料の差が大きくならないように発注量の調整や不動在庫を極力置かないなど、余分な在庫を抱えないための工夫をしていきます。不動在庫を定期的に確認し、期限切れを起こさないことも重要です。

②医薬品不動在庫(デッドストック)の売買

 在庫管理の徹底を行ったとしても、一定の不動在庫(デッドストック)が出てしまいます。ここで重要なことは、医薬品がデッドストックとなってしまったことにいち早く気づき、薬局間の薬の売買サポートサービスなどを活用し、早めに売却することをおススメします。
 医薬品には消費期限があり、期限が近づけば近づくほど価値が下がるため価格が落ちてしまいます。活用できるサービスは2種類あります。ひとつ目は、不動在庫を売りたい薬局と買いたい薬局をマッチングするサービス。取引は各薬局にゆだねられるケースが多いです。メリットは、交渉により価格が自由に決められることですが、デメリットは、各薬局と取引を行うため、都度手間がかかります。2つ目は、一括で業者に買取をしてもらう方法です。メリットは、売りたい薬局においては一括で現金化できることですが、価格が安くなる傾向があります。場面や状況に応じて使い分けていきましょう。

③共同購入への参加

 共同購入とは、薬局と医薬品卸との間に別の会社が入り価格交渉などをしてくれるシステムのことです。卸業者と薬局の関係はそのままで、共同購入のグループに入る事が可能な場合もあります。薬局経営にとって医薬品卸さんとのお付き合いはとても重要な要素です。関係性を維持しつつも、差益を確保していく事が大切です。
 メリットは、スケールメリットが出せない中小調剤薬局が仕入れ価格を安くできる事です。小規模の薬局でも交渉の手間なくそれに近い価格で取り引きできることは大きなメリットと言えます。一方、デメリットとしては、加盟するためには、加盟料や月額の手数料等がかかってくることです。購入する薬剤の種類などによっても割引価格が左右するため、手数料と確保できる差益を天秤にかけて考えていく必要があります。

 以上が薬価差益を確保するための対策についてでした。数字そのものは小さいものですが、積み重なる事で経営に大きな影響を及ぼします。しっかり対策をしていきましょう。

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