統合報告書 2026

Sustainability:役員一覧・役員メッセージ取締役からのメッセージ

当社の独立社外取締役は、日本及び海外の多種多様な企業経営における豊富な経験と高度な専門知識を有しており、PHCグループの持続的な成長に向けた監督と助言という重要な役割を担っています。本セクションでは、独立社外取締役3氏より、当社の強みと将来性、及び自身のスキル・経験をどのように経営の意思決定に活かしていくかについてメッセージをいただきました。

イヴァン・トルノスの写真

イヴァン・トルノス
取締役(独立社外取締役)

経営課題への助言と実践的な監督を通じ、透明性の高い経営体制を強化

PHCグループは、「中期経営計画2027」において、診断・ライフサイエンスドメインへの注力を通じた持続的な成長の実現を掲げています。この目標の達成に向け、当社は精緻な技術力とグローバルな事業基盤を活かし、さまざまな施策を実行していると認識しています。

一方で、社外取締役として現時点の経営課題を客観的に捉えると、①事業ポートフォリオの資本効率の一層の改善、②グローバル市場における環境変化への対応、③成長投資と財務規律の両立が重要な論点であると認識しています。

私はこうした課題に対し、(1)グローバル市場のベストプラクティスの導入、(2)資本効率を重視したポートフォリオ最適化、(3)施策の進捗を管理するKPIの設定という3つの視点から助言し、資源配分とガバナンスが両立する体制を独立した立場から監督しています。

中長期戦略においては、特に成長領域への投資判断の規律ある遂行と、その成果を測る定量的なモニタリングを注視しています。

経営陣には、変化する市場環境の下でも戦略の実行力を高め、投資回収の道筋を明確に示していただくことを期待しています。また、従業員の多様な声を取り入れ、革新的なアイデアが継続的に創出される企業文化となるよう、引き続き支援してまいります。

デイビッド・スナイダーの写真

デイビッド・スナイダー
取締役(独立社外取締役)

規律あるポートフォリオ管理強化と独立した監督機能による持続的価値の創出

PHCグループの取締役会では毎年、取締役会の実効性評価がなされ、議事運営の透明性や意思決定プロセスを定量指標で検証しつつ、国内外のガバナンス先進事例を取り入れながら改善を続けています。

社外取締役として、私は経営陣から独立した立場で、資本配分と事業ポートフォリオ管理強化に関する意思決定の妥当性と説明責任が確保されているかを継続的に検証しております。

2025年度は、「中期経営計画2027」が掲げる投資効率の重視とポートフォリオ管理強化が、実際の意思決定として結実した一年でした。

その象徴的な事例が、持続血糖測定(CGM)システム「Eversense®」の販売事業を、アセンシアから製造元であるSenseonics社へ譲渡することについての基本合意です。「Eversense®」の成長に伴い、アセンシアの主要事業である血糖測定(BGM)事業との乖離が拡大する中、開発・製造・販売を一貫した体制へ集約することが「Eversense®」の成長を最も加速させるとの判断に至りました。CGMはこれまで投資を行ってきた事業ですが、その効率を冷静に検証した結果の判断であり、規律あるポートフォリオ管理の実践例として評価しております。

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行本 閑人
取締役(独立社外取締役)

「理念と資本効率の両輪」を回し、現場と連動した公平なガバナンスで価値創造に貢献する

持続的な企業価値の向上には、企業が明確な目的や理念を有することと、市場への責任である「資本コストを上回る経営」の「両輪」が不可欠です。当社は「ヘルスケアの未来を切り拓く」というビジョンと、ROIC経営の導入により、この両輪を強く意識した経営を実践しています。

私はこれまでオムロン株式会社で欧州事業のV字回復など、現場変革を伴うROIC経営を実践してまいりました。現在はオムロン株式会社を含め複数社の取締役として指名・報酬委員会等に携わり、機関設計の進化など、実効性の高いガバナンス構築に努めています。

これらの執行と監督の経験から、いかに精緻な戦略も、顧客の価値を創る「現場」の実態や熱量と乖離していては決して機能しないと確信しています。

私は当社の社外取締役として、経営方針と現場の自律的な行動が連動しているか、その合理性を注視します。全てのステークホルダーへの「公平性」を重んじる客観的な視点から、理念と資本効率の両輪を回す経営を監督し、持続的な企業価値の創造に貢献してまいります。