■タイムリーな情報更新、便利な処方比較
雄一朗先生が電子薬歴システムの選択に当たって特に留意したのは、オンラインでの情報更新が迅速に行われるかどうかでした。「その点、『PharnesIII-MX』のネットワークサービスでは、法令改正時などの機能アップソフトや各種データベースをインターネット経由でタイムリーに更新できます。新しい情報が把握しにくいという不安がなくなりました」(雄一朗先生)
システム構成及び設置場所は、以下の通りです。サーバー本体を受付カウンターに設置し、事務員が処方箋の内容を入力。オプションの2次元コード入力ソフトを利用し、医療機関が発行する2次元コード付き処方箋の内容をハンディスキャナーで取り込んで頭書情報・処方内容を自動転記します。ハイブリッド対応タブレットPCを調剤室に設置し、患者の薬歴を迅速に確認。スリムタワー型のPCは投薬カウンターに置き、薬歴を入力。他に、薬袋を印字するプリンターと薬剤情報提供文書/領収書/医療費明細書を印字するプリンターを各1台設置しています。「一連の薬局業務がシームレスに行われ、1人の患者さんの情報を誰もが同時に確認・修正できるので、業務の効率化に大きく寄与しています」
機能面では、過去薬歴が簡単に確認できる点を評価しています。薬歴表紙+監査情報+DSU(医薬品安全対策情報)と今回薬歴、過去2回分の薬歴が1画面で表示。処方比較では、今回処方と過去4回分の処方が1画面で表示され、「処方内容の変更がスピーディーに確認できます」(雄一朗先生)
■検査データのグラフ化、豊富なデータベース
「PharnesIII-MX」を販売する代理店のサポート体制も高く評価しています。「佐賀県南西部医療圏で地域中核病院の役割を担う国立病院機構嬉野医療センターがHb(ヘモグロビン量)、PT-INR(プロトロンビン時間国際標準比)、クレアチニン(腎機能)、HbA1c(グリコヘモグロビン)などの検査データを開示しているのですが、その検査項目の並び順が初期設定と違っていたのです。そこで、代理店に相談すると、担当者が素早くカスタマイズしてくれました。これらの各検査データの経時的変化をグラフにできる点も役立っています」(泰輔先生)
医薬品に関するデータベースでは、特に一般名データベース、添付文書PDFデータベース、OTC添付文書PDFデータベース、くすりのしおりデータベースを活用しているそうです。今後は、患者が待ち時間なしで薬を受け取れるスマート薬局機能も付いた電子版お薬手帳「ヘルスケア手帳サービス」(オプション)も活用したいとしています。