《ここがポイント!》
- 厚労省がマイナ保険証の7月利用率を11.13%と公表。前月比1.23ポイント上昇も、医科診療所では9.17%にとどまる。
- 12月の健康保険証新規発行終了を控え、低利用の医療機関への個別働きかけを強化。利用実績が著しく低い場合、療養担当規則違反の恐れがあると指摘。
- 一方で、「療養担当規則違反の恐れ」という表現は「威圧的」との声も上がり、丁寧な対応を求める意見も。患者の不安解消のための広報活動も計画中。
~社会保障審議会 医療保険部会(第181回 8/30)《厚生労働省》~
厚生労働省は、8月30日に開催された社会保障審議会・医療保険部会でマイナ保険証の7月の利用率が11.13%だったことを公表した(資料P2参照)。前月の9.90%から1.23ポイント上昇したが、現行の健康保険証の新規発行が終了する12月2日が迫り、同省では、利用実績が低い医療機関や薬局に個別に働き掛けるなど、利用促進を強化する(資料P8参照)。
厚労省によると、マイナ保険証の施設類型別の利用率は、7月は病院20.91%、歯科診療所15.93%、薬局10.93%、医科診療所9.17%だった。病院での利用率は前の月から1.72ポイント上昇して20%台に乗ったが、医科診療所では10%を割り込んでいる(資料P11参照)。
利用率が3%未満の病院が全体に占める割合は18.4%。これに対し、医科診療所は19.2%が3%未満だった(資料P12参照)。
働き掛けの対象には、マイナ保険証を実態として患者が使えない状態にある医療機関や薬局などを想定。地方厚生局が個別に事情を確認し、それらの医療機関や薬局がマイナ保険証の利用促進に当たって困っていることがあれば個別に支援する(資料P8参照)。
厚労省の担当者は「マイナ保険証の利用実績が著しく低い医療機関や薬局の中には患者がマイナ保険証を使う機会を奪っているものも考えられ、その場合は療養担当規則違反となる恐れがある」などと述べた。
一方、マイナカードにはプライバシー性の高い情報が入っていないことを呼び掛けるなど、患者の不安を解消するための広報も行う。
同部会で、大杉和司委員(日本歯科医師会常務理)は「療養担当規則違反になる恐れがあるという表現は、現場感覚としてやや威圧的な印象を受ける」などと述べ、厚労省側に丁寧な対応を求めた。
(資料公表日 2024-08-30/MC plus Daily)
資料:マイナ保険証の利用促進等について(厚生労働省)
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