#紙カルテの電子化 #システム入替 #開業検討 #機器選定ポイント
目次
電子カルテのシェア状況
2025年11月21日の中央社会保険医療協議会総会(第629回)で報告された医療DXの実施状況によると、電子カルテシステムの導入状況は、※病院77.7%・診療所71.0%でした。
※調査対象:保険医療機関のうち、医療 DX 推進体制整備加算を届出している診療所(電 子処方箋対応あり)から 500 件、医療 DX 推進体制整備加算を届出している 診療所(電子処方箋対応なし)から 500 件、同加算を届出していない診療所 から 1,000 件をそれぞれ無作為抽出した。また、急性期充実体制加算 1 又は 2 を届出している病院から 163 件を悉皆で抽出した。さらに、急性期充実体 制加算 1 又は 2 を届出していない病院のうち、医療 DX 推進体制整備加算を 届出している病院(電子処方箋対応あり)から 459 件、医療 DX 推進体制整 備加算を届出している病院(電子処方箋対応なし)から 459 件、同加算を届 出していない病院から 919 件をそれぞれ無作為抽出した。調査客体は合計で 4,000 件とした。


出典:厚生労働省「中央社会保険医療協議会 総会(第629回) 議事次第 令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和7年度調査)の 報告案についてP23・P24 」(https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001598457.pdf)より著者作成
政府は医療DX推進の一環として、2030年までにすべての医療機関への電子カルテ導入を目指す方針を掲げました。電子カルテ情報の標準化やクラウドベースの標準型電子カルテの開発も進められており、今後さらなる普及拡大が見込まれます。
適した電子カルテを選ぶには、シェアやランキングといった客観的なデータも参考にしながら、慎重に検討を進めるとよいでしょう。
電子カルテのシェアランキング
日経メディカルOnlineが2024年に実施した医師774人を対象とした調査「クリニック向け電子カルテの導入シェアランキング2024」は、以下のとおりです。
【電子カルテ導入シェアランキング2024】
| 順位 | メーカー名 | 製品名 | タイプ |
|---|---|---|---|
| 1位 | WEMEX | Medicomシリーズ | クラウド型/ハイブリッド型 |
| 2位 | エムスリーデジカル | M3 DigiKar | クラウド型 |
| 3位 | ダイナミクス | Dynamics | オンプレ型 |
| 4位 | ユヤマ | BrainBoxシリーズ | オンプレ型/クラウド型 |
| 4位 | ピー・エム・エル | Qualisシリーズ | オンプレ型/クラウド型 |
| 6位 | メドレー | CLINICS | クラウド型 |
| 7位 | DONUTS | CLIUS | クラウド型 |
| 8位 | 富士通Japan | HOPEシリーズ | オンプレ型/クラウド型 |
| 8位 | エムスリーソリューションズ | TOSMECシリーズ・Doctor`s Deskdop3 | オンプレ型 |
| 10位 | ※WEMEXヘルスケアシステムズ | Hi-SEEDシリーズ | オンプレ型/クラウド型 |
| 10位 | エムアイユー | Dopanet Doctors | オンプレ型 |
※2025年にWEMEXへ統合
出典:日経メディカル開業サポート「第24回【医師774人に聞いた】電子カルテ導入シェアランキング2024速報!2025年1月23日」(https://nm-kaigyo.nikkeihr.co.jp/career_labo/karte_enquete/024/)
近年は、クラウド型電子カルテのシェアが着実に拡大している傾向がみられます。オンライン資格確認や電子カルテ情報共有サービスなど、政策との親和性が高い点は、電子カルテの選び方に関わるポイントといえるでしょう。
ランキングに含まれているメーカーを含め、各メーカーの特徴や選び方については関連記事で紹介しています。あわせてご覧ください。
関連記事:【2025年最新版】電子カルテメーカー主要12社とおすすめの選び方(クリニック向け)
電子カルテのメリット・デメリット
電子カルテの導入を検討する際には、メリットとデメリットの両面を理解しておく必要があります。ここでは主なポイントを簡潔に紹介します。より詳しい内容を確認されたい場合は、関連記事も参考になさってください。
関連記事:電子カルテを導入するメリット・デメリットとは?
メリット
電子カルテの主なメリットは、以下の5つです。
- 情報のデジタル化による即時管理と活用
- 医療安全の向上
- 紙カルテのスペース削減と劣化防止
- 患者サービスの向上
- 医療機関同士の連携と情報共有
紙のように情報が散らばらず画面内で一元管理できるため、複数のスタッフが同時に閲覧でき、検査結果や画像データとの連携もスムーズです。また、手書きカルテの判読ミス防止や、処方チェック機能により医療安全も向上します。
デメリット
主なデメリットは、以下の5つです。
- 導入から運用まで時間と労力がかかる
- 初期費用と運用コストが必要
- システムトラブルへの対応が必要
- セキュリティ対策が必要
- 運用の変更が必要な場合がある
なお、スタッフへの操作研修や業務フローの見直しなど、導入時の負担を考慮した計画が立てられると、デメリットを軽減できるでしょう。
導入事例からわかった電子カルテ選定のポイント
実際に電子カルテを導入した医療機関の事例から、選定時に重視されたポイントがみえてきました。ここでは、とくに多く挙げられた3つのポイントを紹介します。
なお、導入事例の詳細については、以下よりご覧いただけます。
導入事例
直感的に使えるかどうか
電子カルテは日常業務で使用する基幹システムのため、迷わず使える必要があります。操作が複雑だとスタッフの負担が増え、診療効率が低下してしまうためです。
誰もが直感的に使いこなせると感じられる画面操作を備えた製品を選べば、スタッフ採用の間口を広げられます。デモや無料トライアルを活用し、実際の使用感をご確認ください。
算定に強いかどうか
日々の診療内容を正確に漏れなく算定に反映できるかどうかは、経営の根幹に関わります。たとえば、自動算定機能が充実していれば、医療事務スタッフの経験レベルに左右されない安定した運用が可能です。
また、診療報酬改定への迅速な対応や、複雑な算定ロジックへの対応力も確認しておきたいポイントです。
サポートは充実しているかどうか
電子カルテは導入後も長期間使い続けるシステムです。開業初日の訪問サポートや、運用開始後のチャットや電話、リモートサポートなど、困ったときに迅速に対応してもらえる体制が整っているかは見極めるべき判断基準といえます。
全国にサポート拠点を持ち、地域に密着した対応ができるベンダーなら、安心して使い続けられます。
電子カルテ導入のステップ
電子カルテの導入には、計画的な準備とステップを踏む必要があります。具体的なステップは以下の7つです。
- 導入の目的を整理する
- タイプを比較する
- 費用を比較する
- サポート内容を比較する
- 製品を選定する
- 試験運用する
- 本稼働する
各ステップでは十分な時間を確保し、スタッフの意見も取り入れながら進めるとよいでしょう。とくに開業と同時に導入する場合は、開業準備と並行して進める必要があるため、余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。
電子カルテ導入の詳しいステップと具体的なスケジュールについては、関連記事で解説しています。
関連記事:電子カルテ導入の流れとは?選定ポイントや注意点を解説
シェア・ランキングに表示される「Medicomシリーズ」のご紹介
ウィーメックスでは、Medicomシリーズとしてクラウド型とハイブリッド型の電子カルテをご用意しています。いずれも50年以上の歴史で培ったレセコン機能を搭載した医事一体型で、診療から会計までスムーズな連携を実現します。
クラウド型の「Medicom クラウドカルテ」は、初期費用をおさえた導入が可能です。院内サーバーの設置が不要なため、スペースやメンテナンスの負担を軽減できます。インターネット環境があれば場所を選ばずアクセスでき、訪問診療などにも対応できます。
ハイブリッド型の「Medicom-HRf Hybrid Cloud」は、院内サーバーとクラウドの両方にデータを保存するため、万が一の際も安心です。カスタマイズ対応により、診療科の特性や運用方法にあわせた好みのカルテを構築できます。
※全国157のサポート拠点による地域密着型のサポート体制で、導入から運用まで安心してご利用いただけます。
※販売代理店、保守サポート提携先を含む(2024年4月時点)
各製品の詳細は、以下のページでご紹介しています。
Medicom クラウドカルテの詳細はこちら:クリニック向けクラウド型電子カルテシステム Medicom クラウドカルテ
Medicom-HRf Hybrid Cloudの詳細はこちら:ハイブリッド型電子カルテシステム(医事一体型)Medicom-HRf Hybrid Cloud
まとめ
電子カルテのシェアとランキングは、製品選定の参考になる情報です。国は2030年に電子カルテ導入率100%を目指しており、政策面での推進が予想されます。電子カルテは長く使い続けるシステムのため、シェアやランキングだけでなく、診療スタイルや運用に適しているかを総合的にご判断ください。
電子カルテの導入や乗り換えでお悩みのことがあれば、お気軽にご相談ください。実際の製品を確認いただけるオンラインデモも製品ごとに用意しております。ご検討の状況に応じてご活用ください。
クラウド型はこちら:Medicom クラウドカルテ 資料請求・お問い合わせ
ハイブリッド型はこちら:Medicom-HRf Hybrid Cloud 資料請求・お問い合わせ

