#医療政策 #紙カルテの電子化 #マネジメント #開業検討 #機器選定ポイント #業務効率化
目次
国が進めている「クラウドネイティブ電子カルテ」とは
クラウドネイティブとは、クラウド環境での動作を前提に設計・構築されたソフトウェアを指します。
従来の「クラウド型」電子カルテは、もともとオンプレミス(院内サーバー)向けに開発されたシステムをクラウド上に移行したもの(クラウドリフト)が多く、設計の根本にオンプレミス時代の思想が残っています。
たとえば、バージョンアップの際には業者による個別対応が必要で、その都度、費用や作業負担が生じるケースも少なくありません。
一方、クラウドネイティブ型はシステムの更新がクラウド側で自動的に適用されるため、院内での作業や費用が発生しません。
国が開発を進める「標準型電子カルテ」は、クラウドネイティブを前提とした設計で進められており、全国の医療機関が同一の基盤を利用できる環境の実現を目指しています。また、クラウドネイティブへ移行する方針も明記されました。
出典:厚生労働省「電子カルテの普及について P4」(https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001608407.pdf)
クラウドネイティブ型電子カルテの普及に、標準型電子カルテの動向が大きく関わっているといえるでしょう。
▶標準型電子カルテについて詳しくはこちら
クラウドネイティブ型電子カルテが推進されている理由
クラウドネイティブ型電子カルテが国によって推進されている背景には、医療現場が抱える複数の課題があります。厚生労働省の医療DX推進に関する方針をもとに、主な理由を3点に整理しました。
理由①電子カルテ情報共有サービスの全国展開
1つ目の理由として、患者さんの診療情報をどの医療機関でも参照・活用できる「電子カルテ情報共有サービス」の普及が挙げられます。全国的に広めるためには、標準化されたシステム基盤が欠かせません。
出典:厚生労働省「電子カルテ情報共有サービスの概要案内 P2」(https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001457777.pdf)
クラウドネイティブ型はシステムの標準化と全国への展開に適しており、情報の互換性確保への貢献が期待されます。
理由②電子カルテの普及率向上
理由の2つ目に、電子カルテの普及率が2025年11月時点で病院77.7%、診療所71.0%と十分ではない点が挙げられます。
※調査対象:保険医療機関のうち、医療 DX 推進体制整備加算を届出している診療所(電子処方箋対応あり)から 500 件、医療 DX 推進体制整備加算を届出している診療所(電子処方箋対応なし)から 500 件、同加算を届出していない診療所から 1,000 件をそれぞれ無作為抽出した。また、急性期充実体制加算 1 又は2 を届出している病院から 163 件を悉皆で抽出した。さらに、急性期充実体制加算 1 又は 2 を届出していない病院のうち、医療 DX 推進体制整備加算を届出している病院(電子処方箋対応あり)から 459 件、医療 DX 推進体制整備加算を届出している病院(電子処方箋対応なし)から 459 件、同加算を届出していない病院から 919 件をそれぞれ無作為抽出した。調査客体は合計で4,000 件とした。
回 答 数:1539 件
回 答 者:開設者・管理者
出典:厚生労働省「令和 6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和7年度調査)医療DXの実施状況調査」(https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001598457.pdf P23・P24より著者作成)
クラウドネイティブ型は院内にサーバーを設置する必要がないため、初期費用をおさえられ、普及の障壁を下げる効果が見込まれます。
理由③少子高齢化に伴う医療提供体制の再構築
理由の3つ目に、医療DXの推進によって限られた医療資源で需要に対応できる体制づくりが求められている状況が挙げられます。労働人口の減少により医療現場の人手不足が深刻化しています。
クラウドネイティブ型電子カルテは、医療DXの基盤インフラとして国の政策に位置づけられた仕組みと整理できるでしょう。
クラウドネイティブ型電子カルテのメリット・デメリット
クラウドネイティブ型電子カルテには、従来のオンプレミス型やハイブリッド型とは異なる特性を有しています。メリットとデメリットの要点を下表でまとめました。
| メリット・デメリット | ポイント | 詳細 |
|---|---|---|
| メリット | 導入コストが低い |
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| 院外からのアクセスが可能 |
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| 更新・変更が容易 |
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| 災害時もデータ保存ができる | データはクラウド上に保管されるため、院内機器の被災時でも情報消失リスクを低減できる | |
| 地域医療連携に貢献する | 標準化された基盤を通じた医療機関間の情報共有が促進され、地域包括ケアの推進に寄与する | |
| デメリット | インターネット接続が必須 |
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| 月額費用が継続発生する | 利用料を継続的に支払う必要があり、長期的なコスト計画の策定が求められる | |
| 操作時の反応が遅い場合がある |
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なお、オンプレミス型やハイブリッド型との違いを解説した記事も用意しているため、参考になさってください。
自院に合った電子カルテの選択方法
電子カルテの選定は機能の比較だけではなく、自院の診療スタイルや運営体制にあわせた総合的な検討が必要です。下表のポイントを選定の軸の参考になさってください。
| 確認ポイント | チェック内容 |
|---|---|
| 操作性 |
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| 費用対効果 | 初期費用だけでなく、月額利用料・保守費用・スタッフのトレーニングコストを含めた総コストで比較 |
| 診療スタイルとの整合性 |
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なお、乗り換えを検討している場合は、移行期間の目安もあわせて把握しておくと準備を進めやすいでしょう。データ移行の準備からスタッフ研修を考慮すると、繁忙期を避けた時期に計画を立てると負担をおさえられます。
電子カルテ選定に関して、開業医の経験談をまとめた資料もご用意しています。参考資料としてご覧ください。
▶資料のダウンロードはこちらから
クラウドネイティブ電子カルテ製品の紹介
ウィーメックスでは、クラウドネイティブに対応した電子カルテとして「Medicom クラウドカルテ」を提供しています。
クリニックの業務効率をサポートするため、以下の機能を備えています。
- 文書作成機能を標準装備
- レセプト機能を一体化
- AI自動算定機能で算定漏れを防止
また、機器連携や検査連携、データ移行などの機能を追加しており、今後も使いやすい電子カルテとしてアップデート中です。
実際に導入した医師の声や事例を通じて、自院での活用イメージをご確認いただけます。一覧ページにまとまっているため、参考になさってください。
▶Medicom クラウドカルテ 導入事例一覧はこちら
クラウドネイティブ型電子カルテに関連する質問
ここでは、クラウドネイティブ型電子カルテに関連した質問と回答をまとめました。疑問解消の参考になさってください。
電子カルテは義務化される?
現時点で「電子カルテ義務化」を明記した法令はありません。ただし、2025年12月8日付で、医療法等の一部を改正する法律が成立しました。そのなかで「2030年12月31日までに電子カルテの普及率約100%」が明記されたため、実質的な義務化に向けた動きが強まるものと予想されます。
出典:厚生労働省「医療法等の一部を改正する法律の成立について(報告)」(https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/001606327.pdf)
実質的な義務化に関する現在の動きをまとめた記事も用意しているため、参考になさってください。
クラウドネイティブ型電子カルテにはどのようなメーカーが対応している?
クラウドネイティブ対応を含む電子カルテ製品は、ウィーメックスをはじめ複数のメーカーが提供しています。各社によって対応する診療科目、連携できる院内システム、サポート体制が異なります。複数の製品を比較検討したうえで、自院の運用体制に合った製品を選ぶ視点が欠かせません。
主要メーカーをまとめた記事もご用意しているため、参考になさってください。
まとめ
クラウドネイティブ型電子カルテは、国が推進する医療DX政策の中核に位置づけられており、標準型電子カルテの開発とともに普及が加速していく見通しです。
導入コストの抑制や院外アクセス、地域医療連携への貢献といったメリットがある一方、インターネット接続への依存や月額費用の継続発生といったデメリットも念頭に置いた検討が求められます。具体的なイメージをとらえる一歩として、製品を閲覧するところからはじめてみてはいかがでしょうか。
クラウドネイティブに対応したウィーメックスの「Medicom クラウドカルテ」の詳細は、製品ページをご用意しているため、ご参照ください。
▶Medicom クラウドカルテの製品ページはこちら

