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電子カルテ 医師 事務長 2026.02.17 公開

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【開業検討者必見】カルテの基本から電子・紙の違いを解説

開業準備を進めるなかで、あらためてカルテの選択や管理方法に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。電子カルテと紙カルテのどちらを選ぶべきか、それぞれのメリット・デメリットを理解しないまま導入すると、開業後の業務効率や経営に大きく影響します。本記事では、開業時におさえておきたいカルテの基本から、電子カルテと紙カルテの違い、実務上の留意点まで解説します。自院のカルテ運用を検討する際の一助として、ご活用ください。

※本内容は公開日時点の情報です

#機器選定ポイント #業務効率化 #紙カルテの電子化 #システム入替

目次

まずおさえておきたいカルテの基本

病院やクリニックにおけるカルテ(診療録)には、診療内容や処方薬、検査結果など、患者さんの生命に関わる情報が記録されるのは既知の事実でしょう。開業にあたっては、適切な管理体制を構築しなければ、診療の継続性が損なわれるだけでなく、法的リスクにも直結します。

具体的には、医師法第24条により、病院または診療所の管理者にはカルテを5年間保存する義務があります。また、保険医療機関及び保険医療養担当規則第9条では、診療録の保存期間を「完結の日から5年間」と明確に規定されている点もおさえておかなければなりません。

【開業検討者必見】カルテの基本から電子・紙の違いを解説

出典:厚生労働省「医師法第24条」(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=80001000

出典:厚生労働省「保険医療機関及び保険医療養担当規則第9条」(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84035000&dataType=0&pageNo=1

なお、電子カルテを導入する場合「真正性」「見読性」「保存性」の三原則を満たす管理体制が求められる点はあらためて確認しておきましょう。ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃が増加している現状では、セキュリティ対策の徹底が欠かせません。紙カルテであっても、保管スペースの確保や劣化対策など、長期保存を前提とした運用設計が必要です。

医師が確認しておきたいカルテ記載の基本

カルテ記載のわかりやすさは医療の質を左右します。診断に至るプロセスや今後の治療方針が明確に記載されていれば、チーム医療における情報共有が円滑になるためです。

記載内容の参考として医師法施行規則第23条では、カルテに「診療を受けた者の住所、氏名、性別及び年齢」「病名及び主要症状」「治療方法(処方及び処置)」「診療の年月日」の記載が義務付けられています。

出典:厚生労働省「医師法施行規則」(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=80003000&dataType=0&pageNo=1

ただし、具体的な記載内容については、医師個人の考え方や記載のクセが生じやすい部分です。開業時から院内での記載方針を示すマニュアルがあれば、方向性のずれを最小限におさえられます。実際の記載ポイントや具体例については、別途詳しく解説した関連記事も参考になさってください。

電子カルテのメリット・デメリット

電子カルテは診療情報のデジタル化により、開業後の業務効率と医療の質向上に寄与します。ここでは導入による具体的なメリットと、事前に理解すべき課題を解説します。

導入によるメリット

電子カルテ導入最大の効果は業務効率の向上です。カルテの検索や過去の診療履歴の参照が瞬時にできるため、診察時間の短縮につながります。また、複数端末からの同時アクセスが可能なため、医師と看護師、事務スタッフが同時に必要な情報の収集が可能です。

そのほか、以下の内容が導入により得られると整理できます。

  • 医療安全の向上:手書き文字の判読ミスがなくなり、処方薬の相互作用チェックなどが可能
  • 検査結果や画像データとの統合:診断精度の向上も期待できる
  • 保管スペースの削減:紙カルテの保管に要していた空間を診療や待合スペースとして活用できる
  • 患者サービスの向上に貢献:待ち時間の短縮、検査結果の迅速な説明、診療情報の地域連携への活用など

厚生労働省が推進する医療DXにより、今後は電子カルテ情報の標準化と全国的な共有が進む見込みです。

確認しておきたいデメリット

電子カルテ導入において、初期の業務負荷は避けられません。たとえば、操作方法の習得やデータ入力方式への適応に時間を要し、一時的に診療効率が低下する可能性が挙げられます。

ベテランスタッフほど新システムへの抵抗感が強い傾向にあり、院内での丁寧な研修と段階的な移行計画が必要です。

そのほか、以下の点を踏まえた運営設計が求められます。

  • コスト負担:初期導入費用に加え、月額のシステム利用料、定期的なメンテナンス費用、ハードウェアの更新費用など(各種補助金制度を活用できる場合あり)
  • システムトラブルへの備え:ネットワーク障害やサーバーダウンが発生した際の診療継続体制、定期的なバックアップ、復旧手順の確立が求められる
  • セキュリティ対策の徹底:ランサムウェアなどのサイバー攻撃に対する備えは、患者さんの個人情報を守るうえで必須

紙カルテのメリット・デメリット

開業時に紙カルテを選択する場合、システム導入コストをおさえられる一方で、運用上の課題も理解しておく必要があります。ここでは紙カルテの特性を整理します。

紙ならではのメリット

紙カルテは、費用をおさえて運用できる点がメリットです。電子カルテのようなシステム導入費用や月額利用料が不要なため、開業時の資金負担を軽減できます。

また、パソコンや電子カルテのように、新しい知識や操作を覚えなくて済む点も、紙カルテが優位でしょう。ITリテラシーがそれほど高くないスタッフでも、ストレスなく業務に携われます。加えて、停電やシステム障害の影響を受けず、常に記録を参照できる安定性は電子カルテのバックアップとして役立ちます。

紙カルテゆえのデメリット

一方で、紙カルテには構造的な課題が挙げられます。とくに深刻なのは情報共有の制約です。複数のスタッフが同時に同じカルテを参照できないため、診察室と処置室で情報確認のタイミングがずれ、業務効率の低下につながります。

そのほか、以下のようなリスクも踏まえた運用が求められます。

  • 手書き文字の判読困難さ:処方内容や検査指示の誤読は、医療事故につながりかねない
  • 経年劣化や破損、紛失のリスク:長期保存には適切な環境整備が欠かせない
  • 保管スペースの確保が必要:患者数の増加や診療年数の経過に伴い保管場所が逼迫する

カルテ(電子・紙)に関してよくある質問

ここからは、カルテに関して日常的に発生しうる質問を解説します。

紙カルテと電子カルテの併用は可能?

紙カルテと電子カルテの併用は法的に認められており、移行期に多くの医療機関で採用されています。ただし、情報の一元管理が困難になり、記載漏れや確認ミスのリスクが高まります。医療安全の観点から、できる限り早期にどちらかへ統一する形が推奨されます。

紙カルテと電子カルテの保存期間はそれぞれ何年?

保存期間は紙・電子ともに同じです。医師法第24条および保険医療機関及び保険医療養担当規則第9条により、診療録は「完結の日から5年間」の保存が義務付けられています。なお、医療過誤の損害賠償請求権の時効が20年であるため、実務上はより長期の保管が推奨されます。

紙カルテと電子カルテそれぞれの使用割合は?

2025年11月21日開催の中央社会保険医療協議会総会(第629回)で報告された医療DXの実施状況によると、電子カルテの導入率は病院が77.7%、診療所71.0%でした。

※調査対象:保険医療機関のうち、医療 DX 推進体制整備加算を届出している診療所(電子処方箋対応あり)から 500 件、医療 DX 推進体制整備加算を届出している診療所(電子処方箋対応なし)から 500 件、同加算を届出していない診療所から 1,000 件をそれぞれ無作為抽出した。また、急性期充実体制加算 1 又は2 を届出している病院から 163 件を悉皆で抽出した。さらに、急性期充実体制加算 1 又は 2 を届出していない病院のうち、医療 DX 推進体制整備加算を届出している病院(電子処方箋対応あり)から 459 件、医療 DX 推進体制整備加算を届出している病院(電子処方箋対応なし)から 459 件、同加算を届出していない病院から 919 件をそれぞれ無作為抽出した。調査客体は合計で4,000 件とした。

回 答 数:1539 件 

回 答 者:開設者・管理者 

出典:厚生労働省「令和 6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和7年度調査)医療DXの実施状況調査」(https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001598457.pdf

2025年12月に医療法等の一部を改正する法律が成立し、今後も電子化が進む見込みです。一方で、日本医師会が2025年8月に公表した紙カルテ利用の診療所を対象とした調査では、54.2%(有効回答数5,466件)が電子カルテは導入不可能と回答しており、紙カルテ運用からすぐに移行できる状況にはないといえるでしょう。

出典:日本医師会「紙カルテ利用の診療所の電子化対応可能性に関する調査」(https://www.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20250806_2.pdf

紙カルテを廃止する流れとは?

紙カルテから電子カルテへの移行には、計画的な進行が求められます。大まかな流れは以下のとおりです。

  • 過去のカルテをスキャンして電子化し、新規の患者さんから電子カルテでの記録を開始する
  • 既存の患者さんについても、来院時に順次電子化を進める
  • 完全移行後は、法定保存期間を経過した紙カルテから順次廃棄する

なお、複雑な治療経過の症例は電子データとして長期保存し、資料性を維持する体制が必要です。

電子カルテ導入の流れとは?

電子カルテ導入の大まかな流れは、以下のとおりです。

  • 自院のニーズと予算を明確にし、複数のベンダーから提案を受ける
  • 操作性・機能・費用・サポート体制を比較検討し、デモンストレーションで実際の使用感を確認する
  • 導入決定後、院内ネットワークの整備やハードウェアを準備し、スタッフ研修を実施する
  • テスト運用期間を経て本格稼働に移行する

なお、電子カルテに移行した後も、定期的な研修や運用改善は欠かせません。

使いやすさが特長のカルテ紹介

ウィーメックスでは、使いやすさを特長とする以下2つの電子カルテシステムを展開しています。

クラウド型電子カルテ「Medicom クラウドカルテ

ハイブリッド型電子カルテ「Medicom-HRf Hybrid Cloud

クラウド型は、電子カルテ導入時に懸念となる導入コストをおさえられます。それでいて、セット登録機能での効率化やAI自動算定機能など、診療から会計までの一連がスムーズとの声をいただいております。

ハイブリッド型は、オンプレミス型とクラウド型の長所を併せもつカルテです。平時はオンプレミス型のように安定した運用、非常時はクラウド型に切り替えて運用と、状況に左右されない安定性を有しています。また、使いやすさをサポートするカスタマイズ性能を評価される声もいただいております。

どちらが自院に適しているのかを確認いただけるページもご用意しております。今後の検討を深める一助として、ご活用ください。

まとめ

開業にあたり、カルテの選択は業務効率や経営に大きく影響します。電子カルテと紙カルテにはそれぞれメリット・デメリットがあり、自院の診療方針や予算、スタッフ体制に応じた適切な選択が求められます。なお、2030年に電子カルテ普及率100%に向け、これまでよりも強力な推進が図られるでしょう。

政策の動きは注視しつつ、院内の体制を盤石にするべく、カルテを軸とした改善活動は重要度を増していくと考えられます。まずは、現在の運用体制を洗い出し、負担少なく取り組める内容は何なのか、スタッフと話し合うところから始めてみてはいかがでしょうか。

著者情報

武田 直也 様

フリーランスWebライター。18年間、医療事務として合計3つの医療機関に従事。診療報酬をはじめ、診療情報管理士の資格を活かしたカルテ監査やDPCデータ分析、クリニカルパスなどの医療情報利活用に精通している。

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