【2026年最新版】電子カルテの普及率と今後の動向を解説
電子カルテの普及に関するニュースを目にする機会が増えている中、実際にどの程度の医療機関が導入しているのか、今後の動向はどうなるのか気になっている方も多いでしょう。2025年11月に報告された最新データでは、病院77.7%、診療所71.0%が電子カルテシステムを導入済みです。政府は2030年までに普及率100%を目標に掲げ、標準型電子カルテの開発や補助金制度の整備など、導入を後押しする施策を打ち出している状況です。本記事では、電子カルテの最新普及状況から政策の動向、導入のメリットや選定ポイントまで、開業医や開業準備中の医師がおさえておきたい情報を整理してお伝えします。
※本内容は公開日時点の情報です
目次
2026年現在の電子カルテ普及状況
2025年11月21日に開催された中央社会保険医療協議会総会(第629回)で報告された医療DXの実施状況によると、電子カルテシステムの導入状況は以下のとおりです。

※調査対象:保険医療機関のうち、医療 DX 推進体制整備加算を届出している診療所(電子処方箋対応あり)から 500 件、医療 DX 推進体制整備加算を届出している診療所(電子処方箋対応なし)から 500 件、同加算を届出していない診療所から 1,000 件をそれぞれ無作為抽出した。また、急性期充実体制加算 1 又は2 を届出している病院から 163 件を悉皆で抽出した。さらに、急性期充実体制加算 1 又は 2 を届出していない病院のうち、医療 DX 推進体制整備加算を届出している病院(電子処方箋対応あり)から 459 件、医療 DX 推進体制整備加算を届出している病院(電子処方箋対応なし)から 459 件、同加算を届出していない病院から 919 件をそれぞれ無作為抽出した。調査客体は合計で4,000 件とした。
回 答 数:1539 件
回 答 者:開設者・管理者
出典:厚生労働省「令和 6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和7年度調査)医療DXの実施状況調査」(https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001598457.pdf P23・P24より著者作成)
診療所における普及状況は、開業医にとって参考になる指標です。数値自体は2010年代と比較して上昇しており、初期費用がおさえられるクラウド型電子カルテの登場により、中小規模の医療機関でも導入しやすい環境が整ってきています。
電子カルテの導入が難しい理由
最新データで見ても、診療所における電子カルテ導入は依然として課題を抱えています。日本医師会が2025年8月に公表した紙カルテ利用の診療所を対象とした調査では、54.2%(有効回答数5,466件)が電子カルテは導入不可能と回答しました。
導入が難しいとされる主な理由として、以下の3点が上位を占めました。
- 電子カルテの操作に時間がかかり、診察が十分できなくなる
- 導入の費用が高額であり、負担できない
- 導入しても数年しか電子カルテを使用する見込みがない

出典:日本医師会「紙カルテ利用の診療所の電子化対応可能性に関する調査」(https://www.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20250806_2.pdf P7)
電子カルテ普及に向けた政策の動向
国は電子カルテの普及を医療DX推進の柱と位置づけ、複数の施策を展開しています。2030年に向けた明確な目標設定と、実現に向けた具体的な2つの取り組みをお伝えします。
2030年に普及率100%が目標
2025年12月5日、医療法等の一部を改正する法律が成立しました。そのなかで、医療DXの推進として2030年(令和12年)12月31日までに電子カルテの普及率約100%達成が明記されています。

出典:厚生労働省「医療法等の一部を改正する法律の成立について(報告) P1」(https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/001606327.pdf)
目標は、全国医療情報プラットフォームの構築や診療情報の共有基盤整備と連動した包括的な医療DX戦略の一環です。医療機関同士、医療機関と患者さんの間での円滑な情報共有を実現し、医療の質向上と効率化を同時に達成することが目的とされています。
標準型電子カルテ
普及目標の達成に向けて、厚生労働省は「標準型電子カルテ」の開発を進めています。国の医療DX対応機能に限定した「導入版」として設計され、2026年度中の完成を目指して開発が継続中です。
操作性の向上とコスト負担の軽減により導入のハードルを下げ、普及率を向上させる動きが想定されます。

出典:厚生労働省「第26回健康・医療・介護情報利活用検討会医療等情報利活用ワーキンググループ2025(令和7)年12月10日電子カルテの普及について P5」(https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001608407.pdf)
標準型電子カルテの特徴は、医療情報の標準化と相互運用性を重視した設計にあります。全国医療情報プラットフォームへの接続機能や、診療情報提供書の電子的な作成・共有機能など、医療DX推進に必要な基本機能が搭載される予定です。

出典:厚生労働省「第26回健康・医療・介護情報利活用検討会医療等情報利活用ワーキンググループ2025(令和7)年12月10日電子カルテの普及について P6」(https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001608407.pdf)
普及を促進するために用意されている補助金制度
電子カルテ普及に向けて、国や地方自治体ではさまざまな補助金制度が用意されています。主な制度は、経済産業省中小企業庁が実施するIT導入補助金や、厚生労働省(社会保険診療報酬支払基金)が運営する医療情報化支援基金(ICT基金)などです。
| 補助金制度名 | 概要 |
|---|---|
| IT導入補助金 |
|
| 医療情報化支援基金(ICT基金) |
|
補助金制度は年度ごとに募集要項や補助率が変更されるため、最新情報の確認が欠かせません。補助金申請に向けた詳細な内容については、別記事「電子カルテ導入に使える補助金ガイド」で解説しています。
また、補助金が使える製品の具体的なイメージを掴みたい方は、当サイトの補助金対応製品をまとめたページで各情報を紹介しているため、あわせて参考になさってください。
電子カルテ導入のメリット
国が普及を進めているクラウド型電子カルテには、開業医にとって実務的に大きなメリットがあります。具体的な内容は以下の6点です。
| メリット | 概要 |
|---|---|
| 導入コストが低い | オンプレミス型と比較して初期費用をおさえられ、月額料金での利用が可能 |
| 院外に端末を持ち出せる | インターネット環境があればどこからでもアクセスが可能 |
| 端末を自由に選べる(デバイスフリー) | パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンからもアクセスして利用可能 |
| 更新・変更の負担が少ない | 診療報酬改定やシステムバージョンアップは企業側で対応 |
| 障害・災害へ備えられる | データがクラウド上に保管されているため、診療所で火災や水害などの災害が発生しても診療情報を失う心配がない |
| リアルタイムに地域連携・多職種間連携ができる | 他の医療機関や介護施設との連携機能をもつ製品も増えており、地域包括ケアシステムにおける情報連携基盤としても活用可能 |
より詳しい内容や、クラウド型電子カルテの技術的な特徴については、関連記事をご参照ください。
電子カルテ選定時のポイント
電子カルテを選定する際には、自院の診療スタイルや業務フローに合った製品を選ぶ必要があります。おさえておくべき3つのポイントを表にまとめました。
| ポイント | 概要 |
|---|---|
| 操作性 |
|
| 費用と業務効率のバランス |
|
| 診療スタイルに応じた機能性 |
|
選定プロセスでは、複数のベンダーからデモを受けて比較検討するとよいでしょう。実際の診療シーンを想定した操作体験を通じて、スタッフの意見も取り入れながら決定すれば、導入後の満足度が高まります。
電子カルテ選定について、開業医の本音をまとめた資料「導入してわかった!開業医が語る電子カルテ選びの“本音”」を用意しているため、経験談を交えた選定基準が知りたい方はダウンロードしてご活用ください。
ダウンロードはこちらから:導入してわかった!開業医が語る、電子カルテ選びの“本音”
導入しないことで生じうる影響
ここでは、電子カルテ導入の判断を先送りにすると生じうる影響について、直近の政策動向やニュースから、整理してお伝えします。
医療法等の一部を改正する法律が成立し、電子カルテ普及率100%に向けて医療機関への誘導施策はより活発になると予想されます。実際に「医療機関報告制度」が新設され、医療機関ごとのDX推進状況を詳しく把握しようとする動きが出てきました。
また、診療報酬の面では、電子化対応の遅れに対する減算措置が導入される可能性も否定できません。オンライン資格確認システムの導入義務化の経緯を見ても、国の方針に沿わない医療機関への経済的ディスインセンティブ設計は現実的な選択肢として十分考えられます。
地域医療連携や医療情報共有の面で、紙カルテ運用を続ければ患者さんにとっての不利益も大きくなっていきます。電子的な診療情報提供書のやりとりや、全国医療情報プラットフォームへの参加が前提となる医療提供体制では、紙カルテ運用の医療機関は連携の輪から外れてしまうリスクがあるでしょう。
日本医師会の調査では、紙カルテ運用を続けている医療機関の50%以上が「電子カルテ導入は不可能」と回答していました。しかし政策環境の変化を踏まえると、あらためて導入可能性を検討するタイミングに来ているといえます。
標準型電子カルテの登場や補助金制度の充実により、従来は導入が難しいと考えていた医療機関でも、現実的な選択肢として電子カルテを検討できる環境が整いつつあります。
まとめ
電子カルテの普及率は、病院77.7%、診療所71.0%と着実に上昇しており、政府は2030年までに100%達成を目標に掲げています。クラウド型電子カルテの登場により、初期費用の負担は大きく軽減され、運用管理の手間も削減されてきました。操作性の向上や製品の選択肢が広がったため、診療スタイルに合った製品をみつけやすい環境といえるでしょう。
一方で、導入しないことによる影響も無視できません。診療報酬上の不利益や地域医療連携からの疎外など、中長期的なリスクを考慮すると、今が導入を真剣に検討すべき時期といえます。
電子カルテの導入をご検討の際は、まずデモ体験で実際の操作感を確認されるとよいでしょう。
ウィーメックスが提供しているクラウド型電子カルテ「Medicom クラウドカルテ」は、開業医の声を反映した使いやすい画面設計と、充実したサポート体制が特徴です。導入から運用まで安心してご利用いただけます。
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