3. 脳神経外科の開業ポイント
・運転資金は最低3,000万円以上
脳神経外科専門クリニックはMRIなど医療機器を導入した場合、重装備の開業初期投資額の大きな開業となります。利益から返済ができるようになるまで時間を要することを想定して運転資金は最低3,000万円以上を確保しておきましょう。
・診診連携を促進
脳神経外科は開業初期投資額が他の診療科より2倍以上の規模となります。そのため、脳神経外科専門クリニックを開業するのであれば、開業前から集患対策を検討しておく必要があります。
脳神経外科のような専門特化した診療科の診療所は「診診連携」で診療機能を強化することが集患には有効です。ポイントは自院の診療機能を活用してもらう連携にあります。脳神経外科であれば「整形外科」「内科」「婦人科」との連携を行い、MRIなど脳疾患に係る専門医の診断機能を活用してもらいます。この際の注意点は、紹介患者は紹介元へ患者をかえすとともに検査結果を紹介元に丁寧に報告することを徹底することです。さらに、最近では連携先を招待して定期的な実績報告会や合同症例検討会を開催することで、診療機能を認知してもらう活動を継続している脳神経外科専門クリニックもあります。
また、地域の基幹病院と連携して自ら手術を実施して診療機能を強化する診療所もあります。基幹病院としては診療点数に結びつき、診療所としては手術室とスタッフを無償で借りて自院の患者を手術できます。患者さんにとっても病院の手術室で行うという安心感をもってもらえます。このように診療所主導でwin-winの病診連携を構築することが集患には有効なのです。