目次
医療事務の代表的な仕事内容
電子カルテの使い方を指導する前提として、医療事務がどの業務でどのような操作を行うかを整理します。代表的な業務は受付・会計・レセプトの3つです。各業務の内容と、電子カルテとのかかわりを確認していきましょう。
受付
患者さんが来院した際の窓口対応が受付業務の出発点です。電子カルテ上での操作例として以下が挙げられます。
- 新患:氏名・生年月日・住所・保険証情報を新規入力
- 再診:保険証の変更・期限切れを確認し情報を更新
- 予約管理:予約リストで受付順を確認・管理
受付時の入力ミスは、以降の会計やレセプトにそのまま影響します。マイナ保険証を活用したオンライン資格確認で自動化が進んでいる状況です。入力工数を削減しつつ、患者さんにとってわかりやすい動線設計も忘れてはいけません。
会計
診察終了後、医師が電子カルテに入力した診療内容をもとに会計処理を行います。適切に漏れなく診療報酬に変換するスキルが求められる業務です。電子カルテ上の操作をふまえた対応として、以下が挙げられます。
- 点数算出:診療行為をレセコンで会計情報へ
- 会計案内:会計情報を確認し、患者さんへ請求金額を案内
なお、レセコン一体型電子カルテでは、診療内容から算定候補を提案し完結できるシステムもあります。
レセプト
月末から翌月10日にかけて、1か月分の診療データをもとにレセプト(診療報酬明細書)を作成・点検し、審査支払機関へ請求する業務です。
- 月次データを集計
- 算定漏れ・傷病名と診療行為との整合性確認
- 支払機関へ請求データを提出
査定や返戻が生じると、業務負荷がかさんでしまいます。診療内容と請求内容の精度を高めるためには、医師と医療事務間で些細なことでも確認できる、コミュニケーションの取りやすい環境構築も重要です。
医療事務と医療クラークは何が違う?
医療クラーク(医師事務作業補助者)は、医師の指示のもとでカルテの代行入力や診断書・紹介状の作成補助などを担う職種です。医療事務の役割は受付・会計・レセプトであり、診察中のカルテ入力代行とは区別されます。
なお、広義に「クラーク」として、看護師助手に近い業務に従事するケースも少なくありません。代行入力をはじめとする電子カルテ操作をともなう職種は「医療クラーク」または「医師事務作業補助者」と整理いただくとよいでしょう。
医師事務作業補助者についてより詳しく解説した記事も用意しているため、あわせて参考になさってください。
医療事務に電子カルテの使い方を教える際の3つのポイント
医療事務に電子カルテの使い方を教える際、以下3つのポイントをおさえておくとよいでしょう。
- カルテの各項目を理解してもらう
- 操作方法を実践して覚えてもらう
- 医療事務の考えが医師に近づくよう指導する
それぞれ詳しく解説します。
カルテの各項目を理解してもらう
電子カルテの各入力欄が何を意味するかを把握してもらうことが、習熟の第一歩です。「傷病名」「算定区分」「保険種別」などのフィールドの役割を理解すると、入力に意味づけをしながら操作できるため、ミスが生じたとしても自ら気づきやすくなります。
指導の際は、会計やレセプトへのデータの流れをあわせて説明すると、「なぜその項目が必要か」の背景が伝わりやすくなるでしょう。操作ルールを「こうやればよい」だけでなく「こうする理由がある」として伝えることで、より深い理解につながります。
操作方法を実践して覚えてもらう
「電子カルテは難しそう」「操作についていけるか不安」と感じるスタッフも、段階的な実機練習を積み重ねることで着実に習熟できます。未経験者でも習得しやすい操作設計を採用した製品も多く、最初から完璧に覚えようとせず、まず基本操作の反復から始めることが定着への近道です。システムによってはデモ環境が用意されているため、本番稼働前に十分な練習時間を確保しましょう。
加えて、よく使う操作はショートカットキーや辞書登録・テンプレート機能を活用すると、入力速度が向上します。医療用語は文字数が多いものもあるため、定型文登録の活用もあわせて指導すると、業務全体のスピードアップにつながります。
医療事務が医師の考えに近づくよう指導する
電子カルテへの入力内容は、医師が診察で下した判断を反映したものです。傷病名と診療行為の関係や、検査・処方に関する基本的なルールを大まかに理解しておくと、カルテの確認作業やレセプト点検の精度が向上します。
研修やOJTの機会に、院内の診療の流れや頻出疾患について学ぶ場を設けると、スタッフが受け身でなく主体的に理解を深めやすくなります。人材育成にお役立ていただける情報をまとめたページもご用意しているため、参考になさってください。
医療事務から見た電子カルテ導入による4つのメリット
電子カルテの導入は医師だけでなく、医療事務スタッフの日常業務にも多くのメリットをもたらします。業務効率化から情報共有まで、主なメリットを4点確認しましょう。
業務効率化につながる
電子カルテは、患者さんの受付から会計までの一連の情報を共有できます。たとえば、患者さんの診療情報提供書や診断書などが必要な場合、電子カルテにはさまざまなテンプレートがあるため、文書作成や検査データの添付などの手間を軽減できるでしょう。情報の流れがスムーズになると、結果的に患者さんの待ち時間削減にも寄与します。
ミスや請求漏れの防止につながる
算定支援機能を備えた電子カルテは、傷病名と診療行為の組み合わせチェックや算定漏れのアラート表示により、手作業では見落としやすいミスを事前に防ぐ仕組みをもっています。
月次のレセプト点検においても、電子データとして整理された情報をもとに確認できるため、紙カルテ運用と比べてチェック精度は向上するでしょう。
具体例として、医療事務未経験者のスタッフだけで返戻ゼロを達成されているクリニックをご紹介します。「診療行為入力時の自動チェックにより、算定漏れや誤算定を防げている」と評価される事例の詳細は以下よりご覧いただけるため、参考になさってください。
▶紹介した事例の詳細を確認する
カルテの出し入れの手間が省ける
患者数の多い紙カルテ運用のクリニックでは、カルテ管理だけで相当な時間が費やされるでしょう。電子カルテでは、患者さんの氏名+生年月日や診察券番号を入力するだけで情報を呼び出せるため、物理的なカルテ管理の手間がなくなります。
リアルタイムの情報を確認できる
診察の進行状況や医師の指示が電子カルテ上でリアルタイムに更新されるため、受付から会計まで、各スタッフが現在の状況を画面上で把握できます。呼び込みのタイミングや会計準備の判断をスタッフ間で共有しやすくなり、患者さんの待ち時間のさらなる短縮にもつながるでしょう。
医療DX推進により医療事務の役割も変化
政府は「医療DX令和ビジョン2030」のもと、医療情報のデジタル活用(医療DX)を推進しています。
出典:厚生労働省「第1回「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム資料について【資料1医療DXについて】P4」(https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/000992373.pdf)
医療事務の業務に関連する変化として、以下が考えられます。
- マイナ保険証や電子カルテ情報の標準化により、情報連携がさらにスムーズになる
- デジタル化推進により、書類作成や郵送などの業務負担は軽減される
一方、デジタルシステムへの習熟がよりいっそう求められる時代ともいえます。医療DXに関する情報を複数ご用意しております。目的や用途に応じて、ご活用ください。
| コンテンツの概要 | 閲覧先情報 |
|---|---|
| 医療DX令和ビジョン2030解説セミナー | 医療DX令和ビジョン2030の解説 |
| 医療DX解説コラム | クリニックが知るべき医療DXとは?今後の方向性と事例を解説 |
| 標準型電子カルテ解説コラム | 【2026年版】標準型電子カルテの現状と今後の予定を整理!対応のポイントを解説 |
「使いやすさ」が特長の電子カルテをご紹介
ウィーメックス株式会社では、クラウド型電子カルテシステム「Medicom クラウドカルテ」と、ハイブリッド型電子カルテシステム「Medicom-HRf Hybrid Cloud」を提供しています。
どちらも、レセコン一体型電子カルテのため、カルテ入力時にリアルタイムで情報が共有され、確認の手間を削減できます。また、Do処方の1クリック入力や定型文作成など、医療事務の方も迷わない操作性も特長です。
【メディコムシリーズ】
| 製品 | Medicom クラウドカルテ | Medicom-HRf Hybrid Cloud |
|---|---|---|
| タイプ | 完全クラウド型 | ハイブリッド型 |
| 算定漏れ対策 | カルテ入力内容から算定可能な項目を自動抽出する「AI 自動算定機能」を搭載 | 国内トップシェア※のレセコン開発で培った算定・照合機能により、査定・返戻や算定漏れを削減 |
| 文書作成 | Word 文書もシームレスに操作でき、文書作成業務を効率化 | オーダー入力のテンプレート化に対応し、少ないクリックでの文書作成をサポート |
| このようなクリニックへ |
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| 詳細ページ |
※出典:株式会社富士経済「2022年 医療連携・医療プラットフォーム関連市場の現状と将来展望」より2020年企業シェア・数量ベース レセプトコンピューター(PHC実績)
まとめ
医療事務に電子カルテの使い方を教える際は、受付・会計・レセプトの各業務と電子カルテのつながりを体系的に把握させることで、業務全体の精度が高まりやすくなります。
医療DXの進展にともない、医療事務の担う役割はより高度化する方向に向かいつつあります。スタッフが電子カルテを使いこなせるかどうかは、クリニックの業務効率と収益に直結する課題です。人材育成の側面とあわせて、使いやすい電子カルテ選定も検討されてみてはいかがでしょうか。

