目次
レセコンメーカー一覧表
レセコン(レセプトコンピュータ)は、診療報酬請求業務を効率化するための医療機関向けシステムです。現在、国内には複数のレセコンメーカーが存在し、それぞれ異なる特徴をもっています。
以下は、主要なレセコンメーカーの一覧表です。自院の診療科目や規模、運用体制に合わせて比較検討しましょう。

| メーカー名 | 製品名 | 特徴 | 対応タイプ |
|---|---|---|---|
| ウィーメックス(旧PHC) | Medicom-HRf core |
|
ハイブリッド型 |
| ORCA | 日医標準レセプトソフト(ORCA) |
|
|
| 富士通Japan | HOPE SX-S |
|
|
| 日本電気 | MegaOakBARSⅢ |
|
オンプレミス型 |
レセコンとはどういうものなのか、基本について詳しく知りたい方は、以下の関連記事も参考になさってください。
関連記事:レセコン(レセプトコンピュータ)とは?電子カルテとの違いや現場が使いやすい選び方を解説
レセコンメーカーのシェア率
レセコンメーカーのシェア率は、市場での信頼性や導入実績を判断する材料になります。シェアが高いメーカーは、多くの医療機関に選ばれている理由があり、サポート体制やノウハウの蓄積が期待できます。
株式会社富士経済の調査によるシェア率のデータは以下のとおりです。メーカー選定の参考になさってください。なお、ウィーメックス(PHC)は、同調査においてシェア№1を獲得しております。

出典:株式会社富士経済「2022年医療連携・医療プラットフォーム関連市場の現状と将来展望~医療ITのシームレス化・Dx化・クラウド化の最新動向~Ⅱ―9レセプトコンピュータ」
レセコンの種類
レセコンは、開発元によってコストやサポート体制が異なり、提供タイプによって運用方法が変わります。それぞれの特徴を理解すれば、自院に最適なレセコンがみつけられるでしょう。
開発元による分類:ORCAとメーカー製レセコン
レセコンは、日本医師会が開発した「日医標準レセプトソフト(ORCA)」と、企業が開発した「メーカー製レセコン」の2種類に分類されます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
■ ORCA(日本医師会ORCA管理機構)
- 2005年に日本医師会が、医療機関のレセプト業務効率化を目的に開発
- オープンソース形式で提供されており、自由にカスタマイズ可能
- 導入・保守は全国140社の「ORCAサポート事業所」(2025年10月20日時点)が担当
- コストをおさえたい、カスタマイズしたい医療機関に適している
■ メーカー製レセコン(企業開発型)
- 1972年に日本初のレセコンとして誕生した「Medicom(ウィーメックス)」を皮切りに、複数の企業が独自開発を進めてきた
- 長年の実績とノウハウをもとに、操作性・サポート・制度改定対応力に強み
- 現在はMedicom(ウィーメックス)や富士通Japan、日本電気など大手数社に集約されている
- 全国にサポート拠点をもち、診療報酬に詳しいスタッフによる運用支援が受けられる
提供タイプによる分類:クラウド型とオンプレミス型
レセコンの提供タイプは、クラウド型とオンプレミス型の2種類に分かれます。以下のように、初期費用や運用方法などが異なります。
■ クラウド型レセコン
- インターネット経由でサーバーにアクセスして利用するタイプ
- 院内にサーバーを設置する必要がないため、初期費用をおさえられる
- システムのアップデートや保守はベンダー側が行うため、医療機関側の負担が少ない
- リモート対応がメインとなるため、トラブル時もオンラインで迅速にサポートを受けられる
- 月額利用料が継続的に発生する点や、インターネット環境が必須である点に注意が必要です。
■ オンプレミス型レセコン
- 院内にサーバーを設置して利用するタイプ
- 初期費用は高額な傾向ながら月額利用料は発生しないか、かかっても少額
- インターネット環境に依存しないため、通信障害の影響を受けにくいメリットがある
- サーバーの保守管理やアップデート対応は医療機関側で行うため、トラブル時は訪問対応が中心となるため、復旧までに時間がかかる可能性がある
システム連携タイプによる分類:電子カルテ一体型と電子カルテ連動型
レセコンは「どこで動かすか(クラウド・オンプレ)」だけでなく、「どのように電子カルテと連携するか」でも種類が分かれます。
| 分類 | 特徴 | メリット | デメリット | 向いている医療機関 |
|---|---|---|---|---|
| 電子カルテ一体型 |
|
|
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|
| 電子カルテ連動型 |
|
|
|
|
なお、電子カルテとの連携を前提にレセコンを選ぶケースも増えています。電子カルテメーカーの比較を知りたい方は、電子カルテメーカー主要12社とおすすめの選び方もご覧ください。
レセコンメーカー選定のポイント
レセコンメーカーを選ぶ際には、製品の機能だけでなく、考え方やサポート体制まで含めた総合的な評価が必要です。その理由は、メーカーによってシステム開発の考え方や医療機関との関わり方が大きく異なるためです。つまり、自院に合ったメーカーを選べば、長期的に安心して運用できるほか、業務効率も向上します。
初期費用・運用コスト
レセコンの導入には、初期費用と運用コストの両方がかかります。主な初期費用の内訳例は、以下のとおりです。
- ハードウェア代
- ソフトウェアライセンス料
- 導入設定費
- 操作研修費
一方、運用コストには以下のような内容が含まれます。
- 月額利用料
- 保守サポート料
- アップデート費用
コストの考え方として、初期費用が高くてもクラウド型なら月額利用料が低めに設定されているケースが多く見られます。逆にオンプレミス型は初期投資が大きいものの、長期的には安くなる場合もあります。
導入前に5年から10年程度のトータルコストを試算し、自院の経営計画に合った選択が必要です。
操作性・見やすさ
レセコンは、医事スタッフが毎日利用するシステムであり、操作性に難があると、それだけでストレスになってしまいます。操作性が悪いと受付・会計時の待ち時間にもつながり、患者満足度の低下も招きかねません。
操作性は直感的で、サポート機能が備わっていると安心です。また、毎日利用するものだからこそ、見た目(ユーザーインタフェイス)もしっかり確認したいところです。導入前には必ずデモ画面を操作し、実際に使う医事スタッフの意見を参考にするとよいでしょう。
チェック機能
レセコン本来の機能は「レセプト請求」です。正しいレセプトを効率よく作れなければ、査定や返戻により収入が減少するだけでなく、再請求の手間も発生してしまいます。
レセプトの作成・請求のプロセスで、リアルタイムにチェックできるシステムが有効です。病名と薬・検査・処置などのチェックがリアルタイムにできれば、正しいレセプトがその場で作成できます。
チェック機能が充実しているレセコンなら、月末のレセプト点検作業の負担を大幅に削減できるでしょう。
サポート体制
サポートには、2年に1度の診療報酬改定対応と、日々のトラブルへの対応が含まれます。なお、診療報酬改定には薬価収載(年7回程度)も含まれるため、改定に合わせたシステム更新がスムーズなことは当然ですが、診療報酬の独特なルールを理解し、親身になって相談に乗ってもらえるメーカーを選びたいところです。
レセコンが止まると会計ができなくなり、処方箋や領収書、明細書も発行できなくなります。オーダーリング運用をしている場合は、診療自体も止まってしまいます。レセコンにトラブルが起きた時のサポート体制も大切なチェックポイントです。たとえば、サポート対応時間が自院の診療時間(夜間・休日含む)と合致しているか、緊急時の駆けつけサービスがあるか、リモート対応で迅速に解決できるかなどを確認する必要があります。
全国にサポート拠点をもつメーカーであれば、地方のクリニックでも安心です。その際、先に挙げた各サポート内容が月額の保守料に含まれているのか、別途有料なのかも事前に確認しておきましょう。
他システムとの連携のしやすさ
近年は「レセコン単体のみ導入する」のではなく、複数のシステムと組み合わせて、業務全体を一気通貫で効率化できる構成が求められています。
受付であれば、オンライン資格確認、診療予約システム、自動受付機など、受付業務を自動化・効率化するシステムとの連携が求められます。会計であれば、自動精算機、POSレジ、キャッシュレス決済など、会計(精算)業務を自動化・効率化するシステムとの連携が求められます。
システム連携は範囲や連携数など、内容によって費用が大きく変動します。レセコン同様ランニングコストもかかるため、理想と足元の状況を見比べながら、必要最低限のものから拡充していくと負担が少なく、スムーズでしょう。
レセコン導入・リプレイスを検討している方へ
すでにレセコンを導入している医療機関では「新しいシステムに乗り換えたい」というリプレイス需要も増えています。操作性の向上・制度対応の迅速化・クラウド化によるコスト削減など、リプレイスの理由はさまざまです。
ここでは、導入・切り替え時によくある疑問にお答えします。事前に確認すべきポイントをおさえれば、スムーズな移行が可能です。
既存システムからのデータ移行はどうなる?
レセコンを入れ替える際の最たる不安が、既存データの移行です。患者情報や診療履歴が失われてしまうと、診療業務への支障だけでなく、患者さんとの信頼関係に亀裂が生じてしまいます。
主要ベンダーは、CSVや専用ツールを使って以下のようなデータを移行できる仕組みを提供しています。
- 患者基本情報
- 保険情報
- 診療履歴など
導入前に「移行可能なデータ項目」と「移行対応サポート」を事前確認するのが鉄則です。見積もり段階で具体的なデータ項目リストを提示してもらい、不明点は必ず確認しておきましょう。
リプレイス中の業務は行える?
リプレイス中の業務は、運用の工夫次第で可能です。たとえば、切り替えタイミングを土日や休診日に合わせることで、データ移行による影響を最小限におさえられます。
移行作業前に確認すべきポイントは、以下2点です。
- 切り替え作業に要する時間
- サポート担当の立ち会い有無
また、作業時間が長引いた場合の対応策や、緊急時の連絡体制も事前に確認しておくと安心です。
操作研修・サポート体制の確認も重要
スムーズな移行のためには、メーカーや販売代理店が提供する研修体制が欠かせません。なぜなら、新しい操作に慣れるまで時間がかかり、スタッフの混乱が起きやすくなるためです。
研修の種類には以下が挙げられます。
- 導入時の初期研修
- オンラインマニュアル
- オンサイト講習など
サポート体制の確認では、以下の点をチェックしましょう。
- 操作サポート窓口が365日対応か
- 更新時のフォローがあるか
導入直後は予期せぬトラブルが発生しやすいため、いつでも相談できる体制が整っているメーカーを選びましょう。
レセコン選びの前に知っておきたい医療ITの現状
医療IT業界では、クラウド型システムが主流になりつつあります。従来はオンプレミス型が一般的でしたが、近年ではクラウド技術の進化により、セキュリティ面や安定性が大幅に向上しました。
レセコンもその潮流の中にあり、多くのメーカーがクラウド型製品を積極的に展開しています。
クラウド型が普及している背景には、以下のメリットがあるためです。
- 初期費用をおさえられるため導入しやすい
- 診療報酬改定やシステムアップデートが自動的に適用されるため、医療機関側の負担が少ない
- リモートサポートが充実しており、トラブル時も迅速に対応してもらえる
加えて、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、オンライン資格確認(マイナ保険証や公費医療証などの資格確認)や電子処方箋など、インターネット接続が前提となる制度が増えている点も大きいでしょう。
レセコンの老舗が提供するクラウド/ハイブリッド型電子カルテ
メディコムは、1972年から続くレセコンの老舗メーカーとして、50年以上にわたり医療現場を支えてきました。現在では、レセコン「Medicom-HRf core」に加えて、一体型電子カルテとして、以下2製品をラインナップしております。
- クラウド型電子カルテ「Medicom クラウドカルテ」
- ハイブリッド型電子カルテ「Medicom-HRf Hybrid Cloud」
どちらも診療から会計、請求までを一気通貫で管理できるため、入力の二度手間を省き、ヒューマンエラー防止に貢献するシステムです。
より詳しい内容をご希望の場合は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
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監修コメント
レセコンはクリニックの業務の中で、受付業務と会計業務を担うシステムです。そのため、受付スタッフのシステムという考え方が長年ありました。近年は、働き方改革や人手不足等の影響から、受付や会計を無人化・少人数化する動きが活発になっています。その影響から、レセコンはクリニックの人員体制、業務フローなどを総合的に考えて導入するシステムとなっています。
また、2026年には医療法が改正され、電子カルテについて「令和12(2030)年12月31日までに、電子カルテの普及率が約100%となることを達成するよう、クラウド・コンピューティング・サービス関連技術その他の先端的な技術の活用を含め、医療機関の業務における情報の電子化を実現しなければならない」と明記されています。今後は、「レセコンから電子カルテのステップアップがスムーズなこと」も重要な選定要素となってくることでしょう。
監修者情報
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