※中医協等において審議された内容に基づいて概要を記載しております。今後議論が進むに従い、内容が大きく変更する事も予想されます。ここに記載しました内容につきましては、あくまでも「参考情報」ということを予め御了承下さい。(令和3年12月22日現在)
【中医協・総会】 11月12日 中医協・総会 「外来(その3)」について
11月12日開催の中医協総会において、令和4年診療報酬改定に係る「外来医療(その3)」について議論が行われた。主な内容は、「紹介状なしで受診する場合等の定額負担について」、「紹介・逆紹介の推進について」、「医療資源重点活用外来を地域において基幹的に担う医療機関に係る評価について」、◆いわゆる大病院に紹介状を持たずに受診する場合の定額負担の議論については、現行の初診時5,000円、再診時2,500円から初診では2,000円程度、再診では500円程度の上乗せで検討が行われ、また現行制度では、除外要件として、「①緊急その他やむを得ない事情がある場合として、特別の料金の徴収を求めることが認められない患者」 、「②正当な理由がある場合として、徴収を求めないことができる患者」、の類型が存在するが、特に②の類型が曖昧であるとして、 除外要件の見直しが指摘された。
また、◆医療資源重点活用外来への評価として、「紹介患者を基本とする外来」、「外来化学療法を行う外来」、「日帰り手術を行う外来」など、今後位置づけられる予定の、「医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関」に係る評価の在り方や、当該医療機関とかかりつけ医との連携に対する評価(診療情報提供料Ⅲ)の検討が行われた。
【中医協・総会】 11月10日 中医協・総会 「在宅(その4)」について
11月10日開催の中医協総会において、令和4年診療報酬改定に係る「在宅(その4)」について議論が行われた。主な内容は、「小児の在宅医療について」、「救急搬送診療料について」、◆小児の在宅医療については、現行点数の「緊急往診加算」の算定要件が「往診の結果、急性心筋梗塞、脳血管障害、急性腹症等が予想される場合」と小児における緊急の往診が必要となる疾患等と異なる事を踏まえた要件の見直しについて検討が行われた。又、現行点数の「在宅がん医療総合診療料」について、成人と小児における在宅の末期がん診療の在り方を踏まえつつ、診療期間の長さ、注射による鎮痛療法、在宅療養指導管理料等包括範囲、看取りの評価の在り方について検討が行われた。◆救急搬送診療料について、入院患者を高次の医療機関へ搬送する事がある実態や、ECMO等を装着した患者の搬送に係るガイドラインが策定されたことを踏まえた評価の在り方について議論が行われた。
【中医協・総会】 10月22日 中医協・総会 「個別事項(その2)」について
10月22日開催の中医協総会において、令和4年診療報酬改定に係る「個別事項(その2)」について議論が行われた。主な内容は、「がん対策に係る評価について」、「難病対策等に係る評価について」、「アレルギー疾患対策に係る評価について」、 ◆がん対策に係る評価については、外来化学療法における緊急時の対応、副作用の発現に係る管理に係る評価の他、専門的な知識を有した管理栄養士の栄養指導に対する評価等について検討された。◆難病対策等に係る評価については、難病とてんかんにおけるかかりつけ医と専門医療機関との情報共有・連携に対する評価として、「診療情報提供料(Ⅲ)」の算定を視野に検討が行われた。◆アレルギー疾患対策に係る評価については、学校における配慮や管理が必要なアレルギー疾患を有する児童等の管理を行うにあたり、アレルギー疾患生活管理指導表を用いた、主治医から学校医等への情報提供について「診療情報提供料(Ⅰ)」の算定を可能とする検討が行われた。
【中医協・総会】 10月20日 中医協・総会 「外来(その2)」について
10月20日開催の中医協総会において、令和4年診療報酬改定 に係る「外来医療(その2)」について議論が行われた。主な内容は、「かかりつけ医機能に係る評価について」、「医療機関間の連携に係る評価について」、「生活習慣病に係る評価について」、「耳鼻咽喉科診療の評価について」、◆かかりつけ医機能に係る評価については、現行の「地域包括診療料・加算」の対象疾患に心不全とCKD(慢性腎臓病)を追加する検討の他、24時間対応薬局との連携や在宅医療の提供等施設基準の見直しについての議論が行われ、「小児かかりつけ診療料」においては、時間外対応加算の届出要件、24時間常時対応要件等施設基準の見直しについての議論が行われた。
◆医療機関間の連携に係る評価については、 前回の改定で新設された「診療情報提供料(Ⅲ)」について、紹介元の医療機関の届出状況の把握等ハードルが厳しく算定件数が伸びていない現状から、要件緩和の検討が行われた。◆生活習慣病に係る評価については、「生活習慣病管理料」について、カルテ記載に係る要件緩和の他、学会ガイドラインを踏まえた多職種連携による療養指導の重要性について議論を行われた。◆耳鼻咽喉科診療の評価については、抗菌薬の適正使用の推進として、「小児抗菌薬適正使用支援加算」の算定を可能とする議論の他、「耳処置」「鼻処置」「口腔、咽頭処置」を実施している場合に、当該領域に加え、別の領域の耳鼻咽喉科処置を組み合わせて実施している実態から、包括的な評価の検討も含めた評価の在り方について議論が行われた。
【中医協・総会】 10月13日 中医協・総会 「在宅(その2)」について
10月13日開催の中医協総会において、令和4年診療報酬改定に係る「在宅(その2)」について議論が行われた。主な内容は、「継続診療加算について」、「在宅療養支援診療所・病院について」、「外来を担当する医師と在宅を担当する医師の連携について」、「在宅ターミナルケア加算について」、◆「継続診療加算」については、今後も増大する在宅医療のニーズに対応するため、 在支診以外の医療機関へ在宅参画を促す目的として24時間要件緩和の提案が行われた。◆在宅療養支援診療所等については、在支診と在支病の中で、より高い機能の求められる機能強化型について、各医療機関が果たしている役割や機能に違いがあるとして、緊急往診等施設基準見直しの検討が行われた。また、人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえて、療養病棟や地域包括ケア病棟で要件化されている、 「適切な意思決定支援に関する指針」を定めておくことを要件化する検討も行われた。◆外来を担当する医師と在宅を担当する医師の連携については、外来において医療を受けていた患者が在宅医療を受けるに当たり、主治医が交代する場合もある現状を踏まえ、外来を担当する医師と在宅を担当する医師が共同して患者に必要な指導等を行うことに係る評価ついて、現行点数の「入院時支援加算」、「退院時共同指導料」をイメージした点数評価の検討が行われた。
◆在宅ターミナルケア加算については、現行、「死亡日及び死亡日前14日以内に2回以上の往診又は訪問診療」が求められるが、退院後に訪問診療を開始する前に往診で看取りに至った場合や、月1回の訪問診療を行っている患者の訪問診療の予定日前に状態の急変があり、往診を行いそのまま看取りとなった場合等算定できない事例がある事を踏まえた要件の見直しについて検討が行われた。