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  5. 皮膚科の開業資金や成功のヒント、平均単価を徹底解説

クリニック開業 医師 2024.01.26 公開

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皮膚科の開業資金や成功のヒント、平均単価を徹底解説

皮膚科の開業前に知っておきたい、初期投資の金額サンプルや成功のヒントをまとめました。気になる平均年収や診療報酬の単価、集患のコツなどもご紹介します。美容皮膚科についても解説。他の診療科目と比べて、立地の選定や内装などにも注意するのがポイントです。

※本内容は公開日時点の情報です

#開業検討

目次

1. 皮膚科の開業資金・平均年収に関して

(1)開業資金に関して

以下は、皮膚科クリックの投資予算のサンプルです。

皮膚科 開業投資予算 サンプル

分 類 項 目 単 価 単位 税 込
不動産 敷金 360,000 6 ヵ月 2,160,000 2,160,000
礼金 360,000 1 ヵ月 360,000 396,000
仲介手数料 360,000 1 ヵ月 360,000 396,000
設計・施工 設計・施工費 500,000 30 15,000,000 16,500,000
看板・サイン 500,000 1 500,000 550,000
医療機器 顕微鏡 300,000 1 300,000 330,000
レーザー系機器 各種(炭酸ガスレーザー、Qスイッチルビーレーザー、紫外線治療器) 12,000,000 1 12,000,000 13,200,000
その他機器(AED、滅菌機、無影灯、その他) 1,600,000 1 1,600,000 1,760,000
システム 電子カルテ 3,000,000 1 3,000,000 3,300,000
WEB予約システム 800,000 1 800,000 880,000
家具・家電 家具・家電 2,000,000 1 2,000,000 2,200,000
採用 採用経費 200,000 1 200,000 220,000
マーケティング ホームページ制作 1,000,000 1 1,000,000 1,100,000
開業前各種広告費用 2,000,000 1 2,000,000 2,200,000
資材等 ロゴマーク作成 100,000 1 100,000 110,000
名刺 50,000 1 50,000 55,000
パンフレット 300,000 1 300,000 330,000
診察券 50,000 1 50,000 55,000
封筒 50,000 1 50,000 55,000
研修時人件費 研修時人件費 100,000 5 500,000 550,000
行政手続き 社労士(労働保険、社会保険) 100,000 1 100,000 110,000
行政書士(開設届関係) 200,000 1 200,000 220,000
その他 雑費(備品、ユニフォーム等) 1,000,000 1 1,000,000 1,100,000
43,630,000 47,777,000

(C)株式会社G.C FACTORY調べ
※ 医師会入会費に関しては地域差があるのと、入らない先生もいるので外しています。
※各医療機器の価格はあくまでも参考価格となり、実際は購入のタイミングやメーカーの選定によって変動します。

前提条件を「テナント開業」「30坪(坪単価12,000円)」「医師1名」「軽い手術あり」と仮置きして作成をしています。皮膚科はまず、美容皮膚科にどれくらい注力するかによって機械の構成や内装の雰囲気が変わり、それに伴い投資予算が大きく変わってきます。今回は保険診療を中心にした場合の投資予算を作成しました。ちなみに実際には皮膚科、美容皮膚科に関して、そのバランスが100:0で分かれるというよりそのバランスは様々であり、両方を行っている先生が多くいます。

(2)平均年収に関して

次に平均年収に関してです。まず、統計データでは、皮膚科の平均年収は約2,710万円(※1)となっています。ただし、こちらは統計値に過ぎないという点があり、皮膚科の場合は美容皮膚科をどこまで行うかによって収益も変わってきます。そして、美容皮膚科は価格を自身で設定するため、美容皮膚科の集患がうまくいった場合、所得は大きく跳ね上がることとなります。保険診療のみの皮膚科の場合、皮膚科は平均単価が約3,945円と全診療科目平均の6,866円を下回っています(※2)。このことから皮膚科で所得を確保するには多くの患者数を診る必要があると言えます。

※1…出典:中央社会保険医療協議会「第22回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告-令和元年実施- p.149〜151(PDF)
※2…社会保険診療報酬支払基金「統計月報(2020年5月診療分)

2. 皮膚科の開業ポイント

次に、各開業工程におけるポイントを記載します。

(1)立地の選定

  • 保険診療メインの場合は視認性が高く、上記の通り単価が安い診療科目になるので、患者数をたくさん診られるように受付や待合室は広めに確保をしたほうが良いです。
  • 美容の割合が多くなってくる場合はWEBマーケティングでの集患割合が多くなることから駅からのアクセスが重要となります。

(2)内装

  • 当然皮膚疾患の方が多いので、入口は自動ドア、スリッパではなく靴のまま入るというような、患者さんがクリニック備品に触れないで済む対応が必要です。
  • 美容皮膚科が無い場合でもパウダールームがあると喜ばれます。またここでのアメニティに力をいれると高評価になります。
  • 診察室、処置室には当然スタッフが使用できる手洗い場がある必要があります。
  • レントゲンや大掛かりな検査室は不要なため、30坪ほどでも開業可能です。
  • 治療の際に脱衣をすることが考えられるため、誤って開けてしまったりしても大丈夫なように扉の内側にカーテンをつけたりすることもあります。
  • 患部を診るため、照明は明るくするか、無影灯を設置することもあります。
  • 女性の水虫などの会話の声が漏れないように、防音やBGMなどに配慮が必要です。

(3)採用

  • 保険診療の皮膚科の場合は、通常の内科クリニックのように医療事務と看護師を採用します。
  • 看護助手を雇用しているクリニックもあります。
  • 一部美容の機器を置く場合は、福利厚生でスタッフへの施術を実施すると応募が増えます。

(4)マーケティング

  • 患者の年齢層は多岐に渡るので、看板やチラシなどに加えてWEB広告が有効な診療科目です。
  • あざやほくろなど、自費診療と思われがちな診療について「保険によっても可能であること」を遡及していくことを意識してマーケティングをすることが有効です。
皮膚科の開業資金や成功のヒント、平均単価を徹底解説

(5)その他

  • 形成外科、アレルギー科などを一緒に標ぼうするケースも多いです。

3. 実際にうまくいった医師の成功事例

以下に、特徴的な方法によって皮膚科として成功されている先生の事例を記載します。

内科・皮膚科の組み合わせ開業で通年が繁忙期のクリニック

  • 都心の駅近くのビルで開業
  • WEBマーケティングに力を入れて、ホームページにも保険診療で診られる対象疾患を詳細に説明
  • 皮膚科に加えて内科も標ぼうをし、広く患者さんを受け入れる
  • 皮膚科は夏も繁忙期となり、内科は秋~冬が繁忙期となる。閑散期が異なる診療科目と組み合わせることで年中安定した収益を見込むことができる
  • 集患の季節変動を無くすことで人員体制の無駄(繁忙期に合わせて必要最大数を採用してしまい、閑散期も不必要な人件費を支払うこと)を省くことを可能としている

4. まとめ

皮膚科に関しては美容への取り組みによって大きく戦略が変わります。近年は男性の美容意識も上がってきており、保険診療をメインに押し出すような形にしつつ、ニーズのある方に自費の処置を提供したりドクターコスメを販売したりする戦略を取る先生もいれば、内科やアレルギー科とのシナジーを取って成功している先生もいます。一般的には単価が低いため、患者さんの数を集めるマーケティングや自費や追加の診療科目を加えるような戦略が必要となる診療科目です。その一方で設備にかかる費用は少ない診療科目と言えますので、その分の資金をこういったマーケティングに注ぐ余地もあります。

著作情報

金子 隆一

株式会社G.C FACTORY 代表取締役
https://ma.gcf.co.jp/

コンサルタントとして、医療機関のM&A、開業、運営支援において累計100件以上の実績を有する。クライアントの問題解決に励むと同時に、都内の大規模在宅支援診療所のバックオフィス業務の設計及び実行責任者を兼任している。

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