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クリニック開業 医師 事務長 2022.09.08 公開

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開業医は医師会に入るべき?メリットとデメリットを詳しく解説

クリニックの開業とともに「医師会」に入るか迷う方も多いのではないでしょうか。今回は、医師会に入会するメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

#開業検討 #開業直後の悩み

医師会は、医療活動の支援や地域医療の推進などを目的に設立された学術団体です。2021年12月時点で174,000人以上の医師が日本医師会に加入していますが、医師会への加入は義務ではありません。そのため、開業医は医師会に加入するかどうかの判断をする必要が出てくるでしょう。
本記事では、医師会の概要や加入するメリット・デメリット、加入時や加入しない場合の注意点などについて、開業医向けにわかりやすく解説します。

医師会の概要と役割

医師会は、医師の医療活動の支援や地域医療の推進などを行う民間の学術団体です。日本医師会のホームページには、「医道の高揚、医学及び医術の発達並びに公衆衛生の向上を図り、社会福祉を増進すること」を目的として運営されていることが記載されています。

また医師会は、医師の生涯研修、地域医療の推進や発展、保険医療を充実させるための活動や提言を行う役割を担っています。

医師会には、日本医師会と47の都道府県医師会、約890の地区医師会があります。それぞれの役割について、下記で確認しておきましょう。

【各医師会の役割】
●日本医師会
…国や官公庁などの行政に対し、全国の医師を代表して医療政策に係る諮問・提言を行います。

●都道府県医師会
…都道府県民の健康維持を目的とし、主に協議会の実施や啓発活動を行っています。そのほか、救急や災害医療への取り組みや大学との窓口として研究や教育に関わるサポートも実施しています。

●地区医師会
…地域医療を最前線で担っています。市区町村と連携して検診・予防接種などの予防医療を行うのに加えて、一次救急医療体制の維持に関わる活動も行っています。また、医師会病院、看護師養成学校、老人保健施設などの運営を行っている場合もあります。

それぞれ独立した組織(公益法人)ですが、地区医師会の会員でなければ都道府県医師会に入会できず、都道府県医師会の会員でなければ日本医師会に入会できないので注意しましょう。

日本医師会の会員は、現在約174,000人です。その内訳は、開業医(病院・診療所の開設者、管理者及びそれに準ずる会員)が約83,000人、勤務医が約91,000人となっています(2021年12月時点)。

厚生労働省の『医師・歯科医師・薬剤師統計』によると、2020年12月31日時点で「診療所の開設者又は法人の代表者」にあたる医師は72,586人。日本医師会に加入している「診療所開設者」は2021年12月1日時点で69,900人に上るため、異なる年での比較ではありますが、9割程度の開業医が日本医師会に加入していることがわかるでしょう。

▼参考サイトはコチラ
DOCTOR-ASE『医師会の三層構造』
日本医師会『日本医師会会員数調査』
厚生労働省『医師・歯科医師・薬剤師統計』

医師会に入会するメリット

まず前提として、医師会への入会は必須ではありません。しかし、数々のメリットがあることから、多くの医師が加入しています。
こちらでは、医師会に入会する6つのメリットを見ていきましょう。

医療知識をアップデートできる

日本医師会に加入することで、下記のような手段で最新の医療情報を取得できます。

・各都道府県の医師会との協働で行われる講習会や研修会、実地研修に参加できる
・日本医師会発刊の『日本医師会雑誌』『日本医師会雑誌特別号』『日医ニュース』が購読可能
・「日本医師会医学図書館」が利用できる

日本医師会医学図書館は、会員専用の図書館です。約68,000点の医学関連図書や国内外の雑誌を備えており、貸し出しや文献調査、複写サービスを利用できます。

検診や予防接種など受託事業に参加できる

医師会に加入すると、医師会受託事業に参加できます。
主な事業・活動は次の通りです。

・健診事業
・予防接種事業
・がん検診
・各種委員会委員
・産業医活動
・高齢者施設管理医・従事医師 など

これらの事業・活動に参加することで、診療以外の収入源を確保できるほか、地域住民からの認知拡大も期待できます。

地域の医師とのつながりができる

医師会が主催する講習会や研修会で出会った医師と交流できます。
参加者はその地域で病院やクリニックを経営する医師や勤務医のため、関係性を構築すれることで、以下のような連携が可能になるでしょう。

・クリニックの開業や病院経営などに関する情報交換
・必要に応じて患者さまに病院やクリニックを紹介する際の候補先を見つける

医師のための賠償責任保険がある

医療事故に備える保険として、日本医師会が運営する医師賠償責任保険(以下:医賠責)に加入できます。医療事故による紛争が起きた際に、賠償と紛争を解決するために、保険会社と日本医師会、都道府県医師会の3者がサポートしてくれます。

【日本医師会医師賠償責任保険】
対象:医療行為によって生じた身体の障害について損害賠償を請求され、その請求額が100万円を超えるもの
年間総支払限度額:1事故につき1億円(免責金額は100万円)
保険期間中の支払限度額:3億円
免責金額:1事故につき100万円(同一医療行為について)

また、法人(99床以下の法人率病院・法人率診療所)を運営する医師会会員が、管理者として会員ではない医師による医療事故に備えたい場合、任意加入の「日医医賠責特約保険」が利用できます。年間総支払限度額は、1事故につき3億円、保険期間中は9億円です(損害賠償請求日が2020年6月以降の場合)。

医師年金制度がある

老後の生活の安定を目的に、医師年金制度を設けています。 基本年金保険料として、月額12,000円、年払138,000円の保険料を満65歳まで払い込みます。さらに任意で月額1口6,000円(上限なし)、随時払い1口10万円(回数・金額ともに上限なし)を加算年金保険料として払い込めば、加算年金が受け取れます。

65歳以降、振り込んだ保険料により、以下のような形で年金を受け取れます。

・終身年金(一生涯、同じ金額を受け取り)
・確定年金(基本年金を終身で、加算年金を5年間・10年間・15年間で受け取り)

医師会に加入するデメリット

一方、医師会への加入にはデメリットもあります。前述のメリットと比較したうえで加入するかどうかを判断しましょう。

医師会に加入するデメリットは次の通りです。

入会金・年会費がかかる

地区医師会・都道府県医師会・日本医師会のそれぞれで入会金や年会費がかかります。都道府県医師会と地区医師会の多くは入会金・年会費が非公開のため、詳細は問い合わせましょう。

また、東京都内でも区によって入会金は異なります。開業を機に入会を検討される方は、開業地を検討する際に金額をチェックしておくと良いでしょう。

ここでは、京都府医師会の料金を参考に、入会金・年会費を試算します。

【日本医師会の年会費】
・開業医…126,000円
・勤務医…68,000円(30歳以下は39,000円、医賠責未加入は28,000円)
・研修医…15,000円(医賠責未加入で申請を行った場合は0円)

なお、日本医師会の入会金はありません。

次に、京都府医師会について見ていきます。

【京都府医師会の年会費】
・開業医や病院の管理者など(医賠責適用)…210,000円
・勤務医…38,400円
・医師養成課程がある大学に在籍する医師…8,400円
・研修医…無料
・その他の区分の医師…8,400円

京都府医師会では、開設者・管理者のみ100,000円の入会金を支払います。また、新規開業した場合は、会館保全特別会費として、下記の金額を支払う必要があります。

【京都府医師会の会館保全特別会費】
・京都市内……750,000円
・乙訓・宇治久世・綴喜・亀岡……450,000円
・その他の地域……350,000円
※いずれも一括納入の場合

これらを踏まえると、京都府で開業した1年目の医師が京都府医師会と日本医師会に加入するのにかかる年間の費用は40万円以上になることがわかるでしょう。

なお、上記に加えて地区医師会の入会金・年会費がかかります。

▼参考資料はコチラ
京都府医師会『京都府医師会入会案内』

当番医や診療以外の業務負担が増える

医師会に加入している医師は、以下のような役割を担うことを求められることがあります。

・救急病院・診療所の休日当番医
・夜間診療
・学校医への対応
・市民向けの公開講座
・介護保険の審査

よって、業務負担は増える可能性が高いでしょう。
公開講座などの業務を診療時間内で対応する場合は、その時間帯を休診にするかほかの勤務医に任せざるを得ません。

医師会に加入する場合としない場合の注意点

医師会への加入は必須ではありませんが、さまざまな問題が起きる可能性があります。また、脱退する際にもいくつかの注意点を守らなければなりません。医師会に加入する場合と加入しない場合の注意点と対策について解説します。

医師会に入る場合の注意点

1.加入にあたってのローカルルールが存在する
加入する場合は開業前にあいさつをしておく必要があるなど、ローカルルールが存在するケースがあります。加入条件の確認もかねて、検討段階で事前に連絡しておくと良いでしょう。

2.年会費を開業資金として準備しておく
開業直後は収入が安定していないケースが多いでしょう。そのため、開業資金の一部として医師会の入会金や年会費を準備しておくのがおすすめです。

医師会に入らない場合の注意点

1.医師国保に入れない
東京都医師国民健康保険組合や福岡県医師国民健康保険組合などは、医師会員のみが加入できます。医師国保は保険料が収入によって変動しないため、収入次第では国民健康保険よりもお得です。医師国保に加入できない場合は、市区町村が用意する市町村国保などに加入しましょう。

2.日本医師会が運営する医賠責の対象外になる
医師会に加入しない場合、日本医師会の医賠責には入れません。
必要な場合には、そのほかの医賠責を探して加入する必要があります。

3.最新の医療情報を取得しづらい
医師会に加入しない場合、講習会や研修会などに参加できません。ほかの医師とのつながりも作りにくく、最新の医療や経営に関わる情報を取得しづらくなるでしょう。

医師会以外の場所で地域の医師やコンサルタントなどと積極的につながりを作るほか、出版物やインターネットを利用した情報収集が必要です。

メリットとデメリットを踏まえて入会を検討しましょう

医師会への入会は任意です。医師会に加入することは、最新の医療や経営に関わる情報収集や地域住民からの認知拡大などの観点から、メリットは大きいと言えるでしょう。

ただし、収入が安定しない開業時は、入会金や年会費が大きな負担となり得ます。

そのため、加入の是非については、今回ご紹介したメリットとデメリットを確認したうえで、慎重に検討しましょう。

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