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電子カルテ 医師 事務長 2026.07.17 公開

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レセプト返戻とは|発生理由・返戻事由コード・再請求の流れ・対策を解説

レセプト返戻は、クリニック経営に直接的な影響を与えます。適切な対応によって、迅速な対応や未然防止が可能です。本記事では、レセプト返戻の基本的な定義から、返戻が発生する主な理由、返戻を未然に防ぐ対策まで、現場で役立つ情報を体系的に解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

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目次

レセプト返戻とは?査定との違い

まず、レセプト返戻の基本的な定義と混同されやすい「査定」との違い、審査機関の種類と届く書類について解説します。

レセプト返戻とは|発生理由・返戻事由コード・再請求の流れ・対策を解説

基本の定義

レセプト返戻とは、提出したレセプトの記載内容に不備があると判断された際、審査機関(支払基金・国保連)から差し戻されることを指します。口語的に「レセプトを切られる」「点数を切られた」などと表現されることもあります。

返戻された月のレセプトは診療報酬として支払われません。よって、不備があるとされた内容を確認・修正したうえで、翌月以降に再請求して収入を確保する必要があります。

返戻の基本的な流れは下図のとおりです。

基本の定義
出典:厚生労働省「オンラインによる返戻再請求の実施についてのご案内P2より抜粋して提示」(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001281153.pdf

返戻と査定の違い

返戻と混同されやすい用語に「査定」があります。どちらも審査支払機関による対応ですが、その意味と医療機関への影響は大きく異なります。主な違いを下表にまとめました。

比較項目 返戻 査定
意味 不備を理由に差し戻し 請求内容を減点・不支給と決定
報酬の支払 差し戻された月は支払われない 減額または不支給となる
再請求の取り扱い 訂正後に再請求できる 原則として再請求不可
放置した場合のリスク 収益の遅延・未回収 収益の恒久的な減少

返戻は訂正・再請求によって収益を回収できるのに対し、査定は原則として再請求はできません。返戻・査定のいずれも放置すると収益に直結するため、発生した際は速やかな対応が求められます。

審査機関の種類と届く書類

審査支払機関は大きく社保(支払基金)と国保(国保連)の2系統に分かれており、患者さんが加入している保険の種類によって提出先が異なります。対象の主な保険は、下表のとおりです。

審査機関 主な対象保険
社会保険診療報酬支払基金(支払基金) 健康保険組合・共済組合・生保など
国民健康保険団体連合会(国保連) 国民健康保険・後期高齢者医療など

増減点連絡書(点数等に異動が生じた場合の帳票)や返戻内訳書(点数等の内容を確認できる帳票)など、関連する情報はオンライン請求システムからダウンロードして確認できます。

返戻が発生する3つの主な理由

返戻の発生理由は大きく3つに分類できます。自院での発生傾向を把握するうえで、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

なお、返戻の原因分類と具体的な対策は「日本レセプト学会」監修のお役立ち資料でも解説しています。手元資料として、あわせてご活用ください。

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保険資格に関する誤り(事務上の理由)

返戻のなかでも基本的内容ながら発生しうるのが、保険資格に関する誤りです。主な内容は以下のとおりです。

  • 保険証の記号・番号・氏名・生年月日・負担割合の誤り
  • 有効期限切れの保険証での請求
  • 資格喪失後の保険証を使用した請求

マイナ保険証ではなく資格証明書を利用している患者さんだと、最新の資格情報が確認しきれない可能性があります。マイナ保険証の促進を含めた、窓口業務の整備が返戻防止につながるでしょう。

診療内容に関する不備

診療行為と傷病名の関係が不整合な場合も、返戻対象です。代表的なケースは以下のとおりです。

  • 傷病名の記載漏れ
  • 診療行為に対応する傷病名がない(病名漏れ)
  • 医学的な適応外と判断された診療行為
  • 病名と診療内容の対応関係が不明確な場合

カルテの記載内容とレセプトの算定内容が一致しているかどうかは、レセプト担当者の努力だけではなく医師の協力が欠かせません。カルテ記載からレセプト作成までの体制が整っているかどうか、十分かどうかの確認が質改善の一丁目一番地といえます。

算定ルール・請求上のミス

診療報酬の算定ルールや、請求事務の誤りに起因する返戻も一定数発生します。主な内容は以下のとおりです。

  • 施設基準の届出がない項目の算定
  • 重複請求(同一患者・同一診療行為の二重請求)
  • 点数集計の誤り・固定点数(診療行為ごとに定められた点数)の誤り
  • 摘要欄(レセプト上で診療内容の補足説明を記入する欄)への記載漏れ・記載方法の誤り

同様のミスが続いてしまうと、「不当請求」や「不正請求」と見なされかねません。診療報酬の算定ルールは改定時だけではなく、厚生労働省からの事務連絡などで通知される場合もあります。最新の算定要件を定期的に確認し、自院の対応状況をチェックする習慣が必要です。

返戻区分コード一覧

返戻通知書には「返戻区分コード」が記載されており、どの理由で差し戻されたかを番号で確認できます。下表は社保の返戻区分コード表です。どのような返戻が多いのか、傾向と対策の一助として参考になさってください。

返戻区分コード一覧
出典:社会保険診療報酬支払基金「オンラインによる一次請求返戻ファイル及び再審査等返戻ファイル並びに再請求ファイルに係る記録条件仕様(令和8年6月版)別表5 返戻区分コード」(https://www.ssk.or.jp/seikyushiharai/iryokikan/download/index.files/rezept01.pdf

返戻レセプトの対応手順

返戻が届いた際は、大きく以下の3ステップで対応します。

  • 返戻レセプトのダウンロード
  • レセコンでの修正作業
  • オンライン請求システムで再請求

ダウンロード可能な期間は直近3か月分です。期限を超えた分は確認できなくなってしまうため、期限内に必ずダウンロードしておきましょう。

返戻レセプトの対応手順
出典:社会保険診療報酬支払基金・都道府県国民健康保険団体連合会「オンライン請求システム操作手順書【運用】編<医療機関・薬局・訪問看護ステーション用>P5より抜粋して提示」(https://www.ssk.or.jp/seikyushiharai/iryokikan/download/download_01.files/online_m_i.pdf

返戻されないための対策3選

返戻の発生を未然に防ぐには、事務的な確認体制の整備・診療内容の管理・改定情報への継続的な対応の3つが柱といえます。それぞれチェックリスト形式でまとめたため、参考になさってください。

事務的内容への対策

事務的内容への対策は、基本情報や算定内容のチェックが挙げられます。項目例は以下のとおりです。

チェック項目例
  • 保険証の記号・番号が正しいか
  • 氏名・生年月日が正しいか
  • 負担割合が正しいか
  • 施設基準に合致しているか
  • 重複請求がないか

診療内容への対策

診療内容への対策は、病名と診療行為との整合性チェックが挙げられます。項目例は以下のとおりです。

チェック項目例
  • 傷病名と診療行為の整合性はとれているか(算定要件を満たしているか)
  • 診療行為に対応する傷病名が記載されているか
  • カルテの記載内容とレセプトの算定内容が一致しているか
  • 高額レセプトや稀有な症例は医師によるレセプト確認がされているか

診療報酬改定への継続的な対策

診療報酬は原則2年ごとに改定され、算定要件や施設基準が変更されます。以下の取り組みを継続することで、改定への対応漏れを防ぐ体制構築につながります。

チェック項目例
  • 定期的なスタッフ向け勉強会・院内研修の実施を検討する
  • 厚生労働省や審査機関の最新情報を定期的に確認する

なお、ウィーメックスが運営するメディコムパークでは、診療報酬改定に関する解説記事や最新の算定情報を定期的に発信しています。会員限定コンテンツも用意しているため、情報収集の1つとしてご活用ください。

メディコムパークの会員登録はこちら(無料)

返戻の負担軽減に貢献するシステムのご紹介

返戻を「発生しにくくする」「発生後の対応を速める」両面で、レセコンや電子カルテシステムは有効です。ウィーメックスが提供するレセコン一体型電子カルテ「Medicom クラウドカルテ」は、以下の機能によって返戻リスクの低減と業務効率化を支援します。

  • 入力時のリアルタイムチェック機能による請求漏れ・算定誤りの早期検出
  • 算定ルールの自動チェックによる施設基準違反リスクの低減
  • 病名と診療行為の整合性確認補助
  • 返戻発生後の修正・再請求をスムーズにするレセコン一体型の操作フロー

実際に導入いただいた先生からは「うちのスタッフは医療事務の経験がほとんどない者もいます。でも、ごく自然に使えている。それが、このカルテの使いやすさだと、使い続ける中で実感しています」との声をいただいております。

製品のより詳しい内容や導入事例はそれぞれのページに掲載しているため、参考になさってください。

レセコン一体型電子カルテ「Medicom クラウドカルテ」の製品ページを見る

「Medicom クラウドカルテ」の導入事例ページを見る

まとめ

レセプト返戻は、保険資格の誤り・病名漏れ・算定ルール違反など、さまざまな原因によって発生します。あらためて、以下のポイントを例に体制が整っているかどうかご確認ください。

  • 返戻と査定の違いを正確に理解し、対応の優先度を判断する
  • 返戻通知書はダウンロード期限内(3か月)に必ず確認する
  • 返戻事由コードをもとに不備箇所を特定し、当月中の修正・再請求をめざす

返戻は、経営にマイナスの影響を与えるリスクの1つです。システム導入を含め、自院にとって着手しやすい方法から取り組んでみてはいかがでしょうか。

著者情報

武田 直也 様

フリーランスWebライター。18年間、医療事務として合計3つの医療機関に従事。診療報酬をはじめ、診療情報管理士の資格を活かしたカルテ監査やDPCデータ分析、クリニカルパスなどの医療情報利活用に精通している。

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