目 次
「誰でも同じように動ける」クリニックを目指して
今回、Medicom-HRf Hybrid Cloudを導入いただいたのは「しぶしあおぞら小児科」。本院である「あおぞら小児科」(鹿児島市)は、2012年開業の小児科クリニックです。医療法人元洋会として、保育園・病児保育・放課後等デイサービスなど、医療の枠を越えた複数の関連施設も運営されています。
本院はシーズンによって、1日200人以上の患者さんが来院する、地域医療を支える存在です。同クリニックの理事長立元先生が、開業当初から一貫して大切にされている考え方があります。「誰が誰の代わりでもできる体制をつくること」です。
「私一人ですべての患者さんを同じレベルで満足いただけるようにするのは、どうしても難しい部分があります。でも、頼れるスタッフがいれば(育てれば)、決して難しい話ではありません。そこが大事だと思っています」(立元先生)
定期的な勉強会や診療現場での教育を重ねることで、強固な体制を構築されてこられました。特定の個人に依存しない仕組みづくりへのこだわりは、電子カルテの選定にも深く関わることになります。
2026年、志布志市に分院「しぶしあおぞら小児科」を開院。約3年にわたって地域の小児科が不在だった地域待望の開業です。院長として赴任された櫨木先生はこう語ります。
「地域の方も困っている、望まれてやるからには、期待に応えたいと思っていました。」(櫨木先生)
ハイブリッド型電子カルテを導入するまでの経緯
本院でクラウド型を選択した理由
開業以来使用していたシステムのサービス終了の噂を聞いた段階で、立元先生は次の選定を動き始めました。折しも分院の開業も決まっていたため、「本院・分院で同じ電子カルテを使えないか」という発想が生まれます。
そこで、複数施設からどこでもアクセスできるロケーションフリーの点と、コストの低さからクラウド型が候補に挙がります。実際に提案されたクラウド型の画面はすっきりとしており、「どんなものでも使いこなせるだろうと、当時は深く考えずに(他社のものに)決めてしまいました。」(立元先生)
クラウド型の運用で生じた課題
ところが実際に使い始めると、想定外の課題が重なっていきます。クラウド型の電子カルテは、2号紙画面を開いたときに表示される情報量が少なく、詳細を確認するにはマウスを操作して、別ウィンドウを開く必要がありました。読み込みにも時間がかかり、「思っていた以上に診療の足を引っ張ること」に気づいたと振り返ります。
とくに気にされたのが付箋(メモ)機能でした。患者さんの病歴や大切な背景情報を見落とすリスクを感じていました。「パッと開いた瞬間に目に入ればそれだけで防げることもある。見落としが一番怖いです。」(立元先生)
そのほか、運用面において以下のような課題が生じ、対策を講じてこられました。
- 文書作成の手間:紹介状や診断書の作成には、カルテと別にWordを開いて記載し保存、そしてアップロードするなど複数の手順が必要になり、繁忙な診療の中での時間的なロスが生じた
- 作り込みの制限:診療スタイルに合わせて画面をカスタマイズしたくても、現場での細かい対応に限界があった
- レセプト精度の変化:(旧システムにはあった)算定漏れを検知するアラートが機能しなくなり、スタッフの努力で対策しているものの、負荷が増しているという状態が続いた
ロケーションフリーという当初の目的は果たせていた一方、日常診療の使い勝手の観点が、選定時に十分に検討できていなかったと立元先生は振り返ります。
分院開業にあたり、あらためて電子カルテを選び直す
こうした経験を踏まえ、分院の電子カルテ選定は一からやり直します。ITに強く、信頼している近隣の医師のお話も参考にしながら、デモで実機を確認し、選定されたのがMedicom-HRf Hybrid Cloudです。
電子カルテの視認性が診療では大切。とくに、大事な情報が画面を開いたときに表示されるかどうかが、見落とし防止に効果的と考えておられました。
「知りたい情報をクリックしないといけないのは避けたい、最初の画面で「パッと」見えると見落としは軽減できます。実機を見せてもらったところ、付箋(メモ機能)を同時に4つ表示できており、『これはいいね』という第一印象を持ちました。」(立元先生)
加えて、分院開業にあたって医療事務の経験者採用が難しかったこともあり、病名チェックと会計チェックの精度も大きな選定理由となりました。そして、本院での経験から痛感していた「止まらないこと」への備えとして、ハイブリッド型の安定性も外せない条件でした。
「Medicom-HRf Hybrid Cloud」の使い勝手
立元先生:「止まらない安心感」と「仕組みで支えるレセプト精度」
立元先生がもっとも強調するのは、システムの安定性です。
「鹿児島は災害や通信障害の多い地域です。診療が止まってしまった経験から、院内にNAS(ネットワーク型ストレージ)を設置し、オンライン・オフラインどちらにも対応できるようにしたほどです。クラウド型は万が一でも、外部サーバーが落ちてしまったらおしまい。でもハイブリッド型なら、院内に電源さえあれば動き続けられる。」
分院では、ネットワークの入り口にウイルスをブロックする仕組みを導入した院内サーバー型の環境を整えています。セキュリティへの対応が国レベルで本格化している現在、ランサムウェアなどの攻撃を受けた場合でも、サーバーが2つあるハイブリッド型は復旧しやすい環境構築が可能です。また、複数の診療報酬でBCP策定が施設基準に設けられるなど、重要性と危機感を制度の部分からも後押ししている状況にあると整理できます。
もうひとつ立元先生が評価されているのが、未経験スタッフでもクリニック運用が成り立っている点です。分院開業初日に会計情報が形になっていたという報告は、選定時の期待が現実になった瞬間でした。
本院で長年取り組んでこられた「誰でも誰かの代わりができる体制」という哲学が、Medicom-HRf Hybrid Cloudの持つ提供価値と組み合わさって現実化した形ともいえます。
櫨木先生:「必要なものが手の届くところにある」
直近まで大病院にご勤務されていた櫨木先生にとって、クリニックの電子カルテへの移行は「機能が減った」というより「余分なものが削ぎ落とされた」感覚に近かったと振り返ります。
「大病院の電子カルテはどんどん肉付けされていて、『探しものが見つからない』場面があります。Medicom-HRf Hybrid Cloudはシンプルで、必要なものが手の届くところにある感じです」。
また、動作の速さも印象的だと教えてくださいました。
「サクサク動くのでストレスがないですね。これまでに使った製品だと、一つ操作するごとにぐるぐる待たされるものが多いけど、これは院内サーバーゆえの利点でしょうか」。
運用面では、処方・オーダーをシートで入力する形を基本とされており、複数の非常勤医師も同じシートで診療できるよう整備されています。体重別のシートも作成されており、小児科の診療実態に合わせた使い方を実現されています。成長曲線も日常的に活用しており、問診時にスタッフが体重を入力しておくことで、櫨木先生はグラフを見ながら患者さんに説明するだけの流れが定着しました。
カルテ画面の一覧性については、こう語ります。
「一画面で自分たちの記録が丸ごと見られる。前回どうだったかを把握する時間が、ずいぶん短くなりました。付箋も、パッと開いた最初の画面に出てくる。マウスカーソルを合わせると内容が全部出るのもいいですね」。
最後にレセプト・算定については「病名が入っていないなどをアラートで教えてくれる。そのおかげで病名漏れがほとんどありません。新しい加算が出てきてもサポートの方に手伝ってもらえるので、安心感があります。」と、開業されてからの実感を伝えていただきました。
事務統括・坂上様:「選択肢から選ぶだけで、返戻が減る」
分院の開業初日にレセプトがほぼ仕上がっていたことについて、法人を統括する坂上様はその理由をこう説明します。「他社の電子カルテにも『病名がない』とアラートが出るものはあります。でもメディコムは、添付文書上で認められている病名が選択肢として出てきて、そこから選べる。だから返戻が少ないのだと感じています。」
以前のシステムでは病名をフリー入力する必要があり、スタッフが病名と薬剤の対応を記憶・習得しなければなりませんでした。
Medicom-HRf Hybrid Cloudは選択肢の中から選べるため、「頭の中で診療内容をイメージしながらゼロベースで入力する必要がありません」「病名の転帰や治癒が簡単にできる点もすごく大きい。ドクターには関係ないですが、医療事務的にはすごく大きいですよ」と話されます。
会計時の管理料チェックで取り漏れも防止できており、診療予約・受付管理システムとの連携で新患登録もワンアクションで完結するようになりました。
「レセプトは、事務員の能力と努力に左右されます。しかし、病名チェックや会計チェック精度が高いMedicom-HRf Hybrid Cloudでは、レセプトの精度を底上げして、業務の属人化を防ぐ仕組みが備わっていると感じます。」
個人に依存しない仕組みづくりを
本院での電子カルテ導入経験を踏まえ、今回の分院での選定におけるポイントを教えていただきました。
「電子カルテはシンプルさやコストが重視される傾向にありますが、世の中、『安かろう良かろう』はない、と痛感しました。それよりも、『誰でも同じように対応できる仕組みを作ること』が重要だと考えています。
いずれ患者さんの数が増えてきたときに、自分ひとりでできることには限界があります。病院勤務とは違い、経営者である自分が強いチームをつくらなければなりません。
たとえば、紙カルテの時代はレセプトスキルの高い医療事務スタッフが必要でしたが、今は違います。
特定の個人に依存しない仕組みづくりができるかどうかは、ぜひ選定軸に含めてもらえたらと思います。」(立元先生)
しぶしあおぞら小児科
住所:鹿児島県志布志市志布志町志布志二丁目6番地18号
診療科目:小児科
Webサイト:https://sites.google.com/view/shibushiaozora
HRシリーズ(電子カルテ)について
製品の特徴・機能・操作など気になることがございましたら、
お気軽にお問い合わせください。
オンラインデモも承っております
メディコム製品のご相談はこちらHRシリーズ(電子カルテ)の
導入事例
-
消化器と診断・治療内視鏡クリニック様菊池 大輔 先生
診療所 HRシリーズ(電子カルテ)
病院勤務と並行するスタイルでの開業
診療所 HRシリーズ(電子カルテ)
-
おはな泌尿器クリニック様花井 禎 先生
診療所 HRシリーズ(電子カルテ)
期待した通りの運用サポートに満足
診療所 HRシリーズ(電子カルテ)
-
藤原台にしむらクリニック様西村 公志 先生
診療所 HRシリーズ(電子カルテ)
豊富な導入実績と高いシェアに信頼感
診療所 HRシリーズ(電子カルテ)
導入製品のご紹介
HRシリーズ
(電子カルテ)
「単純な業務ミスが生じる」「業務の品質が定着しない」「患者と向き合う時間が少ない」「レセプト業務で疲弊してる」という悩みをMedicom-HRf Hybrid Cloudが解決します。
