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クリニック・薬局経営コラム

2022年最新版 調剤報酬改定の変更点やポイントに関して

2022年度の調剤報酬改定では、リフィル処方箋の導入、薬剤調製料・調剤管理料・服薬管理指導料の新設などが実施されています。調剤薬局で働く薬剤師や調剤事務の方々は、4月の改定に際して、内容の把握や改定に向けた準備に追われているのではないでしょうか。今回は、その改定のポイントを解説します。

目次

調剤報酬改定の基本をおさらい

まずは調剤報酬改定の基本方針について説明します。

診療報酬の改定は2年に1度が基本

診療報酬とは、被保険者が保健医療サービスを保険医療機関や保険薬局で受けたとき、サービスを提供した施設がその対価として保険者から受け取る報酬のことで、国によって定められています。現状に則した報酬を定めるために、経済状況や医療を取り巻く環境の変化に応じて基本的に2年に1度改定が行われているのです。
今回の改定では、診療報酬全体の改定率が+0.43%、調剤で+0.08%で、薬価で▲1.35%でした。

参考:厚生労働省「診療報酬改定について」

調剤報酬の改定は4つの方針に沿って実施

診療報酬うち、保険調剤を行ったときの報酬を調剤報酬と呼びます。調剤報酬は大きく「調剤技術料」「薬学管理料」「薬剤料」「特定保険医療材料料」で構成されています。 診療報酬改定とあわせて実施された2022年度の調剤報酬改定は、以下の4つの方針に沿って行われました。

●薬局薬剤師業務の対物中心から対人中心への転換の推進
●薬局の機能と効率性に応じた評価の見直し
●在宅業務の推進
●ICTの活用

具体的には、「調剤技術料」と「薬学管理料」の内容が変更されているので確認しておきましょう。

2022年における変更のポイント

次に、上記の4つの方針に従って行われた調剤報酬改定のポイントとなる部分を解説します。

リフィル処方箋の導入

今回の診療報酬改定で新たに「リフィル処方箋」が導入されました。これにより、医師が繰り返し使用可能と判断した処方箋を基に3回まで調剤を行えるようになります。
リフィル処方箋は基本的にすべて同一の薬局で調剤することを前提とし、患者さまの服薬状況などからリフィル処方箋による調剤が適切でないと判断した場合は、調剤をせずに受診勧告、処方医への情報提供を行います。
また、1~2回目の調剤終了後はリフィル処方箋の写しを保管して、総使用回数の調剤が終わったリフィル処方箋を調剤済み処方箋として保管するよう定められました

【調剤技術料】調剤料の廃止と薬剤調製料の新設

薬剤師の対物業務と対人業務を明確化する目的で調剤料が廃止され、そのうちの対物業務の評価として薬剤調製料が新設されました。また、内服薬の調剤料は処方日数に応じて段階的な評価体系でしたが、薬剤調製料では1剤につき24点で固定です。
調剤技術料のなかで、上記以外に見直しの実施や新設された評価を紹介します。

後発医薬品調剤体制加算の見直し

今回の改定で後発医薬品の調剤数量割合の基準が以下のように見直されました。

●後発医薬品調剤体制加算1(80%以上) 21点
●後発医薬品調剤体制加算2(85%以上) 28点
●後発医薬品調剤体制加算3(90%以上) 30点

また、後発医薬品の調剤数量割合が著しく低い薬局に対する調剤基本料の減算規定が見直されました。具体的には、減算点数が2点から5点に見直され、対象となる薬局の範囲が拡大されました。

調剤基本料の見直し

大規模グループ薬局における調剤基本料が見直されました。調剤基本料3のロ(13点)の対象となる薬局が「同一グループの処方箋受付回数が月40万回超または店舗数が300以上であって、集中率が85%を超える」かつ「処方箋集中率が85%超」に変更され、同規模のグループ薬局で「処方箋集中率が85%以下」の薬局の評価を新設調剤基本料3のハ(32点)として新設されました。

特別調剤基本料の見直し

いわゆる同一敷地内薬局に対する調剤基本料等の見直しの結果、特別調剤基本料の点数が処方箋の受付1回につき9点から7点に引き下げられています。

地域支援体制加算の見直し

地域支援体制加算は施設基準のうち「在宅薬剤管理の実績」が年間24回以上に見直されたことに加え、以下のように類型化されました。

●地域支援体制加算1(39点)
●地域支援体制加算2(47点)
●地域支援体制加算3(17点)
●地域支援体制加算4(39点)

施設基準を満たすことで、調剤基本料1を算定する薬局は地域支援体制加算1もしくは2を加算できます。一方、調剤基本料1以外を算定する薬局では、地域支援体制加算3もしくは4を加算できるようになるのです。

連携強化加算の新設

地域支援体制加算を算定している薬局が、地域において災害や新興感染症の発生時などにおける必要な役割を果たすことができる体制を確保した場合の評価として連携強化加算(2点)が新設されました。

【薬学管理料】薬剤服用歴管理指導料から調剤管理料・服薬管理指導料へ変更

今回の改定で廃止された調剤料の対人業務に相当する評価と薬剤服用歴管理指導料の一部を合わせる形で新設されたものが調剤管理料です。調剤管理料では処方内容の薬学的分析、調剤設計(調剤料に相当)や薬歴の管理(薬剤服用歴管理指導料に相当)などを評価します。
服薬管理指導料は薬剤服用歴管理指導料で評価されていた服薬指導などに関する業務の評価として新設されました。原則3月以内に再度処方箋を持参した患者さまに行ったもしくは特別養護老人ホームに入所している患者さまに訪問して行った場合には45点、これら以外の患者さまに対して行った場合には59点を算定します(情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合も同様)。
薬学管理料のなかで、上記以外に新設や見直しが実施された評価を紹介しましょう。

外来服薬支援料

改定前は調剤料に加算されていた一包化加算に相当する部分が外来服薬支援料に組み込まれました。現行の外来服薬支援料を外来服薬支援料1、調剤料の一包化加算に相当する部分を外来服薬支援料2として算定します。
新たな外来服薬支援料では、対人業務のなかでも多種類の薬剤を服用する患者さまや自ら被包から取り出して服用することが困難な患者さまに対する服薬管理を評価します。

調剤管理加算の新設

調剤管理料の加算項目として複数の医療機関から6種類以上の内服薬が処方された患者さまに対して要件を満たすことで調剤管理加算(3点)を算定できるようになります。

調剤後薬剤管理指導加算の見直し

地域において医療機関と薬局が連携して糖尿病治療薬の適正使用の推進に関する評価の見直しに伴い、加算点数が30点から60点に変更されました。

小児特定加算の新設

ほかにも、医療的ケア児である患者さまに対して必要な薬学的管理や指導を行った場合の評価として服薬管理指導料に小児特定加算(350点)が新設されました。

服薬情報等提供料の見直し

地域において医療機関と薬局が連携して糖尿病治療薬の適正使用の推進に関する評価の見直しに伴い、加算点数が30点から60点に変更されました。

小児特定加算の新設

ほかにも、医療的ケア児である患者さまに対して必要な薬学的管理や指導を行った場合の評価として服薬管理指導料に小児特定加算(350点)が新設されました。

服薬情報等提供料の見直し

従来の服薬情報等提供料1と2に加え、3月に1回に限り50点を算定できる服薬情報等提供料3が新設されました。

服用薬剤調整支援料の見直し

複数の保険医療機関より6種類以上の内服薬を処方されている患者さまやその家族の要望により減薬などの提案を行った場合に算定する服用薬剤調整支援料2(従来は100点)の見直しが行われました。その結果、重複投薬等の解消に係る実績を有している施設の場合は110点、それ以外の施設の場合は90点の算定が可能となります。

服薬管理指導料の特例の新設

患者さまの同意を得て、やむを得ない事情によってかかりつけ薬剤師と連携するほかの薬剤師が対応した場合の評価として服薬管理指導料の特例が新設され、59点を算定できます。

在宅薬学管理の推進に伴う見直し

在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料と在宅患者緊急時等共同指導料の算定要件が見直され、主治医だけでなく、主治医と連携するほかの医師の指示によって訪問薬剤管理指導を行った場合でも算定できるようになりました。
在宅で医療用麻薬持続注射療法が行われている患者さまに対して必要な薬学的管理・指導を行った場合の評価として、在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算(250点)が新設されました。同様に、在宅中心静脈栄養法が行われている患者さまに対する必要な薬学的管理・指導の評価として、在宅中心静脈栄養法加算(150点)も算定可能です。
退院時共同指導料が見直され、算定要件としている患者さまが入院している医療機関における参加職種に薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士が追加されています。

ICTの利活用に伴う見直し

先述の通り今回の改定で新設された服薬管理指導料は、情報通信機器を用いて服薬指導を行った場合でも要件を満たすことで対面の場合と同様の点数を算定できます。
在宅の患者さまに対する情報通信機器を用いた服薬指導の評価も見直され、在宅患者オンライン薬剤管理指導料として、施設基準はなく月に4回(末期の悪性腫瘍の患者さまの場合は週2回かつ月8回)59点の算定が可能となります。
また、オンライン資格確認システムを活用する保険薬局において調剤が行われた患者さまに対して月1回まで3点を加算できる電子的保健医療情報活用加算が新設されました。

まとめ

今回の調剤報酬改定では、薬剤師の対人業務に対する評価の拡充を目的とした評価体系の見直しや新設が行われました。これは、患者さまや地域に寄り添った薬局や薬剤師が求められていることを意味しています。さらに、リフィル処方箋の導入は薬剤師の業務を大きく変化させるきっかけになるかもしれません。今回の改定内容については、今回解説した内容を中心にチェックしておきましょう。
さらに詳しい調剤報酬改定の内容を知りたい方には、PHC主催の無料セミナーがおすすめです。

▼参考資料
厚生労働省 令和4年度診療報酬改定について
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken01/dl/01b.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000870701.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000859277.pdf

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