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クリニック開業 医師 2024.01.26 公開

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標榜科目とは?診療科名を標榜する際のルールをご紹介

標榜科目は、そのクリニックが得意とする診療科名を明らかにする重要な要素です。患者さんが必要な医療機関を正しく選択するためにも、わかりやすく標榜しましょう。ここではそのための基本ルールや注意事項をご紹介いたします。

※本内容は公開日時点の情報です

#開業検討 #事業計画

目次

標榜科目とは

標榜科目とは、医療機関が専門とする分野を患者さんに伝えるために看板やホームページなどに掲げる診療科名のことです。わかりやすく標榜科目を掲げることは、患者さんが必要な医療機関を正しく選ぶことにもつながります。一方で、麻酔科を除く診療科名は医師の専門性にかかわらず、ルールを守れば自由に掲げてよいことになっています。

▽参考記事
厚生労働省『広告可能な診療科名の改正について』(PDF)

標榜科目はどう決める?診療科名の標榜方法

麻酔科を除いて標榜科目に医師の専門性は問われません。しかし、標榜方法にはさまざまな見直しが重ねられ、患者さんに誤解を与えないよう守らなければならないルールが定められています。標榜科目を決めるときにはどのようなことに注意すればよいか、詳しく見てみましょう。

基本のルール

診療科名の標榜方法については、厚生労働省が2008年に大きな見直しを行っています。この見直しによって標榜できる診療科名の組み合わせや単独で標榜できる診療科名に一定のルールが作られ、患者さんにわかりやすく誤解を与えない掲示が求められるようになりました。
具体的な基本ルールとしては、標榜科目は以下の4つのパターンで決めることが定められています。

(イ)内科
(ロ)外科
(ハ)内科または外科と以下の各事項を組み合わせたもの
  a. 部位、器官、臓器、組織またはこれらの果たす機能
  b. 疾病、病態の名称
  c. 患者の特性(性別、年齢など)
  d. 医学的処置
(ニ)単独の名称をもって診療科名とするもの。a~dの各事項との組み合わせも可能

この見直し以前に掲げた診療科名は、経過措置としてルールにのっとっていなくてもこれまで通り標榜を続けることが可能です。ただし、新しく看板などを設置する場合は、標榜科目の変更手続きを行った上で、新ルールにのっとった診療科名を掲示する必要があります。

また、標榜科目数に制限はありません。しかし、厚生労働省は勤務する医師一人に対して原則として2つ以内の診療科名に留めること、主たる診療科名を大きく表示するなど他の診療科名と区別して表記することが望ましいとの見解を示しています。

内科もしくは外科とその他の事項との組み合わせ

標榜科目を決める4つのルールのうち、内科または外科とその他の事項との組み合わせ方については、以下のようなルールがあります。

内科と外科はそれぞれ、「部位、器官、臓器、組織またはこれらの果たす機能(頭頚部、頭部、頚部、胸部、腹部、呼吸器、気管食道、肺、消化器、胃腸、血管、循環器、神経、内分泌、代謝、脂質代謝など)」「疾病、病態の名称(感染症、性感染症、腫瘍、がん、糖尿病、アレルギー疾患)」「患者の特性(性別、年齢など)」「医学的処置(整形、形成、美容、心療、薬物療法、不妊治療、ペインクリニック、人工透析、内視鏡など)」と組み合わせて表記することが可能です。具体的には、「感染症内科」や「内科(循環器)」などのようにどのような診療を受けることができるかわかりやすく掲示することが定められました。

ただし、「整形内科」「心療外科」などのように組み合わせが不合理な場合は標榜が認められません。また、別々の事項であれば「思春期心療内科」などのように組み合わせることができますが、同じ事項から複数のものを組み合わせることは認められていません。具体的には、「大腸肛門外科」などの標榜は認められておらず、「大腸・肛門外科」のようにそれぞれの事項を区切って標榜することが求められます。

単独標榜可能な診療科名

精神科、アレルギー科、リウマチ科、小児科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、放射線科、放射線診断科、放射線治療科、病理診断科、臨床検査科、救急科は単独で標榜することができます。

また、内科や外科と同じく、「部位、器官、臓器、組織またはこれらの果たす機能」「疾病、病態の名称」「患者の特性」「医学的処置」と組み合わせて、「美容皮膚科」や「小児泌尿器科」などと標榜することも可能です。ただし、「男性産婦人科」などのように組み合わせが不合理な場合は標榜が認められません。

標榜できない診療科名

標榜科目とは?診療科名を標榜する際のルールをご紹介

今回の見直しにより、上述したように各事項との不合理な組み合わせの診療科名は標榜することができなくなりました。

また、神経科、呼吸器科、消化器科、循環器科、皮膚泌尿器科、性病科、こう門科、気管食道科、胃腸科は、どのような医療が行われているがわかりにくく、患者さんに誤解を与える可能性があるため、臓器や部位、疾病のみを単独の診療科名として標榜することは認められなくなりました。

さらに、法的根拠がない診療科名も標榜することができなくなりました。具体的には、女性科、老年科、新生児科、化学療法科、疼痛緩和科、ペインクリニック科、糖尿病科、性感染症科などが挙げられます。標榜する場合は、「女性内科」や「化学療法内科」といった組み合わせでの標榜が求められます。

なお、麻酔科の標榜に関しては今回の見直しの対象ではなく、これまで通り麻酔科標榜許可を受けた麻酔科医の氏名をあわせて表記する必要があります。また、総合診療科や総合内科などジェネラル性が求められる診療科目は需要が高まっているものの、現状のルールでは標榜することが認められていません。今後の需要も考慮してルールの改正が期待されています。

▽参考記事
日本医師会『診療科名の標榜方法の見直し』

標榜科目を変更したいとき

今回の見直しは経過措置があるため、ルールにのっとらない標榜科目でも改正前に届け出たものであれば看板などを新しくする必要はありません。しかし、新たな看板や広告を掲示する場合は現行のルールを守る必要があります。

標榜科目は管内保健所に医療機関開設届を提出する際に決めて許可を得る必要があり、自由に変更することはできません。標榜科目を変更するときは都道府県知事(保健所設置市の場合は市長、特別区の場合は区長)に新たな届け出をする必要があります。届け出の方法は地域によって異なりますので、最寄りの保健所に相談しましょう。

ルールにのっとって診療科名の標榜を

標榜科目は、医療機関の専門性を掲げた診療科名のことを指します。わかりやすく診療科名を標榜することで、患者さんは自分に必要な診療を受けられる医療機関を選択することが可能です。そのため、標榜科目のルールは2008年に大きな見直しが行われています。

今回の見直しでは、内科と外科に組み合わせることができる各事項、単独でも標榜可能な診療科名が細かくルール化され、患者さんの医療アクセス向上に役立っています。一方で、不合理な診療科名や法的根拠がない診療科名などは標榜することが認められなくなりました。

経過措置があるため、過去に定めた標榜科目が表記された看板などを新しく作り直す必要はありませんが、新たに設置する場合は今回の見直しで決まったルールにのっとることが求められます。標榜科目の変更を届け出る必要がありますので、最寄りの保健所に相談してみてください。

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