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目次
電子カルテアプリの概要
電子カルテアプリとは、診療情報の記録や管理をデジタルで行うアプリケーションのことです。パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットからも利用でき、院内外を問わずカルテの情報にアクセスできます。スタッフ間での情報共有や他システムとの連携がスムーズになるのが特徴です。
政府は医療DXを推進しており、電子カルテ情報共有サービスでもマイナポータルアプリで情報連携の仕組みを作るなど、アプリがより身近になってきているといえます。なお、電子カルテ情報共有サービスの詳細については、別の記事でも解説しているため、あわせてご覧ください。

関連記事:電子カルテ情報共有サービスによるクリニックへのメリットを解説
電子カルテアプリは大きく分けて「ネイティブアプリ」と「Webアプリ」の2種類です。次の見出しで詳しく解説します。
ネイティブアプリとWebアプリの違い
電子カルテアプリを選ぶ際は、ネイティブアプリとWebアプリの違いを把握しておくと、自院に合った選択ができます。
ネイティブアプリの特徴
ネイティブアプリは、スマートフォンやタブレットにダウンロードして使用するタイプのアプリです。スマートフォンの標準的なアプリをイメージしていただくとわかりやすいでしょう。
主な特徴として以下が挙げられます。
- 起動がスムーズで操作性に優れる
- カメラやGPS機能を活用できる
- オフライン環境でも使える(対応アプリのみ)
ただし、患者さん向けの予約や問診機能を提供する場合、患者さんにアプリのダウンロードをお願いする必要があります。また、アプリのアップデートも定期的に発生するため、患者さんへの丁寧な案内やサポートが求められます。
Webアプリの特徴
Webアプリは、インターネットブラウザ上で動作するアプリケーションです。※GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなどが代表例です。
主な特徴は以下が挙げられます。
- デバイスを問わずブラウザで利用可能
- ダウンロードが不要
- 自動で更新され最新状態を維持
患者さん向けの予約や問診機能においても、アプリのダウンロードをお願いする必要がないため、患者さんの負担が少なく案内もスムーズです。
Webアプリを採用した電子カルテシステムの具体例として、以下をご紹介します。
クラウド型電子カルテ:クリニック向けクラウド型電子カルテシステム Medicom クラウドカルテ
ハイブリッド型電子カルテ:ハイブリッド型電子カルテシステム(医事一体型)Medicom-HRf Hybrid Cloud
予約・問診管理システム:Web予約・問診管理システム Medicom 診療支援
いずれも、ブラウザベースでありながら充実した機能を提供し、クリニックの業務をサポートします。
※Googleは、Google LLCの登録商標です。
電子カルテアプリのメリット・デメリット
電子カルテアプリの導入を検討する際は、メリットとデメリットの両面を理解しておく必要があります。
メリット
経営の難易度が上がっている昨今において、労働生産性や利益率を高める施策としてアプリ導入は有効です。具体的なメリットは以下が挙げられます。
| メリット | 理由 |
|---|---|
| 業務効率の向上が期待できる |
|
| 場所を問わず情報を閲覧できる |
|
| 画像の撮影から取り込むまでが簡便 |
|
デメリット
メリットを最大化するためには、ネガティブな部分への対策が欠かせません。主にデメリットといわれる部分は以下のとおりです。
| デメリット | 理由 |
|---|---|
| 運用コストがかかる |
|
| セキュリティ対策が必要 |
|
なお、セキュリティ対策について詳しく知りたい方は、セキュリティ対策セミナーもご用意しています。日々の運用に役立つ内容も含まれているため、ご活用ください。
セミナー視聴はこちらから:クリニックが行うべき4つのセキュリティ対策
アプリを導入する際に確認したい6つのポイント
電子カルテアプリを選ぶ際は、以下の6つのポイントを確認すると要望を満たすアプリが絞り込めます。
使いやすいかどうか
まず確認したいのが使いやすさです。日々の診療で使うため、操作が複雑だと業務効率が下がりかねません。スタッフ全員が使いやすいと感じるか、また患者さん側の操作もわかりやすいか、双方の視点からチェックしましょう。
可能であれば、導入前にデモや無料トライアルを利用し、実際の操作感を確認できると安心感が変わります。
必要な機能を網羅しているか
自院で必要とする機能がすべて含まれているかを確認しましょう。診療記録の入力や検索機能はもちろん、予約管理や問診表作成など、日常業務で使う機能が揃っているかをチェックします。
また、必要な機能が標準装備なのかオプション料金が必要なのかも確認し、トータルコストを見積もりましょう。
採用しているシステムと連携できるか
システム連携は、情報共有の観点で欠かせません。すでに予約システムや会計システムを使っている場合、検討しているアプリと連携できるかを確認しましょう。
連携実績が豊富なシステムであれば、導入後もスムーズに運用できる可能性が高まります。ベンダーに連携可能なシステムや実績を問い合わせ、自院との適合性を判定してみてください。
予算内のコストに収まるか
機能面と連動しますが、運用の大きな負担にならない範囲のコストかどうかは必ずチェックしましょう。初期費用・月額料金・保守費用・オプション料金など、トータルのコストを把握する必要があります。
その際、見積書の内容を正しく理解すれば、後悔のない選択につながります。電子カルテの見積書の見方を例にした見積書チェックポイントセミナーもご用意していますので、あわせてご活用ください。
セミナー視聴はこちらから:見積とる方必見!電子カルテの見積書はここをチェック
セキュリティ対策がなされているか
患者さんの個人情報を扱う以上、セキュリティ対策が万全かどうかの確認は必須事項です。データの暗号化やアクセス制限、バックアップ体制など、どのようなセキュリティ対策が施されているかをチェックしましょう。
また、ベンダーがセキュリティに関してどのような体制を整えているか、定期的なセキュリティアップデートを提供しているかも確認しておきたいポイントです。サイバーセキュリティ対策は義務化されているため、対策を検討されている先生方は以下のサービスもご検討ください。
サービスページはこちらから:サイバーセキュリティ レポートサービス
政策に対応しているか
診療報酬改定やマイナンバーカードとの連携、オンライン資格確認など、アプリが政策の動向へスムーズに対応しているかを確認しましょう。
政策対応が遅れてしまうと、診療報酬の請求に支障が出たり追加のシステム改修費用が発生したりする可能性があります。ベンダーの対応実績や今後の対応予定を事前に確認しておくと安心です。
アプリの導入ステップ
電子カルテアプリを導入する際の代表的なステップは、以下のとおりです。
- アプリの比較:複数のアプリを比較検討し、自院のニーズに合うものをリストアップする
- 導入アプリの選定:デモや無料トライアルを活用し、実際の操作感や機能を確認したうえで、最終的に導入するアプリを決定する
- 申し込み:ベンダーに正式に申し込みを行い、契約を締結する
- 初期設定、操作指導:ベンダーのサポートを受けながら、システムの初期設定やスタッフ向けの操作研修を実施する
- 稼働開始:準備が整い次第、実際の診療で電子カルテアプリの運用を開始する
なお、ウィーメックスでは、※全国150以上のサービス拠点を有しており、導入から稼働まで全面的にサポートいたします。
※販売代理店、保守サポート提携先を含む(2024年4月時点)
メディコムのサポート
まとめ
電子カルテアプリは診療情報の記録と管理を効率化し、医療DXを推進する役割の一端を担います。経営の厳しさが増している昨今において、日々の運営効率化に寄与するアプリの導入はメリットを実感できるでしょう。
一方で、運用コストやセキュリティ対策といったデメリットもあるため、使いやすさや搭載機能などのポイントを踏まえて、慎重に検討する必要があります。自院に最適な電子カルテアプリを選び、DX化のスタートを切ってみてはいかがでしょうか。
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