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電子カルテ 医師 事務長 2026.01.09 公開

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電子カルテへの音声入力は使える?導入前に知りたい実態を解説

電子カルテの音声入力とは、医師が診察中に話した内容を音声認識技術でテキストに変換し、カルテに反映する仕組みです。近年はAI技術の発展により認識精度が向上し、医療用語にも対応できるシステムが登場しています。本記事では、電子カルテの音声入力の現状から活用シーン、導入時の注意点までお伝えします。

※本内容は公開日時点の情報です

#機器選定ポイント #業務効率化 #紙カルテの電子化 #システム入替

目次

電子カルテの音声入力とは?仕組みと現状

電子カルテの音声入力は、カルテ記載者の声をリアルタイムでテキスト化し、診療記録に反映できるシステムです。ここでは、音声入力の基本的な仕組みと認識精度について解説します。

電子カルテへの音声入力は使える?導入前に知りたい実態を解説+

音声認識からカルテ反映までの流れ

電子カルテへの音声入力は、主に以下3つのステップで進みます。

  • カルテ記載者や患者さんがマイクに向かって話した内容を音声認識エンジンがリアルタイムで解析
  • 解析した音声をテキストデータへ変換
  • 変換されたテキストがSOAP形式などに整理され、電子カルテへ反映

事前に声の登録をせずともすぐに使い始められる製品もあるため、操作に不安がある場合でも導入しやすい環境が整ってきています。

医療用語の認識精度

医療辞書を搭載したシステムでは「BP(血圧)」「Rp.(処方)」などの略語も正しく変換されます。認識精度は年々向上しており、丁寧に発話すれば高い認識率を期待できます。ただし、早口や不明瞭な発音では何度もやり直すことになるでしょう。

とくに、周囲の雑音が多い環境では誤変換が発生しやすくなるため、マイクの選定や設置場所の工夫などが求められます。

音声入力の具体的な活用シーン

電子カルテの音声入力は、幅広い場面で活用されています。ここでは、導入後のイメージの参考として、院内と院外それぞれの活用シーンを紹介します。

院内での活用

外来診療では、キーボード入力の代わりに音声入力を使用するケースが増えています。医師が患者さんと対話した内容をそのままカルテに反映できるため、入力作業と診療を同時に進行可能です。

そのほか、以下のような活用シーンも挙げられます。

  • 有床施設:看護師が病棟での観察内容をメモとして残す際に活用
  • 整形外科:理学療法士がリハビリ中に患者さんの状態を記録

いずれも処置の直後に記録を残せるため、記憶が新鮮なうちに正確な内容を記載できる点がメリットです。

院外での活用

訪問診療では、患者宅や介護施設でケアしながら、実施した内容や所見を音声で記録できます。スマートフォンやタブレットに対応したシステムを使えば、移動中にカルテの下書きができる運用も可能です。帰院後にまとめて入力する必要がなくなり、転記ミスや入力漏れ防止につながります。

電子カルテ×生成AIの動向

音声入力で文字起こしした内容をAIが要約し、SOAP形式に自動整理する機能を備えた製品も増えてきました。生成AIの活用範囲は音声入力以外にも広がっており、退院サマリーや紹介状の下書き作成、診療情報の検索支援などに応用されています。

ただし、医療分野でのAI活用には情報漏えいや誤った情報生成などのリスクも伴います。非営利法人 医療AIプラットフォーム技術研究組合が策定した「医療・ヘルスケア分野における生成AI利用ガイドライン」では、リスクと対策が整理されているため、利用前に一読ください。

電子カルテとAIの組み合わせ、ガイドラインについて詳しく知りたい方は、関連記事「電子カルテAIとは?概要から確認すべきガイドラインまで解説」をご覧ください。

音声入力で得られるメリット

電子カルテへの音声入力は入力時間の短縮だけでなく、診療の質にも良い影響を与えます。導入によって期待できる2つのメリットを紹介します。

カルテ入力の時間短縮

音声入力はキーボード入力よりも速くテキストを作成できるため、カルテ作成にかかる時間を短縮できます。活用シーンの章でも触れたように、看護師や理学療法士がケア後やリハビリ後に時間を見つけて記載していた作業も、処置中に入力できるようになり、残業時間の削減につながった事例もあります。医療DXを体現した参考例といえるでしょう。

接遇の改善

音声入力を活用すると、医師はパソコン画面ではなく患者さんの方を向いて診察を進められます。キーボード操作に気をとられず、患者さんと目をあわせてコミュニケーションを取れるため、患者満足度の向上が期待できます。電子カルテ利用で生じうる「先生がパソコンばかり見ている」といった不満を解消する手段としても有効です。

導入前に知っておきたい注意点

音声入力にはメリットがある反面、導入前に把握しておきたい注意点もあります。運用開始後に想定される2つの課題を解説します。

変換精度

音声認識の精度は向上していますが、100%の認識率を保証するものではありません。同音異義語の誤変換や、早口による認識ミスの可能性は一定程度起こりうるものです。

最終的には医師による内容確認と修正作業が欠かせませんが、ゼロからキーボードで入力するよりも負担は軽減できるでしょう。音声入力で8割程度の下書きを作成し、残りを手入力で調整するなど現実的な運用構築が求められます。

プライバシーへの配慮

診察中の会話がそのままカルテに反映されるため、患者さんへの事前説明と理解が必要です。録音の目的がカルテ作成に限定される点や、データは適切に管理される点を丁寧に伝える必要があります。録音に抵抗感を示す患者さんには音声入力を使用せず手入力で対応するなど、柔軟な運用ルールを整備しましょう。

音声入力を選ぶ際の4つのポイント

音声入力システムは複数のメーカーから提供されており、機能や特徴もさまざまです。自院に合った製品を選ぶために、確認しておきたい4つのポイントを紹介します。

音声認識の精度

医療用語や略語をどの程度正確に認識できるかは、まず確認しておきたいポイントです。導入実績や認識精度に関するデータをメーカーから提供してもらい、可能であればデモ環境で実際に自分の手で試してみると、比較すべき経験値が貯められます。

電子カルテとの連携

現在運用している電子カルテとの連携実績があるかは、院内システム全体の最適化につながるポイントです。連携がスムーズでなければ、音声入力で作成したテキストをカルテに反映するまでに手間がかかり、かえって二度手間になる可能性があるためです。実績とあわせて、連携に必要な費用についても、メーカーにより考え方はさまざまなため、見積を取得しましょう。

なお、見積書の構成パターンなどチェックしたい項目がまとまったセミナーを用意しているため、取得時の参考になさってください。

セミナー視聴はこちらから:見積とる方必見!電子カルテの見積書はここをチェック

操作性

日々の診療で使用するシステムであるため、迷わず操作できるかは複数の目でチェックしましょう。たとえば、録音の開始・停止、テキストの修正、カルテへの反映といった一連の操作がシンプルであれば、導入後の定着もスムーズです。操作面や運用開始後に不安がある場合は、導入時の研修やトラブル発生時のサポート体制が充実しているかを確認しておくと安心です。

セキュリティ対策

診療内容を扱うシステムの1つであるため、セキュリティ対策は欠かせません。録音データの暗号化やアクセス制限の設定が信用に足るかどうかを確認しましょう。また、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に沿った運用が可能かどうかも選定基準に含むべきです。

セキュリティ面に不安を感じている方は、現在のシステム環境を診断できるサービスの活用も対策に挙げられます。詳しくは「サイバーセキュリティ レポートサービス」をご覧ください。

音声入力以外の負担軽減方法

電子カルテ入力の負担を軽減する方法は、音声入力以外にもあります。代表的な方法として、医療クラーク(医師事務作業補助者)の活用が挙げられます。医療クラークは、医師の指示のもとで電子カルテの代行入力や診断書・紹介状の作成補助を担当する職種です。

厚生労働省の調査では、医師の業務負担軽減策として42.6%の医療機関が「医師事務作業補助者の外来への配置」が効果的と回答しており、「医師の増員」(32.9%)を上回る結果も見られました。

音声入力以外の負担軽減方法
出典:厚生労働省「令和2年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和2年度調査)の報告案についてP279図表2-344 特に医師の負担軽減効果がある取組(3つまで)」(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000768017.pdf

医療クラークの導入により、医師は診察に集中できる環境が整い、診療スピードの改善や患者満足度の向上につながります。ただし、クラークの育成には一定の時間とコストがかかるため、人材確保や教育体制の整備を含めた検討が必要です。

実際にどのようにクラーク導入を進めるべきか、具体的な運用イメージをつかみたい方は、以下のセミナーで詳しく解説しているため、参考になさってください。

セミナーの視聴はこちらから:電子カルテのクラーク運用セミナー

まとめ|自院の状況にあった負担軽減策を

電子カルテの音声入力は、入力時間の短縮と患者対応の質向上を両立できる手段です。導入にあたっては認識精度やセキュリティ対策、既存システムとの連携をチェックしましょう。

なお、音声入力以外にも医療クラークの活用など負担軽減の選択肢は1つではないため、自院の状況に合った方法はどれなのか、検討されてみてはいかがでしょうか。

著者情報

武田 直也 様

フリーランスWebライター。18年間、医療事務として合計3つの医療機関に従事。診療報酬をはじめ、診療情報管理士の資格を活かしたカルテ監査やDPCデータ分析、クリニカルパスなどの医療情報利活用に精通している。

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