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バイオインフォマティクスとは コラム|未来を創造するサイエンス

26 Nov 2021

1. バイオインフォマティクスとは何か?

1–1. なぜバイオインフォマティクスが必要か?

近年、科学が進歩するに連れコンピューター技術も進化し、生物分子データを分析する術も便利になり今では必要不可欠なツールとまでになりました。同時に医学も大きく進歩により、シークエンシングにかかるコストも以前の100億円からたった10万円と大幅に削減され、同様にヒト一人のゲノム解析にかかる時間も当初の13年からわずか1日までになりました。しかし、サンプルのシークエンシングを行った後は膨大な量のデータが残ります。その量は、例えばヒト一人のゲノムは平均して約120GB相当のデータに変換されます。よって、多大な量のデータの分析にはバイオインフォマティクス等の分析ツールやソフトウェアが必要となるのです。バイオインフォマティクスは、長く複雑な生体分子の配列からの生物学的意味を似せる為に不可欠なツールなのです。言うなれば、医学の知識がない我々一般人は血液検査結果の数値を見ても何が良いのか悪いのかは分かりません。適切な知識と経験を持った医師を通して数値が何を表しているのかを説明してもらわないといけません。即ち、バイオインフォマティクスとは患者である研究者にとって医師の様な役割を果すのです。

1–2. バイオインフォマティクスとは何か?

バイオインフォマティクスとは、生物学とITの両方の要素が入った生命科学の分類の一つです。生体分子に由来するデータ、主にDNAの塩基配列もしくはアミノ酸配列、の分析に用いられ、遺伝子やタンパク質の機能や、進化論において生物間の関係性の研究などに需要があります。2010年頃からITの分野は大きく進化し、シークエンサーも急速に進歩しました。バイオインフォマティクスはその2つが交差する点です。

バイオインフォマティクスと言う用語はもともと“生体分子の配列の分析”を定義する為に1980年代半ばから現れた造語ですが、現在では生物学でコンピューター技術を使用するシナリオ全般を指します。シークエンシング技術は通常、生データを断片ずつでしか生成できず、それらの破片を一つの完全なゲノムデータに組み立てる作業が必要です。この作業はシークエンスアセンブリを呼ばれプログラムやアルゴリズムによって行われますが、生成された生データの評価など、計算上まだ多くの課題を持っています。

1–3. バイオインフォマティクスで何が可能となるか?

一般的なバイオインフォマティクスの用途には候補遺伝子の同定や一塩基多型の捜索などがあり、その識別は主に病気の遺伝的要素の発見、農業種において望ましい特性の選別、または集団間の表現的違いを理解する事を目的として行われます。
1945年にフレドリック・サンガーがインスリンのアミノ酸配列を発見し、その情報が一般大衆に利用可能になった時よりコンピューターは分子生物学において必要不可欠な存在となりました。革新的な技術の進歩により、今や複数の生体分子配列を手動で比較する事は非現実的です。

2. アメリエフが提供する商品とサービス

昨今、全世界でバイオインフォマティクスのサービスを積極的に提供している企業は無数にありますが、急成長している企業の1つに日本に拠点を置くアメリエフ株式会社があります。2009年に設立され、アメリエフ株式会社は世界中の研究者を支援する為に多種多様のバイオインフォマティクスのサービスを提供しています。アメリエフ株式会社のコア技術はソリューションベースのバイオインフォマティクスにあり、ソフトウェアと開発ツールを組み合わせてクライアントの生体分子データを分析します。アメリエフ株式会社は、広く使用されているバイオインフォマティクスのソフトウェアで作られたデータ分析サーバーを提供し、サーバーは生物のゲノム等クライアントの要望に応じてカスタマイズ可能です。

アメリエフ株式会社では、クライアントの研究者へのバイオインフォマティクスのトレーニングも提供しており、任意の場所やスケジュールで提供でき、トレーニングの内容もクライアントの要求に合わせてカスタマイズ可能です。

3. アメリエフの歴史と概要

バイオインフォマティクスとは、生物学とITの両方の要素が入った生命科学の分類の一つです。生体分子に由来するデータ、主にDNAの塩基配列もしくはアミノ酸配列、の分析に用いられ、遺伝子やタンパク質の機能や、進化論において生物間の関係性の研究などに需要があります。2010年頃からITの分野は大きく進化し、シークエンサーも急速に進歩しました。バイオインフォマティクスはその2つが交差する点です。

バイオインフォマティクスと言う用語はもともと“生体分子の配列の分析”を定義する為に1980年代半ばから現れた造語ですが、現在では生物学でコンピューター技術を使用するシナリオ全般を指します。シークエンシング技術は通常、生データを断片ずつでしか生成できず、それらの破片を一つの完全なゲノムデータに組み立てる作業が必要です。この作業はシークエンスアセンブリを呼ばれプログラムやアルゴリズムによって行われますが、生成された生データの評価など、計算上まだ多くの課題を持っています。

4. アメリエフ×PHCのシナジー効果

PHCHDの主要な事業部門の1つであるバイオメディカ事業部は、1966年より、高品質のライフサイエンス機器とソリューションを研究者に提供することに重点を置いています。製品ポートフォリオには、細胞の長期保存に長けた超低温冷凍庫、様々な医薬品や試薬の保管に特化した薬用冷蔵庫、最適な細胞培養の為にガスと温度を厳密に制御して体内の環境を再現するCO₂インキュベーター等があります。

PHC株式会社バイオメディカ事業では2021年7月、MGIが開発・製造した次世代シークエンサーの取扱いを開始いたしました。この機器は従来機器と比べてコストパフォーマンスに優れ、より身近にシークエンサーを用いることができます。MGIのシークエンサーの取扱いを開始したことにより、PHCHDは、グループ企業であるアメリエフ株式会社との連携を強化し遺伝子解析分野への進出を図ります。将来的には次世代シークエンシング等の最新分析技術を通じて大学や病院と共にゲノム医療・検査の発展に貢献する事で、がんや希少疾患の患者の生活の質の向上を目指します。

参考文献

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2. Udhaya Kumar, S. “Integrative Bioinformatics Approaches to Map Potential Novel Genes and Pathways Involved in Ovarian Cancer.” Frontiers in Bioengineering and Biotechnology, 2019.

3. Perkel, J, M. “How bioinformatics tools are bringing genetic analysis to the masses.” Nature, vol. 543, 2017, pp. 137-138.

4. Korf, I. “Gene finding in novel genomes.” BMC Bioinformatics, vol. 5, no. 59, 2004.

5. “Bioinformatics.” Bioinformatics Organization. 2017.

6. Meystre, S, M. “Clinical Research in Postgenomic Era.” Clinical Research Informatics, pp. 2012, 113-131.

7. Perbal, L. “The Case of the Gene Postgenomics between modernity and postmodernity.” Science & Society, vol. 16, no. 7, 2015, pp. 777-781.

8. DNA Sequencing Fact Sheet. National Human Genome Research Institute, 2021.

9. Pevsner, J. “Bioinformatics and functional genomics.” Wiley, 2009.

10. Behjati, S. “What is next generation sequencing.” Archives of Disease in Childhood. Education and Practice Edition, Vol. 98, no. 6, 2013, pp. 236-238.

11. A Journey Through The History Of DNA Sequencing

12. The Gene-Finder computer tools for analysis of human and model organisms genome sequences.” Eurofins Genomics.

13. Burge, C. “Prediction of complete gene structures in human genomic DNA.” Journal of Molecular Biology, vol. 268, no. 1, 1997, pp. 78-94.

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15. Webb, C, T. “Analysis of similarity within 142 pairs of orthologous intergenic regions of Caenorhabditis elegans and Caenorhabditis briggsae.” Nucleic Acids Research, vol. 30, no. 5, 2002, pp. 1233-1239.

16. Van Driel, M, A. “Bioinformatics methods for identifying candidate disease genes.” Human Genomics, vol. 2, no. 6, 2006, pp. 429-432.

PHCbiについて

私たちの新しい事業ブランド「PHCbi」における「bi」は、「Biomedical(生物医療)」を表すとともに、弊社の強み・哲学である「Biomedical Innovation(生物医療における革新)」を表すものです。私たちは、1966年の薬用保冷庫1号機の発売以来、「Sanyo」「Panasonic」両ブランドにおいて、その技術力を駆使し、高品質で信頼性の高い製品・サービスを創造し、ライフサイエンス分野や医療業界のお客様の期待に応えるべく努力してきた長い歴史を持っています。より詳細な情報は "PHCbiについて"をご参照ください。

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