目 次
概要
小児重症患者の予後改善を目的に、PICU(小児集中治療室)への集約化や搬送体制の整備が全国で進められています。しかし、病院間の情報伝達手段は電話に依存しており、口頭情報には限界がありました。そこで、リアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を搬送チームで活用することで、病院間でのリアルタイムの映像共有を実現。より質の高い集中治療・決定的治療へつなげる搬送支援体制の構築を実現した取り組みをご紹介します。
課 題
- 小児重症患者を受け入れるPICUに伝達される情報の質が限定的で、十分な状況把握が難しかった
- 搬送チームは限られた人員・資器材の中で、重症患者の安定化処置とPICUへの連絡を同時に行いながら患者搬送を担う必要があり、大きな負担があった
- PICUは搬送チームからの情報をもとに受け入れ準備を行うため、共有情報の正確化が診療の質に直結していた
対 策
- 搬送用ストレッチャーに遠隔医療システムを搭載し、搬送中の状況を可視化できる体制を整備
- 搬送チームが患児に接触した時点から、PICUで待機する小児集中治療医や各科専門医に向けて、搬送元での診療経過や電子カルテ上の画像情報をリアルタイムで伝送できる環境を構築
効 果
- 遠隔での搬送チーム⇔PICU双方向の映像・音声連携の実現により、搬送チームとPICUが時間と場所を問わず情報共有できるようになった
- 小児集中治療医や各科専門医が映像と検査情報をもとに、患児の状態を評価し、搬送中の助言や受け入れ準備を迅速かつ的確に行えるようになった
- 搬送時の映像を記録として活用することで、スタッフ間のフィードバックや教育の機会が生まれ、搬送体制全体の質の向上に寄与した
システム導入の背景
電話だけでは伝えきれない、患児の状態や言語化が難しい所見の共有が課題に
小児重症患者の予後改善を目的に、PICUへの集約化や搬送体制の整備が全国で進められています。特に、小児専門の搬送チームによる対応は、搬送中の有害事象の減少に寄与すると報告されています。(※)
しかし、病院間の情報伝達手段は依然として電話を利用しており、口頭で伝えられる情報には限界がありました。一刻を争う患児の搬送現場では、チーム全員が映像によるリアルタイム連携を求めていました。
(※)Edge WE, Kanter RK, Weigle CG, Walsh RF. Reduction of morbidity in interhospital transport by specialized pediatric staff, Crit Care Med. 1994;22(7):1186-1191.
システムの導入
搬送チームとPICUがリアルタイムでつながり、到着直後から最適な治療へ
本事例では、搬送チームが運用するストレッチャーに遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を搭載し、病院間でのリアルタイム連携を実現。これにより、搬送中から小児集中治療医や各科専門医による患者評価と助言が可能となり、より質の高い集中治療・決定的治療へつなげる搬送支援体制を構築しました。
システムの導入効果
受け入れ準備の最適化
搬送チームが“隣にいるような感覚”で、PICUに情報を届けられる体制を構築。到着前から検査画像やリアルタイム映像をもとに、小児集中治療医や各科専門医が患者評価を行えるようになり、到着直後に行う治療の優先順位が明確化しました。集中治療・決定的治療が、より迅速かつ的確に展開されるようになりました。
遠隔で搬送チームをサポート
処置・移動中もハンズフリーで、搬送チームとPICUの双方向コミュニケーションを維持できるようになったため、搬送チームは容態安定化処置を進めながらリアルタイムに専門医から助言を受け、PICUは受け入れ準備を先行して行える体制を確立できました。搬送チームの負担を減らし、緊迫した場面での診療精度の向上につながります。
重症患者搬送環境の最適化
「Teladoc HEALTH」により、ハンズフリーの常時接続が可能となったことで、処置中・移動中でも映像・音声をPICUへリアルタイムに共有できるようになりました。チーム連携の精度が高まり、患者管理の安全性も強化。PICU到着まで絶え間ない連携を維持し、速やかな決定的治療が可能になりました。
ご利用者様の声
あいち小児保健医療総合センター 石川 祥一朗 先生は、「「Teladoc HEALTH」は、小児重症患者における初療医療機関・搬送チーム・PICU間の“Chain of Survival”を、より一層強化する役割を果たしています。搬送チームは、リアルタイムで映像や音声を共有しながら、PICUで待機する医師の助言を受けつつ、搬送元施設内および搬送中の容態安定化処置を行えるようになりました。搬送開始の時点から、PICU側では患児の状態や画像検査所見などを共有できるため、到着後に実施すべき処置や検査の優先順位が明確となり、治療の精度と迅速性の向上を実感しています。」と述べています。
あいち小児保健医療総合センター
住所:愛知県大府市森岡町七丁目426番地
開院年月:2001年(平成13年) 11月1日
病床数:200床
診療科目:救急科、集中治療科、循環器科、心臓血管外科、アレルギー科、感染免疫科、産科、新生児科、総合診療科、腎臓科、内分泌代謝科、神経内科、予防接種センター(保健科)、小児外科、整形外科、形成外科、泌尿器科、脳神経外科、耳鼻いんこう科、眼科、麻酔科、歯科・口腔外科、放射線診断科、皮膚科
Teladoc HEALTH(遠隔医療システム)について
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導入製品のご紹介
Teladoc HEALTH(遠隔医療システム)
「Teladoc HEALTH(遠隔医療システム)」は、チーム医療をサポートする、リモート操作可能なリアルタイム遠隔医療システムです。”あらゆる現場で、いつでも簡単につながる安心を”をコンセプトとし、専門医の少ない医療機関と遠隔地の専門医とをオンラインでつなぎます。
