目 次
概要
課 題
- 分娩施設・専門医が限られる中、地域の分娩の約3分の2を産科クリニックが担っている
- NCPR(新生児蘇生法)講習を受講していても、新生児仮死に対応する機会は限られ、緊急時に学んだ手技を即座に実践することが難しい
- 搬送医の到着まで時間を要し、また電話だけでは児の状態や蘇生処置を継続的に把握しながら支援することが難しい
対 策
- 地域の産科クリニックに「Teladoc HEALTH」を設置し、新生児仮死発生時に長浜赤十字病院と映像・音声をリアルタイムに共有できる環境を構築
- 長浜赤十字病院の医師が遠隔からカメラを操作し、児の状態や蘇生手技、生体モニター等を確認しながらNCPRに基づき助言。産科クリニック側のスタッフは児への処置に集中できる体制を整備
- 遠隔支援と並行して搬送体制を整え、産科クリニックでの蘇生支援から搬送、NICU受け入れまでを一連の流れでつなぐ体制を構築
効 果
- 経験機会の限られる新生児蘇生時も、専門医と児の状態や処置を確認しながら対応
- 搬送医の到着前から、児の状態確認と蘇生支援を開始
- 産科クリニックでの蘇生から搬送、NICU受け入れまで切れ目なく連携
システム導入の背景
NCPR講習で学んだ手技を、緊急時の実践につなげることが課題に
湖東・湖北医療圏では分娩を取り扱う医療機関が減少する一方、地域の分娩の約3分の2を産科クリニックが担っています。また、周産期・新生児医療を担う専門医も限られています。
産科クリニックのスタッフは定期的にNCPR講習を受講しています。しかし、実際の新生児仮死に遭遇する機会は限られ、緊急時に講習で身につけた知識や手技を即座に実践へ移すことは容易ではありません。 シミュレーションで手技を実演できることと、実際の緊急時に対応することとの間にはギャップがあります。
さらに、遠方の産科クリニックでは搬送医の到着まで時間を要します。従来の電話やスマートフォンによる支援では、児の状態や蘇生処置、生体モニターなどを継続的に確認しながら支援することにも限界がありました。
システムの活用
新生児仮死への初期対応から搬送・NICU受け入れまでをつなぐ周産期遠隔医療
そこで長浜赤十字病院と地域の産科クリニックでは、「Teladoc HEALTH」を活用した新生児蘇生遠隔支援体制を構築。 新生児仮死発生時から映像と音声を共有し、長浜赤十字病院の医師が児の状態や蘇生処置を確認しながら、NCPRに基づく助言を行います。
さらに、遠隔支援と並行して搬送やNICUの受け入れ準備を進めることで、産科クリニックでの新生児蘇生から搬送、NICUでの受け入れまでを切れ目なくつなぐ地域連携体制を構築しています。
システムの導入効果
NCPR教育を実臨床まで支援
NCPR講習で習得した知識や手技を、実際の緊急時にも活かせるよう、長浜赤十字病院の医師が映像を通じて児の状態や蘇生処置を確認します。
実際の新生児蘇生を経験する機会が限られる中でも、専門医と同じ映像を見ながら状態や処置を確認し、助言を受けながら対応できる体制を整えることで、専門医と同じ映像を見ながら状態や処置を確認し、リアルタイムに助言を受けることで、経験機会の限られる新生児蘇生においても、専門的な支援を受けながら対応できる体制につなげます。
搬送待機時間を支援時間へ
新生児仮死発生後、搬送医が現場へ到着するまでの時間も、長浜赤十字病院の医師がTeladoc HEALTHを通じて継続的に支援。
児の皮膚色や胸郭の動き、心拍数、SpO₂、蘇生手技などを確認しながら助言することで、搬送を待つ時間を専門的な支援を行う時間として活用します。
クリニックからNICUまで切れ目なく連携
遠隔支援と並行して、待機医やドクターカーを招集し、NICUでは共有された情報をもとに搬送前から受け入れ準備を開始。
搬送医もそれまでの経過を共有した状態で現場へ向かうことで、産科クリニックでの蘇生支援から搬送、NICU受け入れまでを一連の流れでつなぐ体制を構築しています。
ご利用いただいた先生のお声
日本赤十字社 長浜赤十字病院 小児科 新生児科部長 山本 正仁 先生は、「地域の産科クリニックとは、平時からNCPR講習などを通じて連携しています。Teladoc HEALTHを活用することで、講習だけでなく、実際に新生児蘇生が必要となった際にも、児の状態や処置を映像で確認しながら支援することができます。
新生児蘇生は経験する機会が限られるため、専門医がリアルタイムに状況を確認し、助言できることは、臨床支援としてだけでなく、実践を通じた教育・OJTの面でも意義があると考えています。平時から築いてきた連携を、緊急時の実践支援につなげていくことが重要です。」と述べています。
日本赤十字社 長浜赤十字病院
住所:滋賀県⻑浜市宮前町14番7号
開院年:1932年
病床数:486床
診療科目: 内科、消化器内科、循環器内科、糖尿病・内分泌内科、神経内科、血液内科、呼吸器内科、内視鏡内科、肝臓内科、小児科、精神科、救急科、外科、乳腺外科、肛門外科、呼吸器外科、整形外科、脳神経外科、形成外科、内視鏡外科、血管外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう・頭頸部外科、リハビリテーション科、放射線科、病理診断科、麻酔科、歯科口腔外科
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