目次
クリニック開業における物件選定の重要性
クリニックの開業準備は複数の工程が同時に進行していきますが、開業準備の出発点が物件選定です。開業地の選択は診療圏の患者数や競合状況に直結し、開業後の経営安定にも長く影響します。物件は一度決定すると変更が容易ではないため、現状に加え将来性まで見据えた検討が求められます。
さらに、2026年4月から段階的に施行されている医師偏在是正の開業規制も、開業地選びに関わる制度として、早めに確認しておくと安心といえるでしょう。
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物件選定が開業の成否を左右する理由
開業後の来院患者数は、クリニックの立地に大きく左右されます。駅からの距離や周辺の人口構成、競合医療機関の状況によって、同じ診療科でも集患の難易度が変わるためです。物件は内装や設備とは異なり、開業してから簡単には変更できません。
加えて、2026年4月から段階的に施行されている開業規制も、物件選定に直接関わる制度として確認が必要です。具体的には、外来医師が過剰に集中する「外来医師過多区域」での新規開業には、都道府県への届出と医療機能提供の要請制度が設けられました。
出典:厚生労働省「医師偏在対策について 令和8年1月19日第123回社会保障審議会医療部会P28」(https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/001634535.pdf)
どこで開業するかが、多角的に求められる状況といえます。選定に際し、開業規制の詳細や対応策を解説した記事も参考になさってください。
開業準備のなかで物件選定を始めるべきタイミング
物件選定のタイミングを考えるうえでは、まず開業全体のスケジュール感を把握しておくと見通しがしやすくなります。以下の図が全体像です。物件選定はスタートラインのため、物件を決定する前の段階は時間的制約がなく、年単位で開業地を絞り込む先生も珍しくありません。
一方、物件を決定した後は準備の性質が変わります。とくに、内装・設備が何もない状態のテナント(スケルトン物件)からの開業では、内装の設計から竣工までに時間を要します。また、物件契約後は賃料が発生し始めるため、コスト管理の観点からもスピーディーな準備と進行が必要です。
なお、開業形態によって準備期間は変わります。戸建て開業は建物の建設期間が加わるため期間がさらに延び、居抜き物件では内装工事が最小限で済むケースもあります。開業全体の流れについて体系的に解説した記事も用意しているため、あわせて参考になさってください。
クリニックの物件タイプ
クリニックの物件選定では、どのような物件タイプがあるのかもおさえておきたい情報です。主なタイプは「戸建て」「テナント(賃貸)」「居抜き物件」「医療モール」の4種類です。各タイプのメリット・デメリットを下表にまとめたため、概要把握の参考としてお役立てください。
【主要な物件のタイプ】
| タイプ | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 戸建て |
|
|
| テナント(賃貸) |
|
|
| 居抜き物件 |
|
|
| 医療モール | 集患がしやすく費用をおさえやすい |
|
各タイプの特徴をふまえたうえで、診療スタイルや資金計画、集患の方針と照らしあわせながら検討を進めるとよいでしょう。
クリニック開業に向けた物件選び3つのポイント
物件選定においては、以下3つのポイントをおさえておくと判断がしやすくなるでしょう。なお、物件選定の判断基準や検討の進め方についてより詳しい情報は、以下のセミナーでも解説しています。参考になさってください。
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ポイント1:立地戦略の立案
患者さんが来院しやすい立地かどうかを、定量的に確認するところからが出発点です。以下の状況を診療圏分析で把握し、開業後の集患見込みを裏付けることが求められます。
- 人口構成
- 年齢分布
- 疾病傾向
- 交通アクセス
- 競合医療機関
単純な人口規模だけでなく、将来的な人口動態予測まで分析に含めると精度が上がります。たとえば、内科・小児科であれば子育て世代が多い地域かどうか、整形外科であれば高齢者人口の比率が高いかどうかなど、自院の診療科と地域のニーズが噛み合っているかを確認してみましょう。
ポイント2:法律に準拠した設備・設計の確認
クリニックの設計・内装は、診療科目ごとの構造設備基準を満たす必要があります。たとえば、診察室の面積や廊下との明確な区画などです。一例として荒川区役所の情報も参考になります。あわせてご参照ください。
出典:荒川区役所「診療所の構造設備基準等について」(https://www.city.arakawa.tokyo.jp/a032/jigyousha/toroku/shinryoujokouzou.html)
物件選定の段階から必要な設備が整えられるかどうかを確認しておくと、内装設計や保健所への届出を円滑に進めやすくなります。内装のポイントをまとめた記事も用意しているため、参考になさってください。
ポイント3:契約条件と融資スケジュールの調整
物件契約後は賃料が発生するため、金融機関の融資実行タイミングと引渡しスケジュールを事前にすりあわせておくことが求められます。融資審査には事業計画書の内容が大きく影響するため、金融機関への相談と並行して物件選定を進めるのが効率的です。
なお、融資の申し込みができるのは土地・建物の契約ができてからです。書類の準備や担当者との面談などが必要なため、余裕をもたせたスケジュールを立てましょう。
融資を受けるための事業計画のポイントをまとめた資料もご用意しています。手元資料としてご活用ください。
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開業が後悔とならないために確認すること
クリニック開業における後悔の原因は、「場所」「ヒト」「設備」「運用」の4つに大別されます。各カテゴリの主なつまずきポイントを下表で整理しました。
| 後悔しないために確認したいポイント | 考えられる対策 |
|---|---|
| 場所選び |
|
| ヒト選び |
|
| 設備 |
|
| 運用面 |
|
各カテゴリの事例や対策の詳細を解説した記事も参考になさってください。
また、どのカテゴリの課題も、早い段階で専門家に相談することで対策を立てやすくなります。一人で抱え込まず、開業支援の活用も検討されてみてはいかがでしょうか。
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電子カルテでカルテを管理するメリット
クリニックの開業は、物件選定・資金調達・設備選定・スタッフ採用・公的手続きなど、多くの工程を同時並行で進める必要があります。勤務しながらの準備は負担が大きく、抜け漏れなく全工程をやり遂げることは容易ではありません。
ウィーメックスでは、物件選定をはじめとするクリニック開業の全工程を、経験豊富な開業コンサルタントがサポートいたします。物件の選び方から資金計画の立て方、スタッフ採用まで、開業準備の各フェーズに対応した支援を提供しているため、専門家のサポートを活用することで準備の精度と効率を高めていただけます。
開業準備でお悩みの点がある場合や、物件情報の収集に着手したばかりの段階でも、お気軽にご相談ください。
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まとめ
クリニックの物件選定は、開業後の経営を左右する出発点のステップです。開業地は後から変えられないため、診療圏分析・医師偏在の開業規制・物件タイプの比較など、多角的な観点からの検討が求められます。
選定の判断軸としては、立地戦略の立案・法律に準拠した設備設計の確認・融資スケジュールとの調整の3点をおさえておくとよいでしょう。
一人での準備に不安を感じたら、専門家への相談も検討されてみてはいかがでしょうか。
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