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薬局経営 薬剤師 薬局経営者 2023.07.20 公開

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【2023年最新版】オンライン服薬指導とは?算定要件や流れを解説

0410対応が発出され、2020年4月から以前よりオンライン服薬指導を行えるようになりました。しかし、0410対応は2023年7月で終了するため、今後は改正薬機法に沿った対応をしていかなければなりません。では、今後はどのような流れでオンライン服薬指導を行えばよいのでしょうか。今回は、オンライン服薬指導とはそもそもどのようなものなのかという点を含め、オンライン服薬指導の流れや算定要件について詳しく解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

#業務効率化 #医療政策

目次

オンライン服薬指導とは

オンライン服薬指導とは、スマートフォンやパソコンなどの情報通信機器を活用して実施する服薬指導のことです。オンラインではあるものの、通常の服薬指導と変わらず、薬剤師が患者さんの状態を確認しながら行います。

もともと服薬指導は、対面で行うことが義務付けられていました。そのような中、2019年に薬機法改正が行われ、一定の要件のもとで全国的にオンライン服薬指導が行えるようになったのです。

従来は対面での服薬指導を1回でも行ったことがある方のみしかオンライン服薬指導ができませんでしたが、法改正により対面を経ることなくオンライン服薬指導が行えるようになっています。

0410対応は2023年7月で終了、今後の実施要件は改正薬機法に従うことに

オンライン服薬指導は、後期高齢化や地域の過疎化、ライフスタイルの多様化に対応するために、遠隔でも服薬指導を行えるようにしたものです。このほか、子育て世代や働き世代の方の負担を減らす意味合いもあります。

しかし、この時点でオンライン服薬指導の対象となっていたのは、対面での服薬指導を受けたことがある患者さんのみでした。初回からオンライン服薬指導を受けることはできず、まずは薬局へ足を運ばなければなりません。

つまり、オンライン診療を受けた患者さんも、初回の場合はわざわざ調剤薬局へ行く必要があったのです。これでは、せっかくのオンライン診療の良さを活かしきれていません。

このような中、厚生労働省から発出されたのが0410対応です。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、オンライン服薬指導の実施を時限的、特例的に認めるようになります。これにより、初診でもオンライン服薬指導を受けられるようになりました。

しかし、2023年7月31日をもって0410対応を終了するとの連絡が2023年3月に厚生労働省より発出されたのです。これは、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類に移行することが関係しています。

ただし、オンライン服薬指導そのものがなくなるわけではありません。時限的、特例的な扱いは一定期間にわたって継続されますが、0410対応に基づく診療報酬上の取り扱いについては2023年7月31日に終了します。

▽関連記事
厚生労働省『新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて』(PDF)

実施要件の違い

一口にオンライン服薬指導といっても、改正前薬機法と0410対応、改正後薬機法のどれに沿って行うかによって実施要件が異なります。

0410対応の場合は、音声のみでの通信方法も可能でしたが、改正後薬機法では不可となるので注意しましょう。改正前薬機法では初回のみ対面で服薬指導を受ける必要がありましたが、0410対応と改正後薬機法では、初回でもオンライン服薬指導が可能です。

改正前薬機法 0410対応 改正後薬機法
実施方法 初回のみ対面で服薬指導を受ける必要あり 初回でも薬剤師の判断により電話やオンライン服薬指導が可能 初回でも薬剤師の判断と責任に基づき、オンライン服薬指導が可能
通信方法 映像および音声(音声のみは不可) 電話(音声のみ)でも可能 映像および音声(音声のみは不可)
薬剤師 原則として同一の薬剤師がオンライン服薬指導を実施 かかりつけ薬剤師・薬局や患者の居住地にある薬局で行われることが望ましい かかりつけ薬剤師・薬局により行われることが望ましい
診療の形態 オンライン診療または訪問診療を行った際に交付した処方箋 どの診療の処方箋でも可能 どの診療の処方箋でも可能
薬剤の種類 これまで処方されていた薬剤またはこれに準じる薬剤 原則として全ての薬剤 原則として全ての薬剤
服薬指導計画 服薬指導計画を策定した上で実施 特に規定なし 服薬指導計画と題する書面の作成は求められないが、服薬に関する必要最低限の情報等を明らかにする
セキュリティ 服薬指導計画にセキュリティリスクに関する責任の範囲およびそのとぎれがないこと等の明示 初診時の要件遵守の確認
  • 患者に対して情報の漏えい等に関する責任の所在を明確にする
  • 対面と同様に、初診時の要件遵守の確認
実施場所
  • 患者:プライバシー配慮。清潔かつ安全。
  • 薬剤師:調剤を行った薬局内の場所とすること。この場合、当該場所は対面による服薬指導が行われる場合と同程度にプライバシーに配慮すること。
特に規定なし
  • 患者:プライバシー配慮。ただし、患者の同意があればその限りではない。
  • 薬剤師:調剤を行った薬局内の場所とすること。この場合、当該場所は対面による服薬指導が行われる場合と同程度にプライバシーに配慮すること。
▽参考記事
厚生労働省『オンライン服薬指導について』(PDF)

診療報酬と算定要件の違い

0410対応と改正後薬機法では診療報酬や算定要件が異なります。0410対応にのっとったオンライン服薬指導を行う場合は、旧調剤報酬点数表による薬剤服用歴管理指導料を算定するのが基本です。

処方箋の受付1回につき43点(原則3ヵ月以内に再度処方箋を持参した患者さんにオンライン服薬指導を行った場合)、それ以外の場合は57点を算定します。

スマートフォンやパソコンなどの情報通信機器を用いてオンライン服薬指導を行った場合は現行の薬機法や服薬管理指導料4の算定要件に従って対応しなければなりません。この場合、原則3ヵ月以内に再度処方箋を持参した患者さんについては45点、それ以外の患者さんには59点を算定できます。

ちなみに改正前薬機法では、薬剤服用歴管理指導料4が対象となり、情報通信機器を用いた服薬指導を行うことで43点を算定できました。

オンライン服薬指導の流れ

オンライン服薬指導の流れは、次の通りです。

  • 対面もしくはオンラインで医療機関を受診します。
  • オンライン服薬指導の予約を行います。なお、処方箋の期限は発行日を含めて4日となっているため、期限内に予約を行うようにしてください。
  • 処方箋を提出します。オンライン服薬指導の開始日時に間に合うように、郵送または直接来局して提出をしてください。薬局によっては、アプリを利用して画像を送信することも可能です。ただし、後日に原本の提出が求められます。
  • オンライン服薬指導を開始します。予約した時間になったら、薬剤師の服薬指導を受けましょう。
  • オンライン上で決済をした場合は、自宅まで薬が配送されます。薬局で薬を受け取ることも可能です。薬局によっては、代引きでの支払いを利用することもできます。

一般的に、オンライン服薬指導はこのような流れで行っていきます。注意したいのは、処方箋の原本をあらかじめ薬局に提出する必要があることです。期限は発行日を含めて4日しかありませんので、早めに提出しましょう。

オンライン服薬指導を導入するメリットとデメリット

オンライン服薬指導には、メリットとデメリットの両方があります。それぞれについて見ていきましょう。

メリット

大きなメリットは、患者さんの負担を軽減できることです。処方箋の原本を薬局まで送る手間はあるものの、直接足を運ぶ必要がありません。待ち時間の短縮にもなるため、足腰が弱い方や介助者が必要な患者さんの負担軽減にもなるでしょう。

また、薬局内に患者さんが集まるのを防止できることから、密な状態を防ぎ感染防止にもつながります。

デメリット

薬局側がいくらオンライン服薬指導を行う環境を整えても、患者側がスマートフォンやパソコンに使い慣れていないと意味がありません。状況によっては、オンライン服薬指導を実施できないこともあります。

お薬手帳の確認が難しいこともあり、細かな飲み合わせをチェックできないこともあるでしょう。薬を実際に受け取るまでにタイムラグが生じたり、配送料の支払いが必要だったりすることもデメリットです。

遠隔服薬指導に必要な「電子お薬手帳」とは

オンライン服薬指導を行う際は「電子お薬手帳」を活用し、患者の服薬状況などを正確に把握することが必要です。
電子お薬手帳とは、スマートフォンやタブレットなどの端末にお薬の情報を保管し、紙のお薬手帳と同様に活用できるシステムです。これまで紙のお薬手帳としての機能は変わらず、オンライン上で診察や投薬を行う医師や薬剤師が閲覧することができます。また、電子お薬手帳によっては通院日や服薬時間などを管理できるものもあります。
また、オンライン服薬指導の解禁に伴い、電子処方箋と電子お薬手帳との連携も期待されています。連携されると電子処方箋のサーバから患者の電子お薬手帳に調剤情報が直接登録されるため、患者の利便性向上にもつながります。

メディコムの電子お薬手帳「ヘルスケア手帳」について、詳しくはこちら。

オンライン服薬指導で患者さんの負担軽減に

オンライン服薬指導とは、スマートフォンやパソコンなどを使って服薬指導を行うことです。0410対応が発出され電話での対応も可能になりましたが、2023年7月31日を過ぎると改正後薬機法が適応され、スマートフォンやパソコンを使った服薬指導を行う必要が出てきます。

オンライン服薬指導は、うまく使えば患者さんの負担軽減につながるものです。まだまだ浸透しきっているとは言えない状況のため、これからも改善や推進が求められます。

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